もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

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第81話

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 お昼になる頃、目的地に着いた。二人はまずはお昼を取る事にした。モズはリンゴ2つとパンに肉が挟んでいるサンドウィッチを2つ、リアの分も持ってきていた。
 リアは日本のお弁当を作って持ってきてしまった。中身は卵焼きにウインナー、ほうれん草と厚切りベーコンに塩コショウ、もちろん唐揚げも忘れない。それとおにぎりだ。米もこの世界にもあるが野菜感覚で食べるので主食ではない。
 男性も一緒だからと山盛りで作ってきてしまった。ユリウスにだってこんな事をしたことがない。

「何これ?すごいね。どれも美味しそうだ。食べてもいいのかい?」
「うん、その為にたくさん作って来たんだもの。モズも私の分持ってきてくれたのね。ありがとう」
「いや、俺は市場で買っただけだから」
 本当にただのピクニックだ。モズはお弁当をうまいうまいと食べてくれた。そして仲良く食べてまったりとしてしまった。本当に何しに来たのか…

「あ、そろそろ取って帰らないと門の時間に間に合わない」
 モズが慌てて言った。
「そうだった、あは」
 楽しくて時間を忘れそうだ。

 魔の森の近くに移動するとモズはカバンから網を取り出した。網の中にネズミの死骸を入れて木に吊るした。そして離れた所で土で壁を作った。数分もすると赤い物体が網を覆った。レッドスパイダーだった。肉食のレッドスパイダーは小動物などをエサにすると簡単に捕獲に成功するそうだ。
 そして5分ほどすると吊るしたネズミにびっしりとついたレッドスパイダーが確認出来た。ほんの10分ほどだ。

 レッドスパイダーは紋章から真っ赤なクモだとリアは思っていた。しかし実際は赤に黒と金色のコントラストが非常にグロテスクで気持ち悪いものだった。しかも大きい。1匹が男性の手の平サイズくらいある。リアは気持ち悪さから吐きそうになった。

 レッドスパイダーはお尻から赤い糸を出し、ネズミをほぼ消していた。モズはその塊を普通の麻袋に入れ捕獲した。
 逃げれなくなったレッドスパイダーは麻袋の中で絡まっている。モズはその麻袋の口を縛ってリアに渡そうとした。
「ほら、念願のレッドスパイダーだ」

「きゃーー、こっちに持ってこないで!気持ち悪い!」
「あーはっはっは、やっぱりな。最初は大抵男でもこうなる」
「気持ち悪い、気持ち悪い!」
「でもほしいんだろ?」
「そうだけど…そうだけど…気持ち悪い…」
「その麻袋に入れればいいだろう?」
「え?いやよ!そんなもの入れられないわよ。まだ生きているし…」
 生きているものは入れられないはずだ。
「普通に麻袋に入るだろう。時空間に行かないだけだ」
「ますますいやよ!」
「そう言われてもどうするんだ?」
 さっきまでの楽しい時間が恋しい。
「俺は付き添いだ。持ち帰ってたりしない」
 う、厳しい…

 リアは悩んだ。触りたくない、でもほしい。
「う~、オーロ、持って帰って。お願い」
『なんでそんなものが怖いのだ』
 シュッタと金色に輝く大きなウルフが現れた。今日1日中リア達の後ろから見張っていたのだ。

 リアは悩んだ挙句、オーロを呼んだ。もう、レッドスパイダーの取り方も居場所もわかった。必要になればこれからは一人で来れるし、取れるだろう。しかしモズとはこれっきりになるかもしれなかった。それは少し、いやすごく寂しく感じられた。
 でも仕方がない。さすがに怖くて持てないし、これからの帰り道を考えてもオーロに頼むしかなかった。リアはクモと言っているのだから小さな虫だと考えていたのだ。まさか男性の手のひらサイズの大きさなんて思ってもいなかった。
 
 リアもモズもお互いに好印象だったが、付き合えばいずれはバレる事だ。もう色々隠しているのも面倒だ。コスモポリタンはいい街だった。拠点にしたいと思っていた。モズなら一緒に森の中でも住んでくれるかもと密かに思った。この数時間でだが。リアはオーロの事を見られてしまった事への言い訳を考える。

 リアはモズを見るとこれでもかって言うほど、目が開いていた。ですよね。

『そのもの、その手のものを我によこせ』

 モズは静かにレッドスパイダーが入っている麻袋を地面に置いた。そしてリアの所まで下がった。
 縛っている方を口に挟むとオーロは去って行った。
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