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同居の御曹司は甘やかすのがお好き
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しおりを挟む上司に退職届を提出すると驚かれたものの引き留められなかった。やっかいな社員が自分から辞めてくれて内心ほっとしているに違いない。
担当顧客の後任はすぐに決まり、徐々に引き継ぎが始まった。
4年も勤めたのだから寂しさはあるものの、今は安心した気持ちでいっぱいになる。吐き気はだんだん感じなくなっていった。
同居に慣れてきたころには仕事量が少なくなってきたから定時で退社すると、スーパーに寄って買い物してから帰ることが日課になる。
今夜は『少し遅くなる』と優磨くんから連絡があったから、帰ってきたら温めるだけでいいように夕食の準備をする。洗濯物を取り込んで優磨くんの服と私の服を分ける。下着を洗濯するのもお互い恥ずかしがったけれど今は慣れてしまった。
優磨くんの服をクローゼットにしまいに行く。ここだけでも生活できそうな広さのクローゼットの中には優磨くんのスーツが何着もかけられ、私服は綺麗に畳んでケースに入っている。
ここに来た頃は冬服も夏服もごちゃごちゃになっていたのを整頓したのは私だ。ケースがあるのに活用されていなくてもったいなかったけれど、今はだいぶマシになった。
「ん?」
ケースとケースの隙間に何かが落ちているのを見つけた。片づけたときには気づかなかったのに何だろうと指を入れて取り出すとピアスだった。小さなダイヤモンドらしき宝石がついている。
これ、優磨くんの? でも女性ものだよね? 彼女のかな……確かこの家に女の人を入れたことないって言ってたのに……。
私の知らない優磨くんを見てしまったようで何故か胸がざわつく。
これはどうしたらいいだろう。きっと持ち主は探しているだろうから優磨くんに伝えた方がいいよね。
言い忘れないようにテーブルの上に置いておくことにした。
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