将来を誓い合った王子様は聖女と結ばれるそうです

きぬがやあきら

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聖女の祝福

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 オリヴィエは1人では解けそうにない謎の真相を究明すべく、2人に助言を求めた。

 しかし、予想とは裏腹にその直後、事件は呆気ない幕切れを迎えた。

 オリヴィエがリリアとイレーネの間に交わされた会話を話し切るや否や、王都からの急使が到着した。

 使者はセルゲイを筆頭とする3名で、いずれも馬を乗り継いで、夜通し駆け続けて来たらしい。

「尋問の結果、グレア・コームが証言した。イレーネ・ロドリーゴ、リリア・ダグラスを、僭称せんしょう及びその幇助の疑惑により拘束する」

 宿舎で休息していたリリアは、即時に拘束された。

 拘束を命じる旨の書状を検め、ルーカスも承諾した。

 騎士団長のルーカスが不在だったため、宰相のマクシムが許可した形だ。

 リリアは抵抗らしい抵抗もせず、騎士団におとなしく従った。

 質が悪かったのはイレーネで、逃亡を図ろうとした森の中で、セルゲイらと鉢合わせになった。

 抵抗したため、形ばかりでは済まずに縄で縛られた。

 イレーネは、フェルナンド子爵やグレアが不正を強いたと言い張っているが、グレアやリリアとの供述に相反している。

 リリアはイレーネから話を持ち掛けられ、誘惑に負けて共担したと認めている。

 驚くべきは、グレア・コームを始めフェルナンド子爵ら、一連の組織に聖女にまつわるビジネスを持ち掛けたのは、イレーネからであった真実だ。

 選定式での不正の方法についても、主導はリリアで、子爵らは詳細も知らされていないと主張している。

「私じゃない! あいつら、自分の立場が危ないからって、他人ひとに罪を着せようとしてるんだ! 私は被害者よ!」

 イレーネは激しい剣幕で抗議を続けた。

 が、真偽のほどは定かではない。

 リリアとイレーネは別個の部屋に拘禁され、それぞれの部屋の前に見張りの騎士が付いた。

 新たな容疑者となった2人は王都へ引致され、改めて取り調べを行う運びとなる。

 魔物の恐怖が冷めやらぬ中の大捕り物だった。

 イレーネが否認している以上、疑問は残る。だが、いずれは明らかになるだろう……。

 できる事なら、早々に自白することを願う。

 騎士団は騎士道を重んじ、公平・公正を旨とする。

 だが、罪人に対する扱いは、その限りではない。

 2人の連行に合わせてオリヴィエも、ルーカスを含む先発隊やセルゲイたちと共に帰路に就いた。

 魔獣の動向は第3隊や、事後に要請した応援部隊によって引き続き監視が行われた。

 王都へ辿り着き、イレーネとリリアを収監したら、騎士団の寮へ戻るのだとオリヴィエは考えていた。
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