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第百五十話
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クロードは試験の結果が出るとのことで学園にきていた。
結果はわかっているが雰囲気を楽しみたかったのである。
受験番号を合格の貼られた板で確認する。
自分の受験番号を確認して板を見ると一番左上に受験番号が記載されていた。
「クロード久しぶりですね」
「エリーゼ。久しぶり。口調かわったね」
「じゃの言葉は恥ずかしいということで直す努力をしたんですよ」
「個性的で可愛いと思ったけどな」
「クロードは口がうまいのじゃ。っですね」
そこに取り巻きを連れたいかにも貴族ですっといった服装をしている男の子が話しかけてくる。
「エリーゼ様。お久しぶりでございます」
「主はクラリーネ侯爵家のハバロフだったな」
「覚えていただきありがとうございます」
「そこの奴。俺がエリーゼ様と話しているのだ。気を使って席を外さぬか」
「そうだ。そうだ」
ここは友達を得るチャンスと名乗りをあげる。
「僕はクロード・フォン・プロミネンス伯爵です」
「伯爵家の子弟に興味などないぞ」
「ハバロフ。それは違いますよ。クロードはプロミネンス侯爵家の血縁で独立した貴族として伯爵位を賜っているのです」
「侯爵家・・・独立した貴族?」
「僕とも仲良くしてくれると嬉しいんだけどな」
「仲良くしてやらんこともない」
「これからよろしくね」
教員が誰かを探しているようにキョロキョロしていたと思ったらこちらに近づいてくる。
「エリーゼさんにクロード君だね。君たちに話があるんだ。ついてきてくれるかな?」
「呼ばれたから僕たちはいくね」
「またお会いしましょう」
教員の後に続いて校内を歩いていく。
連れていかれたのは職員室のようで教員が沢山いた。
「まずは試験突破おめでとう。君たちを呼んだ理由なんだけどエリーゼさんには新入生代表として入学式で挨拶をしてほしいんだ。当日までに挨拶を考えておいてくれるかな」
「わかりました」
「で。クロード君なんだけど君にはいくつか確認したいことがあってね」
「なんでしょうか?」
「この本に見覚えはないかな?」
教員が持っている本はクロードが執筆した魔法教本だった。
「懐かしいですね。僕が書いたものです」
「やはりそうか。後こちらについては?」
次に見せられたのはクロードがまとめた歴史書であった。
「こちらも僕が書いたものですね」
「歴史書は残念ながら教本としては使えなかったけど歴史研究者の評価は高くてね」
「そうなんですね」
「学園長にも言われたと思うけど君に教えられることはない。そこで我々は考えたんだ」
「何をでしょうか?」
「ただ授業にいても君は浮いてしまう。そこで我々教師の手伝いをしてみないかい?」
予想外の提案を受けるクロードなのであった。
結果はわかっているが雰囲気を楽しみたかったのである。
受験番号を合格の貼られた板で確認する。
自分の受験番号を確認して板を見ると一番左上に受験番号が記載されていた。
「クロード久しぶりですね」
「エリーゼ。久しぶり。口調かわったね」
「じゃの言葉は恥ずかしいということで直す努力をしたんですよ」
「個性的で可愛いと思ったけどな」
「クロードは口がうまいのじゃ。っですね」
そこに取り巻きを連れたいかにも貴族ですっといった服装をしている男の子が話しかけてくる。
「エリーゼ様。お久しぶりでございます」
「主はクラリーネ侯爵家のハバロフだったな」
「覚えていただきありがとうございます」
「そこの奴。俺がエリーゼ様と話しているのだ。気を使って席を外さぬか」
「そうだ。そうだ」
ここは友達を得るチャンスと名乗りをあげる。
「僕はクロード・フォン・プロミネンス伯爵です」
「伯爵家の子弟に興味などないぞ」
「ハバロフ。それは違いますよ。クロードはプロミネンス侯爵家の血縁で独立した貴族として伯爵位を賜っているのです」
「侯爵家・・・独立した貴族?」
「僕とも仲良くしてくれると嬉しいんだけどな」
「仲良くしてやらんこともない」
「これからよろしくね」
教員が誰かを探しているようにキョロキョロしていたと思ったらこちらに近づいてくる。
「エリーゼさんにクロード君だね。君たちに話があるんだ。ついてきてくれるかな?」
「呼ばれたから僕たちはいくね」
「またお会いしましょう」
教員の後に続いて校内を歩いていく。
連れていかれたのは職員室のようで教員が沢山いた。
「まずは試験突破おめでとう。君たちを呼んだ理由なんだけどエリーゼさんには新入生代表として入学式で挨拶をしてほしいんだ。当日までに挨拶を考えておいてくれるかな」
「わかりました」
「で。クロード君なんだけど君にはいくつか確認したいことがあってね」
「なんでしょうか?」
「この本に見覚えはないかな?」
教員が持っている本はクロードが執筆した魔法教本だった。
「懐かしいですね。僕が書いたものです」
「やはりそうか。後こちらについては?」
次に見せられたのはクロードがまとめた歴史書であった。
「こちらも僕が書いたものですね」
「歴史書は残念ながら教本としては使えなかったけど歴史研究者の評価は高くてね」
「そうなんですね」
「学園長にも言われたと思うけど君に教えられることはない。そこで我々は考えたんだ」
「何をでしょうか?」
「ただ授業にいても君は浮いてしまう。そこで我々教師の手伝いをしてみないかい?」
予想外の提案を受けるクロードなのであった。
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