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9.幼馴染達
しおりを挟むロドリフォが連絡したようで、翌日ケンドリック様とリシアちゃんが訪ねてきた。
「おい、リシェル、システインと結婚するんだって?」
「初耳ですよ?」
私にお祝いの花束を渡しながら、挨拶もそこそこに本題から入る二人。
驚きを隠さないし、何だか楽しそうだ。
「あ、えーっと……そういうことになりました。」
事の真相なんて話せるわけがないので、私はこの場をやり過ごすことばかり考えている。
「まぁ、身近で結婚するならシステインは見た目も中身も最優良物件だからな。上手くやったな、リシェル。」
普段クールなケンドリック様が珍しく揶揄ってくる。
「おめでたいことなんですから、ケンドリック様ほどほどになさって?」
リシアちゃんは、そんなケンドリック様を肘で突つき嗜める。
「でもさ、二人が恋愛してたって感じがしないんだけど…水面下で育む愛ってやつか?」
もう勘弁して欲しい。
赤くなって俯くと、リシアちゃんが変に誤解したらしく、私を庇う。
「そういうことは、お二人の秘密でよろしいじゃないですか。あまり根掘り葉掘り聞き出そうとしてはいけません。お祝いの為に来たのですから。ケンドリック様の微妙に女心が読めないところ、ダメですよ?」
ふわっと可愛らしいリシアちゃんに上目遣いで諭されると、ケンドリック様もたじたじだ。
はたから見ると、ケンドリック様とリシアちゃんの方が余程恋人同志に見える。
「お二人、お似合いね。」
普通に言ったつもりが、動揺し出すケンドリック様。
「えっ?いゃ、あの………」
「あら、リシェル様、私達お付き合いしてますのよ?婚約はまだですけど。リシェル様とシステイン様に抜かされてしまいましたが、何れは結婚したいと思っていますの。ふふふ。」
ケンドリック様の慌てふためく様子を見ると、これはリシアちゃんに先手を打たれた感じかしら?
「そうなの。とてもお似合いだわ。でもリシアちゃんモテるから、ケンドリック様は油断大敵ですわね!」
「リシェル、自分の話はモゴモゴしてたくせに急に饒舌になるなっ!今度システインも居る時、じっくり聞かせてもらうからな!!惚気話でも準備しとけよ?」
ケンドリック様とリシアちゃんは、何だかんだ賑やかにお祝いしてくれた。
クールに見えるケンドリック様をあんなに笑顔にするリシアちゃんは凄いなと、見送りながら思った。
私もシステイン様を笑顔出来たらいいなと思いつつ、私が求められているのは、そういうことではないのかもしれないなぁとも思う。
公爵家の為に、なんだろうな。
ケンドリック様に「上手くやったな」と言われたけど、これからの方が上手くやらなきゃいけないことを私は知っている。
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