もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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31.

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「あっけないわ、戸籍部に行ってピッてヴァイで通して終わったわ」

 片付けをしながらヨモは言った。ヨモの休日に夫の物を片すのを手伝うと約束していたリアはヨモの家に来ていた。

 戸籍部の部長は以前からヨモに手続きをするように促していたらしい。実は魔の森に入って戻らない場合は1年以内に手続きが出来るのだ。部長は「よかった、ようやく前を向いてくれたようだ」と喜んでくれたらしい。

「ずいぶん、ヨモを気にかけているのね。その部長さん」
「父の部下だった人だから、ずっと気にかけてくれてたの。父は私が結婚してすぐに亡くなったから。母も」
「そうなの」
「ええ、今では父のような存在ね。だからたまにお茶しに来るのよ。フフ」


「リアのご家族の事を聞いた時、どうして気にするのかって聞かれたの。そりゃそうよね。部長はリアの事知らないんだから。でもリアの事抜きにしてもそのご家族の事は私の胸に刺さったわ。死んでしまった娘の事を思って貴族という手札を捨ててまで償おうとしているんだもの。娘を愛していたのよ。父も母も私を愛してくれてたし、もちろん夫もね。だから前を向くって決めたの。トイおじさんも納得してくれた。あ、部長の名前ね。トイって」
「そっか、それなら良かった」
「今の仕事も辞めようかと思っているのよ」
「え?」
「今の仕事は夫が戻って来る前から務めているの。前の住まいは家賃が払えないから引っ越してしまったし。だから職場まで変えてしまうと夫に会えないじゃない?だから安くても務めていたんだけど、さすがに本当に給金が安いのよ。将来の事を考えるなら仕事を換えないと、と思ってるの」
「そっか、でも何か当てがあるの?」
「ないわ」
「えー、じゃあどうするのよ」
「いずれの話よ。今すぐには辞めないわ。トイおじさんに相談するから大丈夫よ」
「何か出来る事があったら協力するからね」
「ありがとう、リア」
 1日か掛けて部屋の整理をした。ヨモの夫の持ち物はすべて売った。部屋は夫の物が大半だったようで部屋が一気に広くなった。

「いやだ。こんなに広かったのね。一つ部屋が余ったわ。ねぇリアが住まない?家賃と生活費は折半で」
「それいいわね。私もずっと宿はって思っていたの。安い宿だったけど部屋が以上に狭いから、でもそれ以上出すのはもったいないかなって」
「リアは貴族なのに庶民派なのね」
「親が商売人だから節約は当たり前なの」
「じゃあどこかでベッドを買ってこないと。古家具屋に中古のベッドがあると思うから」
「マットが中古は嫌よ」
「そこはお嬢なのね」
 二人仲良く古家具屋に向かった。


 ベッドが入った直後から二人のシェア生活は始まった。森のツリーハウスにもヨモを招待した。もちろんすべては教えてはいないがヨモはツリーハウスを気に入った。
 春になったらヨモの部屋を作ってもいいかもしれない。
「森のツリーハウスなんて素敵ね。魔獣が怖いけど」
「結界があるみたいなの」
「すごい。兵士のおばあさんは腕のいい魔術師だったのね。助けてくれた兵士さんには感謝ね」
「そうね。いつか顔を見せに来るとは言っていたけど…」
 移動してしまているので会う手掛かりがもうない事は言わない。

「モグリベルから距離があるから無理かもね。まあいいんじゃない?ずっと借りていても。たまに空気の入れ替えに来るとかしていれば」

 冬は基本的にシシリーのヨモの家に住むことにした。冬の森は厳しいらしい。
「たまに戻って来るからね」とヨモに聞こえないようにモジャに伝えた。
『待っとるよ』と、モジャもこっそりと言った。
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