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2.愛の無い行為 *
しおりを挟む「愛せない」と言われたこの状況で、私はかなり悩んでいた。
フィーロに対する気持ちは、愛とは呼べなくても、今まで過ごした時間の中で、単なる顔見知りや友人の枠は、疾うに超えていたからだ。
丁寧な湯浴みと花びらが飾られたベッドなど、初夜の準備は万端だった。
気恥ずかしさにソファにちょこんと座る私とフィーロ。
お互い結構な時間こうしていて、もう真夜中だ。
「やはり、初夜は無理ですか?」
フィーロがおずおずと顔を覗き込んでくる。
「あなたはどうなのですか?愛する女性を裏切るような気持ちになりませんか?」
フィーロは少し悩んで、意を決して話す。
「その女性には夫がいますので。立ち場は同じになります。家の為と割り切っています。」
家の為、家の為。
そこに自分の気持ちは?
私の気持ちは?
物分かりのいい大人の考え方を、私もしなければならないのだろうか。
父がこの事業に力を入れていることは理解している。
それに、家の為に娘を売ろうとしたのではなく、フィーロならと娘の幸せの為に公爵家に嫁がせようとしたことも。
「分かりました。致しましょう。初めて故、不手際があると思いますがご容赦ください。」
覚悟を決めた私に、フィーロは少し戸惑っていたが頷いた。
「ベッドに行きましょう。」
急に抱き上げられ、体を強張らせる私を優しくベッドに下ろした。
そして、そっと口付けた。
「凄く緊張してるのは同じです。怖かったら止めてください。」
フィーロは潤んだ瞳で私を見つめた。
「はい。大丈夫です。夫婦となるのですから敬語はやめてください。あと、嫌でなければ、レイとお呼びください。」
「レイ…」
フィーロはまた口付けてきた。
今度は舌が入ってくる。
ぬるぬると口内を蹂躙され、初めての感触に頭がクラクラしてくる。
「口付けって、ふわふわとして甘いんだな…」
フィーロは唇を離して、夜着を寛げる。
逞しい胸板、割れた腹筋、少し汗ばんできた体が美しい。
「レイも脱がすぞ。」
大切なプレゼントを開封するように、丁寧に夜着を脱がす。
「綺麗だ。肌が白くて滑らかで、乳首は薄いピンクなんだな…」
舌先で胸の蕾を捕らえ、吸い、舐め回す。
「堪んねぇ…」
小さく呟いた口調は、先ほどの礼儀正しさの欠片もない。
ちゅっちゅと音を立てて胸を吸うことに夢中になっている。
「ぁあ…んんっ…」
私は初めての刺激に戸惑っていた。
くすぐったいだけでなく、変な感じなのだ。
「感じてきたか?では、こっちも…」
指先が陰唇をなぞると、溢れ出した蜜でぬるっとする。
指先にたっぷり蜜を馴染ませ、陰核を摘む。
「んっっ、いやっっ!やめ、てっ!!」
「気持ちいいのだろう?素直になれ。」
「はぁう…んふっ…だめぇ…」
フィーロの指がどんどん膣内に侵入し、解しにかかる。
指が三本に増えた時、口で陰核を吸われ、私の中が収縮した。
「あああー、だ、だめっ!だめぇぇぇ!!」
「達したな。指を締め付けたぞ?これはダメじゃなくて、イくと言うんだ。」
これが達するということ。
閨の知識はないわけではなかったけど、この行為に夢中になる人達の気持ちが少しだけ分かったかもしれない。
今まで体験したことのないものだ。
逆に、こういった行為をしないフィーロと愛する女性は、本当に心から愛し合った絆があるのだろう。
私には与えられることのない繋がりを思うと、胸がちくりとした。
「どうした?嫌だったか?」
「いえ、嫌ではありませんでした。」
「ならば続ける。痛くても我慢して欲しいが、無理なら言って?」
フィーロは私の脚の間に入ってきて、ゆっくりと唆り立つ肉棒を挿れてきた。
ミチミチと引き裂くような痛みに、勝手に腰が逃げそうになる。
「んぐっ…」
「まだ先端しか入ってないが…全部挿れるぞ。」
「我慢出来ないわけではないので、続けてください…」
私の両膝を持って左右に開き、フィーロが体重を掛けてくる。
グッと一気に肉棒を突き付けられ、唇を噛んで耐えた。
フィーロは、血が滲むその唇を舐めた。
フィーロの唇に付いた血を見たら、あまりにも妖艶で誘うような表情だったので、膣がピクピクと痙攣するのが自分でも分かった。
「くっ、締めるなっ!出るとこだった…今から動くぞ。」
フィーロは深く息を吐いて抽送を始めた。
はぁ、はぁ、はぁ、はぁ。
最初はゆっくりだったのに、自分の昂りに正直になったフィーロは、射精の為の動きに変わっていく。
「ああ、レイっ!気持ちいいぞ!君の中、凄い…腰が溶けそうだっ!!」
「ぃたっ…いた、ぃ…」
かたや快感に酔いしれ、かたや痛みに耐え、一つの行為なのに、真逆の反応。
そのうち慣れるのだろうかと冷静に考える自分がいる。
「レ、レイっ、出るっ、中に出すぞっっ!ううっ!」
出された。
子種だ。
そう感じる位にお腹の中にあたたかいものを感じた。
不思議と不快ではなく、繋がったままの肉棒がビクビク波打つのを感じていた。
「すまない…夢中になってしまった…体は大丈夫か?」
フィーロは予想外の快感に翻弄され、自制心が吹っ飛んだようだ。
普段の美丈夫振りから考えると、全く想像出来ない姿に、私は愛おしさを感じてしまった。
「フィーロ様、可愛い…」
「えっ!?」
驚くフィーロに微笑むと、顔を真っ赤にしたが、膣内の肉棒は瞬時に硬さを増した。ムクムクと大きくなる肉棒を感じ、また私の膣内が痙攣する。
「君って人はっ!そんなに煽らないでくれっ!こんなに気持ちいいなんて…我慢出来るわけないっ!!」
狂ったように抽送を繰り返し、深い口付けで私の口を塞ぐ。
「あぁ、気持ちいぃ…レイ、可愛ぃ…君が可愛くて狂いそうだ…」
きっとフィーロは誰かの代わりに私を抱いているんだろうと思っていたら、突然自分の名前が出て、また膣内がきゅーっとしてしまう。
「あっ!レイ、締め過ぎっ!あぁ、もう、で、出るっっ!!!」
私に強くしがみついて、腰を振るわせフィーロは果てた。
膣内からトロトロ垂れてくる子種と私の純潔の証の混じった蜜は、シーツをびちゃびちゃに濡らした。
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