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娼館の制圧
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不愉快ではあるが、馬鹿にしてくれたほうが都合が良い。
「では、暫しのお待ちを」
「その子は置いて行かないのか」
ルーカスは扉の隙間から呼びかけた。
「そればかりは、ご容赦ください。お客様がこの子を指名するとは限りませんでしょう」
ポールは慇懃に頭を下げて、遠ざかった。
これで多少の時間は稼げる。
セルゲイは光の合図を頼りに、此処を探り当てるだろう。窓の錠前は何とかしてくれる。
だが、この扉が施錠されるのは痛手だ。
ルーカスから各団員へ、指示が出せない。
部屋に呼ぶ少女は、他の少女たちの居所や人数を把握しているだろうか。
(すべてをオリヴィエに任せるには、まだ、荷が重い……)
セルゲイに踏み込み役をやらせれば、取り零した関係者はすべてオリヴィエに任せる展開になる。
生きた人間の捕縛は、実は殺害よりも難しい。
思案しているうちに、ポールが再び戻って来た。
「お待たせしております。全員、連れて参りました」
連れられた少女たちは全部で5名だった。
いずれも薄着で、緊張しているのか表情が強張っている。
「これで、全員か?」
ルーカスは敢えてもう一度尋ねる。
「はい。5名とも、お客様のご要望にお応えできるかと」
ポールではなく、5人の表情を窺った。
誰も、嘘など吐いていない。そう確信すると、ルーカスは頷く。
5人の中から直感で2人を選んだ。
どちらも比較的怯えの色が、他と比較して薄く見えたからだ。
理性的な会話と、効率の良い脱出のためには、精神が安定している者のほうがいい。
追加の金貨を渡して、ポールと残りの少女を下がらせる。
「では改めまして、ごゆっくり、お楽しみください」
ポールは、恭しく礼をして扉を閉めた。
部屋に静寂が戻る。
「あの、……お客様」
おずおずと言葉を発したのは、右側の少女の方だ。
5人の中で一番、背が高かった。髪は栗色で、長い前髪を左右に分けて編み込んでいる。
「私は、ティメオと申します。お客様のお好みに合うかどうか分かりませんが、どうかお目溢しください」
大人びた見た目だが、中身は普通の少女だ。
自分の置かれた状況に不安を感じているのは間違いない。
「そんなに怯えるな。私はレヴァンシエルだ。そちらの君は……」
「リリアです」
栗色髪の隣にいる少女も名乗った。リリアはティメオと違って、黒髪だ。
まだ幼さが残る顔立ちで、14歳くらいか。
気の強そうな目をしている。不安を抱えながらも、状況を受け入れようと懸命に気を張っている。
「では、暫しのお待ちを」
「その子は置いて行かないのか」
ルーカスは扉の隙間から呼びかけた。
「そればかりは、ご容赦ください。お客様がこの子を指名するとは限りませんでしょう」
ポールは慇懃に頭を下げて、遠ざかった。
これで多少の時間は稼げる。
セルゲイは光の合図を頼りに、此処を探り当てるだろう。窓の錠前は何とかしてくれる。
だが、この扉が施錠されるのは痛手だ。
ルーカスから各団員へ、指示が出せない。
部屋に呼ぶ少女は、他の少女たちの居所や人数を把握しているだろうか。
(すべてをオリヴィエに任せるには、まだ、荷が重い……)
セルゲイに踏み込み役をやらせれば、取り零した関係者はすべてオリヴィエに任せる展開になる。
生きた人間の捕縛は、実は殺害よりも難しい。
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「お待たせしております。全員、連れて参りました」
連れられた少女たちは全部で5名だった。
いずれも薄着で、緊張しているのか表情が強張っている。
「これで、全員か?」
ルーカスは敢えてもう一度尋ねる。
「はい。5名とも、お客様のご要望にお応えできるかと」
ポールではなく、5人の表情を窺った。
誰も、嘘など吐いていない。そう確信すると、ルーカスは頷く。
5人の中から直感で2人を選んだ。
どちらも比較的怯えの色が、他と比較して薄く見えたからだ。
理性的な会話と、効率の良い脱出のためには、精神が安定している者のほうがいい。
追加の金貨を渡して、ポールと残りの少女を下がらせる。
「では改めまして、ごゆっくり、お楽しみください」
ポールは、恭しく礼をして扉を閉めた。
部屋に静寂が戻る。
「あの、……お客様」
おずおずと言葉を発したのは、右側の少女の方だ。
5人の中で一番、背が高かった。髪は栗色で、長い前髪を左右に分けて編み込んでいる。
「私は、ティメオと申します。お客様のお好みに合うかどうか分かりませんが、どうかお目溢しください」
大人びた見た目だが、中身は普通の少女だ。
自分の置かれた状況に不安を感じているのは間違いない。
「そんなに怯えるな。私はレヴァンシエルだ。そちらの君は……」
「リリアです」
栗色髪の隣にいる少女も名乗った。リリアはティメオと違って、黒髪だ。
まだ幼さが残る顔立ちで、14歳くらいか。
気の強そうな目をしている。不安を抱えながらも、状況を受け入れようと懸命に気を張っている。
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