婚約破棄ですか?それは死ぬ覚悟あっての話ですか?

R.K.

文字の大きさ
2 / 3

本編 殺す覚悟はもうできた

しおりを挟む
 あのあと、彼はこう言った。

「殺せるものなら殺してみろ。お前にできるならな」

 そして、私がその言葉になにも返せないでいると、彼はなにをしたのか、満足そうな顔で、

「そういうわけだ。それじゃ、話は終わりだ。これで、は決定だ」

 そう言い切ると、いかにも機嫌良さそうに行ってしまった。
 わたし一人を残して。
 ポツンと残された私。
 急になにかを失ったことによる、大きな喪失感がわたしの心を支配する。
 そして、その後には憎悪。
 彼が憎い。許せない。いや、
 絶対に殺してやる。
 彼を、絶対に殺す。

『殺す、殺す殺す、殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す─...殺す殺す殺す...!』

 わたしの頭の中では、もはや彼を殺すことしか考えられなくなってたそのとき、急に冷静になる。
 もしかしたら、彼は私の本当の気持ちを確かめようとしてるだけなのかも知れない。
 もしかしたら、なにかサプライズがあるのかも知れない。
 そう思うと、急に胸がキュンキュンしてくる。
 あ~、幸せ~!
 彼が出ていった扉に手をかけ、私は彼を追いかけるように部屋をでる。
 そして、すぐに彼の声は聞こえてきた。
 けど、それは私の想像していたものとは違っていた。
 だって、

「ねえ、ちゃんと婚約破棄してきた?私と結婚するからって...!」

「もちろんだ。君と結婚できるんだから......。お前は姉と違って、胸も大きいし、優しい。俺はお前と結婚した方が幸せになれる」

「もう~!で・も、嬉しい。お姉ちゃんにはいつも負けてばっかりだったから」

「なにを言ってるんだ。胸の大きさは段違いだ」

「もう~!胸のことばっかり...!」

 私の妹の声とさっきまで婚約破棄の話をしていた彼の声と全く同じ声が聞こえてきたのだから。
 このとき、私のなかでなにかが切れるのがわかった。
 ああ、憎い。
 そうだ、殺そう。それがいい。
 私はそう決意する。
 それは、簡単にとけるような決意なんかじゃない。
 天地がひっくり返されても、たとえ私が揺るぐことのないほどの決意。


 私と彼との結婚式はもう過ぎた。
 結局、彼とはあのあと会っていない。
 私の妹の方はといえば、何食わぬ顔で『残念だったね......。お姉ちゃんだったら、きっともっといい人が見つかるよ』そんなことを言っていた。
 あんたが私から彼を奪ったくせに。
 そう思うが、そこでそんなことを気にしても変わることなんてなにもない。
 あれからずっと計画していた彼を殺す計画を成功させる方がよっぽど大切だ。
 そうして、私は実行することにする。


 結果は、失敗に終わった。
 私の用意していた計画は、妹のよって彼に伝わっていたのだった。
 それによって、私の計画は全てバレており、即刻わたしは捕まった。
 私は彼を残酷にいたぶったあと殺す予定だったから、私の処遇は死刑。
 当たり前だ。
 それだけのことをしようとしていたのだから。
 それぐらいの自覚はある。
 だって、それだけのことをしたいからたてた計画だから。

「お前っ...!今日が死刑実行日だ!とっとと出てこい!」

 私はハサミギロチンで殺されるらしい。
 ああ、憎い。
 彼が、妹が憎い。
 殺したい。殺してやりたい!
 絶対に許さない!

 そして、大きな刃が私の首を切った。
 その瞬間、切られたのだとわかってすぐ、痛みを感じる前に私は死んだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】ご安心を、問題ありません。

るるらら
恋愛
婚約破棄されてしまった。 はい、何も問題ありません。 ------------ 公爵家の娘さんと王子様の話。 オマケ以降は旦那さんとの話。

【完結】新たな恋愛をしたいそうで、婚約状態の幼馴染と組んだパーティーをクビの上、婚約破棄されました

よどら文鳥
恋愛
「ソフィアの魔法なんてもういらないわよ。離脱していただけないかしら?」  幼馴染で婚約者でもあるダルムと冒険者パーティーを組んでいたところにミーンとマインが加入した。  だが、彼女たちは私の魔法は不要だとクビにさせようとしてきた。  ダルムに助けを求めたが……。 「俺もいつかお前を解雇しようと思っていた」  どうやら彼は、両親同士で決めていた婚約よりも、同じパーティーのミーンとマインに夢中らしい。  更に、私の回復魔法はなくとも、ミーンの回復魔法があれば問題ないという。  だが、ミーンの魔法が使えるようになったのは、私が毎回魔力をミーンに与えているからである。  それが定番化したのでミーンも自分自身で発動できるようになったと思い込んでいるようだ。  ダルムとマインは魔法が使えないのでこのことを理解していない。  一方的にクビにされた上、婚約も勝手に破棄されたので、このパーティーがどうなろうと知りません。  一方、私は婚約者がいなくなったことで、新たな恋をしようかと思っていた。 ──冒険者として活動しながら素敵な王子様を探したい。  だが、王子様を探そうとギルドへ行くと、地位的な王子様で尚且つ国の中では伝説の冒険者でもあるライムハルト第3王子殿下からのスカウトがあったのだ。  私は故郷を離れ、王都へと向かう。  そして、ここで人生が大きく変わる。 ※当作品では、数字表記は漢数字ではなく半角入力(1234567890)で書いてます。

悪役令嬢に相応しいエンディング

無色
恋愛
 月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。  ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。  さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。  ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。  だが彼らは愚かにも知らなかった。  ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。  そして、待ち受けるエンディングを。

とある公爵の奥方になって、ざまぁする件

ぴぴみ
恋愛
転生してざまぁする。 後日談もあり。

心を病んでいるという嘘をつかれ追放された私、調香の才能で見返したら調香が社交界追放されました

er
恋愛
心を病んだと濡れ衣を着せられ、夫アンドレに離縁されたセリーヌ。愛人と結婚したかった夫の陰謀だったが、誰も信じてくれない。失意の中、亡き母から受け継いだ調香の才能に目覚めた彼女は、東の別邸で香水作りに没頭する。やがて「春風の工房」として王都で評判になり、冷酷な北方公爵マグナスの目に留まる。マグナスの支援で宮廷調香師に推薦された矢先、元夫が妨害工作を仕掛けてきたのだが?

神様、来世では雑草に生まれたいのです

春先 あみ
恋愛
公爵令嬢クリスティーナは、婚約者のディスラン王子に婚約破棄を言い渡された。 これは愚かな王子が勝手に破滅する身勝手な物語。 ………… リハビリに書きました。一話完結です 誰も幸せにならない話なのでご注意ください。

お礼を言うのはこちらですわ!~婚約者も財産も、すべてを奪われた悪役?令嬢の華麗なる反撃

水無月 星璃
恋愛
【悪役?令嬢シリーズ1作目】 一話完結。 婚約者も財産も、すべてを奪われ、ついには家を追い出されたイザベラ・フォン・リースフェルト。 けれど彼女は泣き寝入りなどしない。 ――奪わせてあげますわ。その代わり……。 上品に、華麗に「ざまぁ」する悪役?令嬢のひとり語り。 ★続編『謝罪するのはこちらですわ!~すべてを奪ってしまった悪役?令嬢の優雅なる防衛』 https://www.alphapolis.co.jp/novel/947398225/744007806

簡単!婚約破棄の対処術

斉木
恋愛
公爵家の令嬢アーリアが愛のない婚約を破棄されてざまぁする小説 ざまぁと短編が書きたかっただけのお話です。

処理中です...