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11.役割り
しおりを挟むあれから三日、熱が出て胃の調子も悪いので、ベッドに寝た切りになってしまった。
システイン様からは、毎日花束とお手紙が来ていたが、お手紙は開封していない。
婚姻の取り消しとまではいかないだろうが、何となく気まずさと、言いようのない思いが胸に残っているからだ。
今は疲れている。
私は何を間違えたのだろう。
役割りを果たせなかったのだろうか。
それとも余計なことをしたのだろうか。
考えることすら面倒になってきた。
もう、一層の事全て話して、みんなに頭を下げればいいのだろうか。
分不相応な結婚なんかやめて、自立出来るように勉強して、前みたいな気持ちで頑張ればいいのだろうか。
ベッドでぼーっとしていると、ヘイゼルが入ってきた。
「お姉ちゃん、システイン様と何かあった?」
結婚するとなってから、ヘイゼルと話すのは初めてだ。
元々社交的なヘイゼルは家を空けることが多い為、気にしていなかった。
だが、今から部屋に入って来たヘイゼルの顔つきを見ると、何か言いたげに見える。
「体調が良くないだけよ。疲れてるの。ヘイゼルこそ、何かお話でもあるの?」
「お姉ちゃん、本当にシステイン様が好きなの?私がシステイン様をお慕いしていたこと、気付いてなかったの?」
「えっ……」
驚きのあまり、私は声が出なくなってしまう。
「もう三日もシステイン様のお手紙を無視してるでしょう?そんな扱いする位だったら、システイン様を私にちょうだい!私が大事にするわよ!!顔もそっくりだし、私がお姉ちゃんの役割りをすればいいし。その結婚、私がする!」
言いたいことだけ言って、ヘイゼルは出て行ってしまった。
(あぁ…そうだったのか…ヘイゼルの気持ちに全然気付かなかった。ケンドリック様とリシアちゃんのことですら気付かなかったし、当たり前か。ヘイゼルなら、私より上手くやれるだろう。最初から、その方が良かったんだ。)
すとんと腑に落ちた私は、システイン様にお手紙を書き、荷造りを始めた。
しばらくここを離れよう。
もう半年経たずに結婚式だもの。
花嫁が代わっても、両家には影響無いだろう。
私は少しの荷物を持って、家を出た。
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