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政略結婚!?
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輿入れは、輿入れ宣告より2か月後の吉日に行われた。
王族の婚姻には1年以上の準備期間を設けることも珍しくない中では、異例の強行だ。
(この、頑丈な輿も、鳥籠のよう……貢物のつもりかしら)
輿入れ道中は、この日のために集められた屈強な護衛隊が、物々しい雰囲気を醸し出している。
街道には近衛兵が目を光らせ、馬車を操る御者や従僕に至るまでが帯剣した兵に周りを固められている。
私は狭い輿の隙間から外を覗きつつ、肩こりを少しでも軽減すべくこまめにストレッチを繰り返した。
アシュレイは今、白絹のドレスの上に、黄金の髪を結い上げ、宝石を散りばめた髪飾りで飾り立てている。
肩に負担がかかりそうではあるが、そこをケチらないでくれたのは有難い。
キューベルルの見栄張りな性質の故だろうか。
(お陰で路銀には困りそうにないわね)
エメラルドの嵌った黄金の櫛にそっと触れる。
大人の親指程の大きさほどあるエメラルドは、突出して高価な宝石だ。
どうせ誰にも見られないので、堂々と大きな欠伸をしながらアシュレイは退屈と戦った。
物々しい花嫁行列が続いたのも、国境を越えるまでだ。
国境には、アラウァリアから派遣された先遣隊が待ち構えていた。
その兵たちに輿は引き渡される。
ここからは先はアラウァリア国の役割だ。
「王女殿下、お迎えに上がりました」
アラウァリア兵の隊長がアシュレイに声をかける。
「王女殿下は確かに、お預かりしました。責任を持ってアラウァリア国王の元へお連れします」
はきはきとした物言いに、アシュレイは微かに笑みを浮かべた。
アラウァリアは同じ文化圏だが、言葉のイントネーションがやや異なる。
列が再び動き出し、無事に引き渡しが完了したのだとわかった。
アラウァリアは広大なので、一路王都を目指しながらも、途中で2か所の中継地を挟むと聞いている。
その日の工程は無事に終了した。
アラウァリアの兵は貸切った宿を囲み、寝ずの番を努めた。
しかし、王女の輿入れであると知れれば、街を上げて歓待しない訳にはいかない。
近場の町や村の食料や酒が集められるのは当然の流れだった。
「さあ! 今夜は豪勢にやってください!! 兵の皆様も、さあ」
村の村長らしき男が大きく声を上げると、兵たちも声を上げながら、酒の入った陶器を掲げて見せた。
「王女殿下も、ぜひ!!」
アシュレイにまで器が渡され、一度は困惑する。
「皆様、本日はご苦労様でした。ひと時ではありますが、どうぞ心行くまでお楽しみください」
しかし、一度注目が集まったのに、何もせずには引けない。
アシュレイは自ら宴の挨拶を行い、軽く杯を上げて見せる。
「王女殿下に乾杯!!」
兵たちの声が唱和し、一斉に杯を飲み干す。
王族の婚姻には1年以上の準備期間を設けることも珍しくない中では、異例の強行だ。
(この、頑丈な輿も、鳥籠のよう……貢物のつもりかしら)
輿入れ道中は、この日のために集められた屈強な護衛隊が、物々しい雰囲気を醸し出している。
街道には近衛兵が目を光らせ、馬車を操る御者や従僕に至るまでが帯剣した兵に周りを固められている。
私は狭い輿の隙間から外を覗きつつ、肩こりを少しでも軽減すべくこまめにストレッチを繰り返した。
アシュレイは今、白絹のドレスの上に、黄金の髪を結い上げ、宝石を散りばめた髪飾りで飾り立てている。
肩に負担がかかりそうではあるが、そこをケチらないでくれたのは有難い。
キューベルルの見栄張りな性質の故だろうか。
(お陰で路銀には困りそうにないわね)
エメラルドの嵌った黄金の櫛にそっと触れる。
大人の親指程の大きさほどあるエメラルドは、突出して高価な宝石だ。
どうせ誰にも見られないので、堂々と大きな欠伸をしながらアシュレイは退屈と戦った。
物々しい花嫁行列が続いたのも、国境を越えるまでだ。
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その兵たちに輿は引き渡される。
ここからは先はアラウァリア国の役割だ。
「王女殿下、お迎えに上がりました」
アラウァリア兵の隊長がアシュレイに声をかける。
「王女殿下は確かに、お預かりしました。責任を持ってアラウァリア国王の元へお連れします」
はきはきとした物言いに、アシュレイは微かに笑みを浮かべた。
アラウァリアは同じ文化圏だが、言葉のイントネーションがやや異なる。
列が再び動き出し、無事に引き渡しが完了したのだとわかった。
アラウァリアは広大なので、一路王都を目指しながらも、途中で2か所の中継地を挟むと聞いている。
その日の工程は無事に終了した。
アラウァリアの兵は貸切った宿を囲み、寝ずの番を努めた。
しかし、王女の輿入れであると知れれば、街を上げて歓待しない訳にはいかない。
近場の町や村の食料や酒が集められるのは当然の流れだった。
「さあ! 今夜は豪勢にやってください!! 兵の皆様も、さあ」
村の村長らしき男が大きく声を上げると、兵たちも声を上げながら、酒の入った陶器を掲げて見せた。
「王女殿下も、ぜひ!!」
アシュレイにまで器が渡され、一度は困惑する。
「皆様、本日はご苦労様でした。ひと時ではありますが、どうぞ心行くまでお楽しみください」
しかし、一度注目が集まったのに、何もせずには引けない。
アシュレイは自ら宴の挨拶を行い、軽く杯を上げて見せる。
「王女殿下に乾杯!!」
兵たちの声が唱和し、一斉に杯を飲み干す。
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