王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら

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籠の外はどこ?

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「それは、誤解です。取り入ったなんて……」

 取り入ったも何も、アルダなんて人間をアシュレイは知らない。

 アシュレイを攫ったのがそのアルダだとしても、会話もまともに交わしていないのに。

 否定するが、女はヒステリックに声を荒げる一方だった。

 よく分からないが、アルダに対しての執着心が強そうだ。

「私のアルダ様に近づかないで! 汚らわしい!!」

 駄目だ、この人。全然話にならん。

 アシュレイは呆れと共に溜息を吐き出していた。それが、逆鱗に触れたのだろう。

 次の瞬間にはパシッと頬を張られていた。

 ぴりっ、と鋭い痛みが走る。

(――は??)

 頬を抑えたかったが、手首が結びあわされているため、できない。

 アシュレイはただ茫然と、女を見上げた。

 痛みがあるにはあるが、驚きのほうが勝って、咄嗟に口が利けない。

「なんてことするんだよ、アミール!」

 シャルが女の腕を掴んで、アシュレイから引きはがした。

「汚らわしいんだから当然でしょ!?」

 アミールと呼ばれた女は、強い力でシャルを振り払うと、再びアシュレイの頬を打った。

 2発3発と続けて打たれるせいで、感覚が麻痺してくる。

 4発目は殴打でなくて蹴りだった。

 両腕を括られているため、バランスが取れず、よろめいたところへ、肩口を足で蹴り飛ばされた。

 顔以外への打撃で、アシュレイはようやく防御への反応ができた。

「いい加減にしなさいよ」

 転がって、距離を取ると、アシュレイはすっくと立ちあがった。

 腕は自由にならないが、それでも胸の前で防御の構えを取る。

「奴隷の分際で、生意気な……!」

 それが余計に、アミールの気に障ったようだ。

「アミール! これ以上はダメだ!」

 シャルが泡を食って止めに入るが、その前に力強い声がアミールを制止した。

「何の騒ぎだ。人の留守中に」

 騒ぎで気付かぬ間に、扉が開いていた。

 入口に立つ人影が、低い声を出す。

 アミールは、ばっ、と手を引っ込めて、詰め寄っていた態勢を取り繕う。

 シャルはほっとしたようにアシュレイを見てから、遠慮がちに口を開いた。

「あ……そのアルダ様、お留守の間に女性が目を覚まして……トイレに行きたいようなのですが、腕の縄を解いてあげても良いでしょうか?」

「女がトイレに行きたいと希望しただけで殴ったのか。アミール?」

 シャルが探るように口を開くと、人影は後ろ手で扉を閉めた。
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