103 / 139
第69話
しおりを挟む
リアはベルナルに伝えたアルディの地図の場所を作る事にした。
ベルナルとコルクスはその場所を見たいとしていた。それはそうだなと言うのは想定内だ。説明が難しいので一緒に行こうとなったのだ。そこでシシリーで落ち合う約束をして解散していた。
しかし色々と問題がある。場所は知られていないような場所であること、でもシシリーの門まで歩いて行ける距離の場所だ。そんな所に建っている家を見つけなければならない。
そして誰も入りたくないような廃墟で、でも中は広くキレイな部屋にしなければならない。どうすればいいのだ。ああ、黒ショールの謎よりもっと部屋を広くする方法の勉強をしていればよかった。と、後悔をするリアだった。
「ひとりで考え込むなと言ったろ?アリアナ」
「でも叔父様、そんな魔術、誰が出来るの?」
「ドルジ」
「はい、旦那様」
秘書だ。
「有力な魔術師の心当たりはないか?」
「アルディア様のような魔術師はそうそういません。伝説の人です。とりあえず廃墟を見つけて遺品を移動させてはどうでしょうか?」
「叔父様、モジャに転移してもらって急いで準備をしましょう」
「私もお手伝いしましょう」
ドルジが意気揚々と言う。
「おまえはここで義兄さんと仕事をしていてくれ。義兄さんは商売をしていたとはいえ、この仕事のことはまだ分かっていないんだから」
「左様ですか」
「あからさまにガッカリしないでくれ」
「ドルジさん、すべてが終わったらご招待しますわ」
「ドルジで結構ですよ。アリアナ様、では楽しみにしております」
リアとショーン、姉、母はショーンの邸から馬車で門まで戻り、箒に乗せて一気にモジャの所に行った。父はドルジと仕事だ。ちょっと拗ねていた。
『廃墟かいな?』
森の事は森の住民に聞くに限るだろうとリアはモジャに聞いてみた。
「シシリーの近くにないかな?」
『そんなもん。いくらでもあるじゃろ』
「そうなの?」
『好きなのを選べばいい』
「え?」
「ここは?」
一瞬で、森の中でも風景が変わった。
『シシリーの森の中じゃ』
「なっ!」
何度体験しても一瞬の転移は慣れないようで、ショーンはモジャの枝から顔を出し周りを見渡した。同じような木々ではあるがちょっと先にシシリーの門が見える。
『ほれ、あれはどうじゃ?』
不動産のように言うモジャの前には小屋のようなものがあった。周りには数軒の家がある。以前森の住民が使っていた住宅なのだろう。ちょっと先には森の住民の集落があるのだ。少しでも便利がいい所に移り住んだようだった。
古い家の扉を開けると虫やヘビの抜け殻や死骸なども多くあり、ここに遺品を運び込むのはムリなような気がした。
『アリアナなら魔法陣を見る事が出来るじゃろう。この小屋に部屋ごと移動すればよかろう』
簡単に言ってくれる。リアは魔法陣を浮かせて見るとこのツリーハウスの部屋は魔法陣が重ねられていた。その魔法陣はリアの魔力ならば移動が出来るようだった。魔法陣と共に説明書のようなものも浮かんでいるのだ。アルディはどこまでも致せりつくせりだ。
部屋の移動には麻袋に入っていた4つの魔石を使えばいいようだ。ツリーハウスの角に4つの魔石を置く。そして古い家の中にアリアナが移動をして魔力を放出すればツリーハウスの中身のみが移動した。
そしてモジャの結界もハウスに移動した。魔獣はこの小屋には近づく事は出来ないし、リアが承諾しないと小屋には入れない、認識も出来ないようになった。その変わりモジャは丸わかりだ。
『わしは結界がなくても生きていけるのだ』
モジャはしばらく土の中に隠れておくとすると言った。モジャは小屋の下にズブズブと隠れてしまった。
残されたショーンと母姉は小屋に入ってびっくりした。まるでツリーハウスの中と同じなのだ。遺品の移動のために一緒に付いてきたのに意味がなかった。
「すごいわね。中は同じじゃない。遺品を移動する手伝いとして来たのに要らなかったわね」
「それは私もびっくりなの。こんなに簡単だなんて」
「アルディア様は本当にすごい人だったんだな。王妃にしていたのが惜しい人だったね」
小屋はこのままにしてリアとみんなはシシリーの宿に宿泊する事にした。王都からシシリーまで早くても10日はかかる。普通の旅路なら1ヶ月はかかるのだ。
「お母様とシー姉さまは家に帰って貰えばよかったね」
「そうね、ただ待っているだけですものね」
「箒で送ったあげようか?」
「アリアナはどうするの?」
「私は小屋にいるわ。アルディの本も読みたいし」
「お母様もアリアナといます」
「じゃあ、シー姉さまと叔父様は箒で送ります」
「…そうね」
「そうだな」
人出は必要なくなり、ショーンとシルビアはそれぞれ各家に送り届けた。
「ベルナル様達が到着した頃に迎えに参りますね」
と、アリアナはショーンに言った。
それから、数週間後
季節は真夏になっていた。
もうすぐ追放されて1年が経とうとしていた。
ベルナルとコルクスはその場所を見たいとしていた。それはそうだなと言うのは想定内だ。説明が難しいので一緒に行こうとなったのだ。そこでシシリーで落ち合う約束をして解散していた。
しかし色々と問題がある。場所は知られていないような場所であること、でもシシリーの門まで歩いて行ける距離の場所だ。そんな所に建っている家を見つけなければならない。
そして誰も入りたくないような廃墟で、でも中は広くキレイな部屋にしなければならない。どうすればいいのだ。ああ、黒ショールの謎よりもっと部屋を広くする方法の勉強をしていればよかった。と、後悔をするリアだった。
「ひとりで考え込むなと言ったろ?アリアナ」
「でも叔父様、そんな魔術、誰が出来るの?」
「ドルジ」
「はい、旦那様」
秘書だ。
「有力な魔術師の心当たりはないか?」
「アルディア様のような魔術師はそうそういません。伝説の人です。とりあえず廃墟を見つけて遺品を移動させてはどうでしょうか?」
「叔父様、モジャに転移してもらって急いで準備をしましょう」
「私もお手伝いしましょう」
ドルジが意気揚々と言う。
「おまえはここで義兄さんと仕事をしていてくれ。義兄さんは商売をしていたとはいえ、この仕事のことはまだ分かっていないんだから」
「左様ですか」
「あからさまにガッカリしないでくれ」
「ドルジさん、すべてが終わったらご招待しますわ」
「ドルジで結構ですよ。アリアナ様、では楽しみにしております」
リアとショーン、姉、母はショーンの邸から馬車で門まで戻り、箒に乗せて一気にモジャの所に行った。父はドルジと仕事だ。ちょっと拗ねていた。
『廃墟かいな?』
森の事は森の住民に聞くに限るだろうとリアはモジャに聞いてみた。
「シシリーの近くにないかな?」
『そんなもん。いくらでもあるじゃろ』
「そうなの?」
『好きなのを選べばいい』
「え?」
「ここは?」
一瞬で、森の中でも風景が変わった。
『シシリーの森の中じゃ』
「なっ!」
何度体験しても一瞬の転移は慣れないようで、ショーンはモジャの枝から顔を出し周りを見渡した。同じような木々ではあるがちょっと先にシシリーの門が見える。
『ほれ、あれはどうじゃ?』
不動産のように言うモジャの前には小屋のようなものがあった。周りには数軒の家がある。以前森の住民が使っていた住宅なのだろう。ちょっと先には森の住民の集落があるのだ。少しでも便利がいい所に移り住んだようだった。
古い家の扉を開けると虫やヘビの抜け殻や死骸なども多くあり、ここに遺品を運び込むのはムリなような気がした。
『アリアナなら魔法陣を見る事が出来るじゃろう。この小屋に部屋ごと移動すればよかろう』
簡単に言ってくれる。リアは魔法陣を浮かせて見るとこのツリーハウスの部屋は魔法陣が重ねられていた。その魔法陣はリアの魔力ならば移動が出来るようだった。魔法陣と共に説明書のようなものも浮かんでいるのだ。アルディはどこまでも致せりつくせりだ。
部屋の移動には麻袋に入っていた4つの魔石を使えばいいようだ。ツリーハウスの角に4つの魔石を置く。そして古い家の中にアリアナが移動をして魔力を放出すればツリーハウスの中身のみが移動した。
そしてモジャの結界もハウスに移動した。魔獣はこの小屋には近づく事は出来ないし、リアが承諾しないと小屋には入れない、認識も出来ないようになった。その変わりモジャは丸わかりだ。
『わしは結界がなくても生きていけるのだ』
モジャはしばらく土の中に隠れておくとすると言った。モジャは小屋の下にズブズブと隠れてしまった。
残されたショーンと母姉は小屋に入ってびっくりした。まるでツリーハウスの中と同じなのだ。遺品の移動のために一緒に付いてきたのに意味がなかった。
「すごいわね。中は同じじゃない。遺品を移動する手伝いとして来たのに要らなかったわね」
「それは私もびっくりなの。こんなに簡単だなんて」
「アルディア様は本当にすごい人だったんだな。王妃にしていたのが惜しい人だったね」
小屋はこのままにしてリアとみんなはシシリーの宿に宿泊する事にした。王都からシシリーまで早くても10日はかかる。普通の旅路なら1ヶ月はかかるのだ。
「お母様とシー姉さまは家に帰って貰えばよかったね」
「そうね、ただ待っているだけですものね」
「箒で送ったあげようか?」
「アリアナはどうするの?」
「私は小屋にいるわ。アルディの本も読みたいし」
「お母様もアリアナといます」
「じゃあ、シー姉さまと叔父様は箒で送ります」
「…そうね」
「そうだな」
人出は必要なくなり、ショーンとシルビアはそれぞれ各家に送り届けた。
「ベルナル様達が到着した頃に迎えに参りますね」
と、アリアナはショーンに言った。
それから、数週間後
季節は真夏になっていた。
もうすぐ追放されて1年が経とうとしていた。
55
あなたにおすすめの小説
【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
水精姫の選択
六道イオリ/剣崎月
ファンタジー
見た目が美しくも奇異な小国の王女パルヴィは、財政難から大国に身売りすることになったのだが、道中で買うと言った王が死亡したと聞かされる。
買われ故国を救いたいと願う王女は引き返さずに大国へと赴き
平民に転落した元令嬢、拾ってくれた騎士がまさかの王族でした
タマ マコト
ファンタジー
没落した公爵令嬢アメリアは、婚約者の裏切りによって家も名も失い、雨の夜に倒れたところを一人の騎士カイルに救われる。
身分を隠し「ミリア」と名乗る彼女は、静かな村で小さな幸せを見つけ、少しずつ心を取り戻していく。
だが、優しくも謎めいたカイルには、王族にしか持ちえない気品と秘密があり――
それが、二人の運命を大きく動かす始まりとなるのであった。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。
まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。
泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。
それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ!
【手直しての再掲載です】
いつも通り、ふんわり設定です。
いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*)
Copyright©︎2022-まるねこ
【完】瓶底メガネの聖女様
らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。
傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。
実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。
そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
モブで可哀相? いえ、幸せです!
みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。
“あんたはモブで可哀相”。
お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる