もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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第72話

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 リビングでゆっくりとしていた母イザベラはショーンがいきなり王都の邸の中にいた事に驚いた。アリアナとシシリーにいると思っていた。
「ショーン、いつ戻っていたの?あら?アリアナは一緒では?」
「夕食には戻るそうだ。マルコ、少し休む。部屋に紅茶を…」
「え?旦那様、いつお戻りで?」
「夕食時に話す」
「すぐに心休まるリンゴピューレ入りの紅茶をお持ちいたします」
 執事のマルコに言うとショーンは部屋に籠ってしまった。

 モジャのツリーハウスに戻ったリアはモジャと共に王都の近くまで戻った。

 モグリベルの件は自力で片が付いたのでマオ達に協力を仰ぐ必要がなくなった。そのおかげで余計な事を言う必要もなくなった。
 それはもちろんモジャの事だが、マオに何かを聞かれれば隠し通せないとは思っている。しかしガロに至っては生粋の貴族だ。あんな奴にモジャの事を知られたくない。でもマオもマオで一回見たいとか言ってきそうだ。
 助けられた恩はあるが自分達にも利用させろと言って来るだろう。やはり王都を離れるのがいいかと思う。軟禁とか監禁とかさせられてもモジャのエキスさえあれば逃げ出せる。しかしまた追われるかもしれない。やはり王族と関わるのは面倒だ。

 久しぶりのツリーハウスでリアはゆっくりと過ごせた。やはりモジャの上は落ち着く。モジャに守られているという安心感があるのだ。
 夕食にはコバック家に戻り、モジャのエキスの事を家族を含め、秘書、執事にも話をした。モジャの事を含め、エキスの事などはこれ以上の人に打ち明けるつもりもない事を伝えた。
 それぞれすごく驚いていたがこれですぐにリアに会いに行けると母は喜んだ。ユグンの家にも送り届けた際に仕込み済みだ。
 そこで今度みんなで集まって、お礼も兼ねてモジャの所でお茶会をする事にした。


 ユグンの家族も招待した。子供達はモジャに遊んで貰い、婿さん達も食べた事のない魔獣料理や高いお酒などを振舞われ、恐縮しつつ楽しんでいた。ひと通り飲み食いした後、ユグンの家族、執事のマルコは仕事があるからと扉1枚で帰って行った。

 両親と叔父、秘書のドルジ、とでお酒を飲んでいた。
「アリアナ様、お約束通りご招待頂きありがとうございました。千年樹様とお話させて頂けたり、転移を経験出来るだなんて思ってもいない事でした」
「これからも助けて貰う事があると思うから知っていて貰わないと叔父様も困るからね。よろしくお願いいたします」
「もちろんです」

 ドルジがお酒の追加を準備しているとショーンがリアに話しかけた。
「アリアナ、これからどうするのだ。本当に王都を出るのか?」
「叔父様、王都にいると必ずマオ達に遭遇してしまうわ。隠れながら暮らすのは億劫よ。でも王族であるマオが知りたいと正式に叔父様に説明を求められたら断れないわよね。言う必要はないんだけど、マオに誤魔化す事が出来ないと思う。だからその時は叔父様もご一緒してくれたら心強いのだけど」
「私はいいが、何をだね?」
「ん~、マオはモジャの事を聞き出したいのよ。何か分からないけどなにか秘密があると思っているのよね…でもモジャの事は話せないわ。マオに言ってしまうとガロにも伝わってしまうでしょうし…ガロはたぶん、この国の王様と繋がっているからすぐに報告されてしまうわ」
「そうだね…」


 そんな事を話していると、ふわりと温かい風が顔を横切る。これは春先にも感じた感覚だった。
『動くでない』
 モジャが低い声で皆を制止した。

「え?」
 そこには春先で見た大きなキングダムウルフがいた。
「なっ!」
 ショーンはグラスを落とし、リベルはイザベラを引き寄せた。ドルジは固まっている。リアは静かに見守った。

『騒ぐな、静かにしておれ』

 またモジャに実を確認しに来ただけだろうという事はリアは分かっていたのでモジャに任せていた。
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