もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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兵士のその後

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「アリアナは見つかったのか?」
 城の兵士宿舎に数人の取り巻きを付け、ユリウスは報告に来ない騎士団長に話しかけた。
「今アリアナ嬢を森に連れて行った班が特定した所です」
 兵士の班は4人組で形成されている。4人は騎士に呼び出されていた。
「そうか、お前たちか?女一人の行方などすぐに見つけられるだろう。さっさと行って連れ戻せ。連れ戻せない場合はどうなるか分かっているな」
 優しい口調ではあるが王族たる所以の圧がにじみ出ていた。言いたい事を言ったらユリウスはすぐに城に戻っていった。



 魔の森に向かう馬車の中、班のひとりの兵士が言った。
「しかし何だあれは、横暴が過ぎやしないか?自分で命令をしておいて。冗談じゃないぞ。俺は嫁と子供がいるんだ」
 
「俺だって病の母がいるんだぞ。やはり王族は理不尽だな。現王はまだマシだったが…あんなのが次期王では先が思いやられる。俺はこの国を出るぞ。隣国に友人が移住しているんだ。医療も進んでいるって聞いたしな、母をまず向かわせる」

「俺も隣国に行こうかな。俺の地域の貴族は王子派だったがなんか違うなって思ってたんだ。俺は一人だし身軽だ。冒険者でもするかな」

「そうだな、今からお互いの家族を集結させるか?」
「おい、お前はどうする。ベルナル」
「落ち着けよ。捜索には他の班もいるから今は動くときじゃないだろう。もっと周りを見て判断しないと取り返しのつかない事になるぞ」
「そうだが…お前、あの娘になにかしていただろう」「俺も見たぞ」「何だ?」
「あの魔の森で一晩だって過ごせる訳ないだろう?」
「そりゃあ…」「じゃあ、何をした?」「何だ?」
 ワクワクしながら兵士達3人はベルナルに向き直った。

「魔獣に食われなければいいわけだよ。そうすれば生存率は上がる。魔の森の恐ろしいのはあの魔獣どもだ。だから魔獣よけの結界を施したんだ。24時間しかもたないけどな」
「へぇ、すごいじゃないか。そんな事できるのか」
「うちのばあちゃんが、そういうの詳しかったんだ」
「24時間じゃあ時間切れだな」
「そういうこと」
「ああ、こんな事なら俺んちでもかくまってればよかったぜ」
「馬鹿いうな。それが英断だったとしても、一度は王族を裏切ったとして結局は罪になる。そしてその娘は礼は言ってくれても罪をなかった事にしてくれなんて言ってはくれないぜ」
「そういうこと」
「どっちにしろかよ!やっぱ国を出る」
「だよな…」

 魔の森を兵士と騎士とで捜索がされたがアリアナが見つかる事はなかった。そして追放から1ヶ月後シンフォニー・クローリーは王子の婚約者を亡き者にしようとした罪で処刑されたと、発表された。クローリー家は資産を没収され没落した。残った家族は貴族を廃され平民に落とされ、その後行方は知れず。捜索中に数人の兵士が隣国へと移住した事が明らかになった。

 そして驚いた事に跡継ぎの王子ユリウスは王位継承権をはく奪され、国から追放された。跡継ぎは王の甥が王位第一継承権を得ることになった。
 王には弟がいたがその弟は病で5年ほど前に亡くなっていた。その弟には息子がいた。しかし、その息子は地位に興味がないとして身分を隠して生活をしていた。




「ベルナル王子、あなた様は王位第一継承権を得ました。直ちに城にお連れするようにと陛下に言われております」

「ゲッ!うそだろ!」
「おい、ベルナル…お前王族だったのか…どうりでどこか高貴な感じがしてたぜ…」
「うそつけ!」
 ベルナルは仕方がないと迎えにきた騎士たちと城に向かった。


「おじさ~ん、ユリウスを呼び戻してよ~。俺が王なんてガラじゃないよ~」
「ユリウスの馬鹿はもういい。自分の息子だという事が恥ずかしいくらいだ。王位の件については大丈夫だ。周りがそうさせてくれる。なに、すぐ慣れるぞ」
「いやいや、慣れたくないんだけど、俺じゃなくてもまだ王族はいるだろう?」
「いる事はいるがわしの姉弟はわしと同様でもう年だ。その子供たちや孫たちはまだ幼い。まあとりあえず、アリアナを探してくれんか」
「もう死んでると思うよ」
「わしはそうは思わん、ばあさんはそんなヘマはせんだろう、たのむぞ」
「一応探すけどね。でも結構探したぜ」
「お前は検討がついているんじゃないのか?」
「…それはおじさんもでしょ?」

 ふたりはお互いに顔を見合った。
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