もしかして私ってヒロイン?ざまぁなんてごめんです

もきち

文字の大きさ
125 / 139

第85話

しおりを挟む
 独立問題などなんのその。リアは幸福のど真ん中だった。

 プロポーズされた事でニヤニヤが止まらない。毎日のように冒険者ギルドに顔を出した。そしてお昼には一緒にお弁当を食べた。
「リア、大変だろう?毎日作って来ないくていいぞ」
「うん、わかった。たまににする」
「そこは、あなたのために毎日作るわってなもんだろう?」
 と、どうでもいい会話が楽しかった。

「両親には手紙を書いたの。素敵な人が出来たって」
「そっか、緊張するな。俺は親はもういないからリアは緊張する事はないよ。でも兄弟が多いからその内まとめて会わせるよ」
「お兄さんとお姉さん?他にいるの?」
「ああ、あと弟がいる」
「4人兄弟?」
「ああ」
「もう髭は伸ばさないの?」
「ああ、もう婚約者がいるんだから髭を伸ばす必要がないんだ」
 髭があると言い寄って来る女が多いらしい。

「もう言い寄って来ない?」
「いや…でも俺の好きなはリアだから」
「ありがとう。でも中にはキレイな子もいたのに、全員断っていたの?」
「まぁちょっと色々あってね」
「そう…」
 モズは歯切れが悪い言い方をした。あまり過去の恋愛は言いたくないのかもしれない。ひどい女に引っかかって全財産もっていかれたとか、それでキレイな人は苦手なのかとか想像をした。いつ黒のショールを取ろうかと悩んだ。両親に相談するもまだ取らない方がいいだろうと言う話になっている。
 とりあえずは独立宣言の話が解決しない事には結婚の話が進まない。叔父のショーンの所には王家から元婚約者であるアリアナからユリウスに説得をしてほしいと相談されているのだとか。なんでだ。
 なのでアリアナの姿のままウロウロ出来ないのが現状だ。
「黒のショールを取ったらキレイな娘が現れるならいいだろう。老婆とかならショックを受けるかもしれんが…」
 と、父は言う。

 しかし、モズはあまりキレイな人がタイプではないかもしれない。仕方ないのでしばらくは薬草を清算しつつ、お昼のデートを楽しんだ。



「アリアナ、陛下から君を連れて来るように命令されてしまった。お願いであれば突っぱねる事も出来るのだが…」
 久しぶりに叔父と夕食をした所、等々命令が下されたようだ。
「そう…」
 来る時が来たようだって、なんで呼ばれるのだ。
「私がユリウスに会って何するの?」
「どうやらユリウスは君との将来を夢見ているようなんだ。マオリエッタ王子が言うにはシンが妻の座にいたのだが、兄のモロッコスがアリアナの存在を言ってしまってね。連れて来いとなったらしい。でも連れて行ったからって独立はなかったことにはならないからアリアナが行った所で意味はないとも言っていたな」
「じゃあ行く意味ある?」
「陛下は君が説得してくれると信じているのだよ」
「どうして私が?」
「王の言葉は命より重いと信じている人だ」
「そんな教育受けていない」
「私もだ」
「一度ユリウスと会ってそれでダメなら諦めも着くかもしれない」
「粘着されそう…でも王の命令ですもんね。断ったらまた叔父様にご迷惑になるのよね。はぁ分かりました。とりあえずユリウスに会います」
「すまない。今度またモロッコス王子達がユリウスの城に出向くそうだ」

 面倒な事になった。ユリウスにリアが生きている事が知られてしまった。しかもまだ将来とか言っているらしい。自分から魔の森に追放しておいてどういう神経だ。
 モズにすべての事を言う事は出来ないがしばらく会いに来られない事を言わないといけないだろう。折角の楽しい期間だっていうのにうんざりである。

「え?王都に帰る?」
「そうなの。両親が帰って来いって手紙が届いたの。もちろんモズとの事が原因じゃないのよ。ただもうすいぶんこっちにいるから。今の所状況は落ち着いているらしいので」
「コスモポリタンから王都まで20日はかかる。ひとりで帰るのかい?」
「それは心配いらないわ。居候させてもらっている家族に送って貰うから。それに私にはオーロもいるし」
「そうだ、リアはテイマーだった」
「今度は両親を連れて戻るわ。その時は会ってくれる?」
「もちろん…リア、もしかして何か隠し事をしている?」
「え?」
「こんな時期に王都に戻るなんて変だし、森の家にも招待もしてくれない…なにか隠しているね」
「…ごめん」
「やっぱり…聞かせて貰えないかな。俺は信用できない?」
「信用はしてる。でもまだ話せない。でも戻ってきたらすべて話すと約束するわ」
「…」
「ごめん、明日から帰る準備もあるからもう来られないわ。でも絶対に戻るから…」
「リア…」
 なんでこんな別れをしなくてはいけないのだ。しかしユリウスとリアが無関係だと言わせるためにはなんらかの手を打たねばならない。

 さっさとケリを付けてやる。
しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

【完結】遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!

天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。  魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。  でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。  一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。  トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。  互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。 。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.  他サイトにも連載中 2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。  よろしくお願いいたします。m(_ _)m

水精姫の選択

六道イオリ/剣崎月
ファンタジー
見た目が美しくも奇異な小国の王女パルヴィは、財政難から大国に身売りすることになったのだが、道中で買うと言った王が死亡したと聞かされる。 買われ故国を救いたいと願う王女は引き返さずに大国へと赴き 

平民に転落した元令嬢、拾ってくれた騎士がまさかの王族でした

タマ マコト
ファンタジー
没落した公爵令嬢アメリアは、婚約者の裏切りによって家も名も失い、雨の夜に倒れたところを一人の騎士カイルに救われる。 身分を隠し「ミリア」と名乗る彼女は、静かな村で小さな幸せを見つけ、少しずつ心を取り戻していく。 だが、優しくも謎めいたカイルには、王族にしか持ちえない気品と秘密があり―― それが、二人の運命を大きく動かす始まりとなるのであった。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

【完結】令嬢は売られ、捨てられ、治療師として頑張ります。

まるねこ
ファンタジー
魔法が使えなかったせいで落ちこぼれ街道を突っ走り、伯爵家から売られたソフィ。 泣きっ面に蜂とはこの事、売られた先で魔物と出くわし、置いて逃げられる。 それでも挫けず平民として仕事を頑張るわ! 【手直しての再掲載です】 いつも通り、ふんわり設定です。 いつも悩んでおりますが、カテ変更しました。ファンタジーカップには参加しておりません。のんびりです。(*´꒳`*) Copyright©︎2022-まるねこ

【完】瓶底メガネの聖女様

らんか
恋愛
伯爵家の娘なのに、実母亡き後、後妻とその娘がやってきてから虐げられて育ったオリビア。 傷つけられ、生死の淵に立ったその時に、前世の記憶が蘇り、それと同時に魔力が発現した。 実家から事実上追い出された形で、家を出たオリビアは、偶然出会った人達の助けを借りて、今まで奪われ続けた、自分の大切なもの取り戻そうと奮闘する。 そんな自分にいつも寄り添ってくれるのは……。

キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる

藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。 将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。 入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。 セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。 家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。 得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。

モブで可哀相? いえ、幸せです!

みけの
ファンタジー
私のお姉さんは“恋愛ゲームのヒロイン”で、私はゲームの中で“モブ”だそうだ。 “あんたはモブで可哀相”。 お姉さんはそう、思ってくれているけど……私、可哀相なの?

処理中です...