もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

文字の大きさ
35 / 139

28.

しおりを挟む
 次の日、ヨモと一緒に商人ギルドに向かう。昨日はヨモと話し込んでしまった為、お金に換えてなかったのだ。今日は魔法円含め、森で収穫してきたものを売ろうとやってきた。

 ヨモと別れたリアは用意していた大きなカバンを麻袋から取り出す。そして1階にある取引所の受付に素材を売りに来た事を告げると、この間と同じように5番窓口に並ぶように言われた。朝一番だった事もあり3番目だった。
 早々に順番になり素材を見せる。前回と同じでローウルフの素材とそして秋の果実だ。ローウルフの素材は5匹分と秋の果実は普通の麻袋を袋いっぱいに詰めてきた。

「ローウルフの素材ですね。数日前にも提供されてますよね。丁寧に解体されていて状態がとても良かったらしいので今回は色を付けさせて貰いますよ。おお、これは森の宝!ロシにコウニキですか?!魔力回復や体質改善のポーションの材料になる秋の果実ですね。なかなか手に入らないんですよ。天然ですか?すごい。濃度も120%です」
 果実になにか秤のようなものに乗せ、なにかの数字を見ている。果実には普通のものや魔素が含まれている果実に分かれる。普通の食材の取引は2階で行われているようだ。現物は市場での取引になるので書類のみで行われるらしい。リアが持ち込んだのは魔素に関わる素材になるので一緒に査定されている。
 数字は魔素の濃度を見ているようだった。魔素の濃度でポーションの効き目にも違いがあるらしく、魔素が濃いければ濃いほど値段も高くなるようだ。
「今回はこれで如何です?」
 数字が見える木箱を出される。ローウルフの素材は5匹分だが単純に5倍ではなかった。麻袋いっぱいの果物も査定金額より想定外の金額を見積もってくれていた。
「こんなに?」
「はい、質はとてもいいものですし、いいものを安く買い叩いても私が得する訳ではありませんから。良い関係を築くためにはきちんとお金は支払いますよ。これからもどうぞこのシシリー商人ギルドを御贔屓に」

 質のいいものがシシリーから量産すれば商人ギルドや街の評判が上がる。提供者のリアにもお金がたくさん入れば長くこの街に居つく事になって、また質のいい素材がシシリーに出回る。お互いにとてもいい取引になるのだ。

「わかりました。ではこの金額で。あっ忘れる所だった。これもここの受付でいいかしら?」
 リアは自作した魔法円を見せた。
「魔法円や陣は魔術部の別の受付になります。1か2番に並んで貰えますか?」
「わかりました。ありがとうございます」
 取引を終え、1番の窓口に行くとすでに10人ほど並んでいた。素材の取引で並んでいた人達とはまた違った感じの雰囲気の人たちが並んでいる。ちょっとギスギスした感じに見えるのは偏見なのだろうか。
「これは、あなたが?」
 順番になり、リアの魔法円を見て貰っている。
「そうです」
「そうですか。とても売れるものではないですね。もっとコピペ技術を学んでください。歪みがありますし、所々薄い所があります」
  魔術部の職員はリアに厳しい言葉を言った。
「そうですか…」
 まあ、付け焼刃のものだ。そういわれるだろうなとは思っていた。しかし、魔法円は庶民には生活必需品だ。魔法が少量の魔力で実行できるのだ。いびつなものは安く売っているものなのだ。だから安くても買い取って貰えるだろうと思っていたが甘かったようだ。
「これはこちらで処分して置きますね。そこら辺に捨てられても困りますから」
 と、職員はリアは言った。
「え?いえ、持って帰ります。そこら辺に捨てたりしませんから大丈夫です」
「は?持って帰ってなにに使うの?勝手に店に提供したら罪になるわよ」
「そんな事しません。どこが悪かった検討するだけです」
「こんな欠陥品を家で使われてケガ人でも出たら商人ギルドのせいになるわ。こちらで性分します」
「私が作ったもので、私がケガをしても悪いのは私ですから商人ギルドのせいにはなりません。返してください」
 
 リアは職員と言い合いになってしまった。
しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!

天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。  魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。  でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。  一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。  トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。  互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。 。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.  他サイトにも連載中 2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。  よろしくお願いいたします。m(_ _)m

水精姫の選択

六道イオリ/剣崎月
ファンタジー
見た目が美しくも奇異な小国の王女パルヴィは、財政難から大国に身売りすることになったのだが、道中で買うと言った王が死亡したと聞かされる。 買われ故国を救いたいと願う王女は引き返さずに大国へと赴き 

平民に転落した元令嬢、拾ってくれた騎士がまさかの王族でした

タマ マコト
ファンタジー
没落した公爵令嬢アメリアは、婚約者の裏切りによって家も名も失い、雨の夜に倒れたところを一人の騎士カイルに救われる。 身分を隠し「ミリア」と名乗る彼女は、静かな村で小さな幸せを見つけ、少しずつ心を取り戻していく。 だが、優しくも謎めいたカイルには、王族にしか持ちえない気品と秘密があり―― それが、二人の運命を大きく動かす始まりとなるのであった。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。

まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。 泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。 それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ! 【手直しての再掲載です】 いつも通り、ふんわり設定です。 いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*) Copyright©︎2022-まるねこ

【完】瓶底メガネの聖女様

らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。 傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。 実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。 そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。

キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる

藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。 将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。 入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。 セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。 家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。 得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。

モブで可哀相? いえ、幸せです!

みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。 “あんたはモブで可哀相”。 お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?

処理中です...