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決着
恋の行方 3
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ずっと拒んで、先延ばしにしていたが、逃れられないところまで来てしまった。
「競い合いは体力・勇気・知力を試す課題が3つ。内容は父が決めると聞きましたが、このまま行けば誰が優勝するかは明らかでした」
あのシルランだな、と横暴な姿が頭に蘇る。
普通に生きていてあの状態なのだから、結婚後はとんでもないモラハラ夫になるのは目に見えている。
それでも公平を期すために、競い合いへの参加を認められるのだと思うと、制度自体に反吐が出そうだ。
「そこで、星の知恵を拝借したのです。私は競い合いの結果を反故にしたかった。星は陽暦にして9月7日、南東で出会う金の瞳を持つ貴人を連れ帰るよう告げました」
「それが、アルダ……陛下だっというわけね」
「星は、私たちを導く標です。点と点を繋ぐように必要な啓示を与えてくれますが、明確ではありません。わたしは陛下を連れ帰るため、取引を持ち掛けました。今と同じように説明をし、お越し頂く代わりに、陛下に有益な情報を差し上げるとお約束をしたのです」
エステルの境遇については同情しかない。
どのように望みが叶うのか、本人でも把握できないとは、何とももどかしいところだ。
だが、何事にも万能がないのは真理だろう。
「なるほどね。ユリウスが競い合いに名乗り出なかった点だけは残念だけど、概ね、納得がいったわ。それで、陛下にはどんな取引を持ち掛けたの?」
「それは……申し訳ありませんが、わたしの口からは、まだ」
アシュレイは呆れた。
ため息を漏らせば、シュンとユリウスが項垂れる。
ユリウスに行動力が足らない部分は、本人も反省していたし、これから変化していくだろう。
エステルは理不尽な運命を変えるために、自身の能力を利用した。迷惑には違いなくても、許容範囲だ。
アシュレイも理不尽から逃げ出した類の人間だから、これ以上、エステルとユリウスを責めるつもりも資格もない。
「じゃあ、その件に関しては、陛下を追及するわ。もうこれで、エステル姫の悩みは解決したんでしょうから、私は行くわね」
「あっ、陛下はレインツリーの下にいらっしゃいます。ご案内します」
エステルは踵を返そうとしたアシュレイを制して、先に立った。
ユリウスも後に続き、アシュレイの後ろを守るように歩く。
「いいのに。レインツリーって、あっちに真っ直ぐ行けば着くでしょう?」
「その通りですけど、実は陛下にはレインツリーの元でお待ちいただいているもので……」
アシュレイを導きながら、エステルは申し訳なさそうに頭を下げた。
アルダシールも、先の課題で濡れたアシュレイにエステルが着替えを渡す姿を目撃している。
始まりの木の神話を知っていたとしても、用心深いアルダシールなら行き当たりばったりの捜索などしない。
アシュレイと同様に、全体の把握に注力するはずだ。
そうはせずに、一目散に始まりの木を目掛けたのだから、何か理由があるのだと思っていた。
「あの陛下を誘き出すなんて、やるわね」
「重ね重ね、申し訳ありません……」
「違うわ、いいようにあしらってくれて、ちょっとスッキリしたって意味よ」
アシュレイは歯を見せて、ニッと笑った。
エステルはその様子に面食らい、口を半開きにしたがすぐに破顔した。
「競い合いは体力・勇気・知力を試す課題が3つ。内容は父が決めると聞きましたが、このまま行けば誰が優勝するかは明らかでした」
あのシルランだな、と横暴な姿が頭に蘇る。
普通に生きていてあの状態なのだから、結婚後はとんでもないモラハラ夫になるのは目に見えている。
それでも公平を期すために、競い合いへの参加を認められるのだと思うと、制度自体に反吐が出そうだ。
「そこで、星の知恵を拝借したのです。私は競い合いの結果を反故にしたかった。星は陽暦にして9月7日、南東で出会う金の瞳を持つ貴人を連れ帰るよう告げました」
「それが、アルダ……陛下だっというわけね」
「星は、私たちを導く標です。点と点を繋ぐように必要な啓示を与えてくれますが、明確ではありません。わたしは陛下を連れ帰るため、取引を持ち掛けました。今と同じように説明をし、お越し頂く代わりに、陛下に有益な情報を差し上げるとお約束をしたのです」
エステルの境遇については同情しかない。
どのように望みが叶うのか、本人でも把握できないとは、何とももどかしいところだ。
だが、何事にも万能がないのは真理だろう。
「なるほどね。ユリウスが競い合いに名乗り出なかった点だけは残念だけど、概ね、納得がいったわ。それで、陛下にはどんな取引を持ち掛けたの?」
「それは……申し訳ありませんが、わたしの口からは、まだ」
アシュレイは呆れた。
ため息を漏らせば、シュンとユリウスが項垂れる。
ユリウスに行動力が足らない部分は、本人も反省していたし、これから変化していくだろう。
エステルは理不尽な運命を変えるために、自身の能力を利用した。迷惑には違いなくても、許容範囲だ。
アシュレイも理不尽から逃げ出した類の人間だから、これ以上、エステルとユリウスを責めるつもりも資格もない。
「じゃあ、その件に関しては、陛下を追及するわ。もうこれで、エステル姫の悩みは解決したんでしょうから、私は行くわね」
「あっ、陛下はレインツリーの下にいらっしゃいます。ご案内します」
エステルは踵を返そうとしたアシュレイを制して、先に立った。
ユリウスも後に続き、アシュレイの後ろを守るように歩く。
「いいのに。レインツリーって、あっちに真っ直ぐ行けば着くでしょう?」
「その通りですけど、実は陛下にはレインツリーの元でお待ちいただいているもので……」
アシュレイを導きながら、エステルは申し訳なさそうに頭を下げた。
アルダシールも、先の課題で濡れたアシュレイにエステルが着替えを渡す姿を目撃している。
始まりの木の神話を知っていたとしても、用心深いアルダシールなら行き当たりばったりの捜索などしない。
アシュレイと同様に、全体の把握に注力するはずだ。
そうはせずに、一目散に始まりの木を目掛けたのだから、何か理由があるのだと思っていた。
「あの陛下を誘き出すなんて、やるわね」
「重ね重ね、申し訳ありません……」
「違うわ、いいようにあしらってくれて、ちょっとスッキリしたって意味よ」
アシュレイは歯を見せて、ニッと笑った。
エステルはその様子に面食らい、口を半開きにしたがすぐに破顔した。
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