AFTER DEAD「最後の帰路」

ハンドアイランド

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合わさるピースと、欠けるピース

復讐心

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ギギッ、とブレーキの音が鳴る。

車が止まった。

前方に、動かなくなった自動車が連なり、道を完全に封鎖している。

「どかすぞ」

小野川がドアを開ける。

俺も無言で外に出た。

基本的に、力仕事は俺と小野川の仕事だった。

俺と小野川は、自動車の側面に手をかける。

言葉を交わすことなく、同時に力を込める。


ギギギ……と鈍い音を立てながら、車体が少しずつずれていく。

汗が滲む。
単純な作業だが、体力の消費が凄まじい。

「小野川さん」

俺は、思い切って声をかけた。

小野川の動きが止まり、ゆっくりとこちらを見る。

鋭い視線。

少しの沈黙の後ーー、

「なんだ?」

短い返事。

俺は、言葉を探す。

「小野川さんは、どうして、、、、
  この世界を変えた連中を、倒したいんですか?」

もう引き下がれない。
空気が、張り詰める

小野川の手が、完全に止まった。

俺は続ける。

「谷風さんのように、誰かのためですか?」

自分でも、なぜそこまで聞くのか分からなかった。

小野川の目が細くなる。

「俺が、そんな人間に見えるか?」

睨みつけられる。

その視線に、思わず息を飲む。
だが、目は逸らさなかった。

「俺は復讐したいだけだ」

「連中は、俺の全てを奪った」


俺の全て?
家族のことか?

復讐か。
俺にも奪われたものはある。

「そ、そうだったんですね。急に申し訳ないです、、、」

思わず視線を落とす。

「なぜ、そんなことを聞く?」

顔を上げると、小野川が真っ直ぐこちらを見ていた。

「いえ、、、。なんとなくです」

小野川は数秒、黙ったまま俺を見ていたが、やがて視線を外した。

それ以上は追求しない。
再び、車体に手をかける。

俺も無言で作業に戻った。


「通れるな」

やっと、車一台分の隙間ができた。

俺たちは車に戻った。


「ありがとうございます」

上泉が丁寧に頭を下げる。

俺も軽く会釈を返した。

ふと、バックミラー越しに視線を感じる。

多分、小野川だ。

俺は、あえて見なかった。
窓の外に視線を向ける。

何事もなかったかのように、エンジンが鳴る。
車は、ゆっくりと動き出した。


俺は窓の外を見つめながら、小野川の言葉を反芻する。

ーー俺は復讐したいだけだ。

俺には、そんな感情は無い。

俺は、本当にこの道を進むのか。

それともーー。

答えはまだ、出せそうになかった。
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