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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
治療、治癒と医学博士。
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次の休日。付き合い始めの恋人が出来たハヅキは普通だったら「デートする機会があるかもしれないから服でも街に見に行こう♡」って浮かれたいところなのだが‥恋人とイチャイチャを阻む壁問題を解決できていない今はそんなことで浮かれるわけにもいかない。
まずは一番大きな壁「あの日の帳尻合せ~協会に課題を叩きつけられました~」を片付けなければいけない。
ハヅキは都立図書館の大きな机に座って沢山の本を並べて頭を抱えた。
治療と治癒‥。
あたしたち治療師がする医療行為は「治療」と呼ばれる。
治療とは、止血が主(初級治療師の主な仕事)で、次に患者本人が持っている自己治癒力を増幅させる(中級治療師以上)ことだ。レベルの違うってのは自己治癒力の増幅のスピードだとかで初級より中級、中級より上級の方が増幅のスピードが速い。
どういう仕組みで増幅させるのかを研究するのは医学博士の仕事。
医学博士は日々「この属性の魔力ならこういう風に増幅させられるんじゃない? 」「こういう治療法とかあったら、こういう病気治るんじゃない? 」(発案)って考えてて、医学博士チーム内で発表して意見を出し合って(検証)「これならいけるんじゃない? 」(提案)って話になると協会に試行を依頼してくる。依頼を受けた協会は自分たちの会員である治療師に「治療法の提案来てるけど、ちょっと協力してやって」って依頼して、興味を持ったその属性の治療師が試行に参加するってわけ。この地点で‥それどころか見ただけで「無理、不可能。机上の空論」ってことも多いんだけど、そこは「やってみてから考える」のが決まりなんだ。
万が一ってこともある。万が一「出来るかもしれない」可能性を「無理だろう」って個人の思い込みだけで潰したら? それは許されないことだし、「万が一」ホントに奇跡的にそれが実現出来たら‥それこそ「世紀の大発見」ってことになる。そういうことが稀にあって、そういうのも含めて、治療術の面白い所なんだ。
さて、試行。
勿論、実際に人間でするんじゃないよ? 動物実験やなんかだ。動物でも、殺したりしちゃ可哀そうだから、ちゃんと治療魔術が効く程度で試行をする。それで、改良点がわかったら‥「これをこうしたらいけるんじゃない? 」って医学博士と相談したりする。そうやって治療師と医学博士の二人三脚で作られた新しい治療法は多い、そんな感じで医学は進歩してるってわけだ。
といっても‥そんなに「新しい治療法」ってのがバンバン開発されるわけじゃない。
医学博士のアイデアは大概「机上の空論」って言ったら言い過ぎだけど‥突拍子もないものも多いから。
だけど、「既存の概念にとらわれない」「魔法についての深い知識がある」「開発に対する情熱が凄い」医学博士が日々研究するってのは医学の発展にとって意味があるんだ。
技術職・治療師は「既存の治療法」に誇りと自信を持ってて、視野が狭くなりがちだからね。
新治療法の発見ってそれ程難しいこと。それを「考えてみて♡」とか軽く言われても‥無理。
ハヅキはため息をついた。
そんなん簡単にできたら医学博士いらんっちゅうの。
この際、「実は私は水魔法の外に光属性の魔法も使えて、学校では光属性の魔法の授業も受けてまして‥今回は患者さんを助けたい一心でついそれを使ってしまったようです。アレです、無我夢中で‥」って正直に(?)話して謝るか。いや、それしたら「じゃあ、今すぐ聖女の登録してください」で聖女の鑑定して「ええ! 君は聖女として働かなければならない人じゃないか! 」ってなる。(なるだろう。この魔力量からして‥)それであたしが治療師としても引き続き働きたい。聖女の仕事は依頼があればその時だけ‥って提案しても、「治療師と掛け持ち!? そんなもん出来るわけないだろ! 」ってなるだろう。「今すぐ治療師は辞めて聖女になれ」ってなる。で、なったら最後‥絶対、死ぬまでこき使われる。
普通の「象徴的聖女」とは違って、これでもかって程こき使われるんだ。それこそ、馬車馬かって程。「こんだけ給料もらってんだから文句ないだろ」ってその給料使う間もない程こき使われるんだ‥。
普通の「象徴的聖女」ってのは、顔がよくってそこそこ治癒魔法が使えるアイドル的存在の聖女のことを言う。
一般人の憧れの「聖女のイメージ」はこれ。
清楚で可憐で優しい。清らかな笑顔で、すっと白魚のような手を翳して患者を癒す、天女や天使の様な女性。治療を受けた患者は患部より心が癒され「ありがたや~」ってなる。で「結婚してください、私の女神♡」ってなる。結婚したい職業ナンバーワンだ。
だけど、もっとガチで利用価値があるのは、もっと力の強い聖女。大聖女クラスまで力が強かったら話は別だよ?
大聖女は皆に崇められるある種神様みたいな存在だから、別格だ。だけど、そこまでいかない部長・課長レベルはそれこそ、便利に使える「政治的なコマ」ってわけだ。
お偉いさんの専属みたいなのにされたり、「治してあげるから融通利かせて」とかいう‥政治的利用? に使われたりするんだ。
あたしは絶対そういうポジになる。平凡な顔だからってこともあるし‥そもそも愛想が無さ過ぎる。笑顔も「優しく可憐で儚げ」とか無理だ。だからアイドル要員にはなれない。(なりたくもないし)で、使える駒認定確定。
‥絶対嫌だ。
光属性の魔法使いましたってのは隠す方向性で。
そもそもね、あたしは治療師が好きなんだ。
実力主義で、脳筋で、愛想も優しさも求められない治療師があたしは好きなんだ。
「憎いわ~協会」
もう一度ため息をついた。
ここでウチ(シャリナール教会)の治療体系を説明しよう。
一般的な治療。水魔法や風魔法による患部の消毒と止血 → 主に初級治療師のチームが担当。(二人一組。風魔法と水魔法の組合わせが多い)
大きな傷(刺し傷、切り傷)や怪我による内臓損傷 → 主に中級治療師のチームが担当。(ハヅキのチームもここ三、四人一組)
病気治療・軽度 →主に初級治療師のチームが担当。消毒と病原菌を殺菌するのが一番重要だから火属性の治療師や、雷属性の治療師なんかが多い。(心臓が止まった時にビリってやるんだって。あたしはそういう緊急医療は専門外だからあんまり分からないんだけど‥)
こういう体制で治療している。病気治療・重度は治療師がいないから「患者受け入れお断り」している。そればっかりは仕方がない。
因みに‥
病気治療・重度は、主に中級治療師のチームが担当する。ベテランの中級治療師(病気班)が瞬時に状況を把握して、病名を確定して応急処置する。ここも、火属性と雷属性の治療師が多いが、血流を整える水属性の治療師も多い。
ただし、重度の病気治療は「応急処置のみ」して、聖女に任せるのが決まりだ。それはウチだけではなく、全教会の治療師に共通した決まりで、協会法にもそう定められている。(それは大怪我の場合も同じだ)だから、重度の怪我や病気の患者受け入れ資格を持っている教会には必ず聖女がいるってわけだ。(常駐じゃなくても、呼ばれたら対応できる専属がいるって感じだな)
こんな感じで聖女と治療師は仕事内容が違うんだけど、それ以上の違いながある。
それは(治療師の)治療は痛く、(聖女の)治癒は痛くないって違いだ。
これは患者さんに置いて凄い大きい違いだ。怪我で痛いから治療してもらおうと教会に行ったのに、治療が怪我の痛さを上回ったりすることがざらにあるんだ。
治療の場合、
治療師「あ、切り傷ですね。では、消毒しますね(水魔法でバシャ―! )。で、自己治癒力を高める治療をしますね(血肉をメリメリメリメリ)」
患者さん「いてえぇええぇ! いっそ殺してくれ~!! 」
これが治癒なら
聖女「大丈夫ですよ♡ ちちんぷいぷい♡ (癒しの魔法でふわ~)」
で済む。それこそ、出鱈目にすぐ直る。全然痛くない。それどころか、「凄く気持ちいい♡まさに夢心地♡」らしい(体験者談)。でも、多分これで(一般的な聖女なら)聖女の一日の仕事終わりだ。光魔法はめっちゃ魔力使うから。
患者さん「聖女様! 顔色が! 俺の為に‥」
聖女「大丈夫ですよ(フラ‥)」
神官「聖女様お休みください。では、貴方はあちらでお会計を」
患者さん「(高―!! )」
何のコントやねん。
治療なら術者にやさしい。治療には沢山の魔力を必要としないから。沢山患者さんが見れる。患者さんには痛みに我慢してもらって治療を選んでもらった方がいい。そりゃ、治癒でしか治せない病気や怪我もある。それは仕方がないけど‥だ。
「意味はあるヨな。今まで聖女しか出来ないって思ってたことが、治療師でも出来るってなったら‥
というかそもそも‥
光属性を持ってても聖女を選ばずに治療師になっても良いじゃないか!? まったく、どいつもこいつも利益ばっかり追求しおってからに!! 」
こころの中で叫ぶ。
もう一回ため息をついてハヅキは別の本を探すために席を立った。
まずは一番大きな壁「あの日の帳尻合せ~協会に課題を叩きつけられました~」を片付けなければいけない。
ハヅキは都立図書館の大きな机に座って沢山の本を並べて頭を抱えた。
治療と治癒‥。
あたしたち治療師がする医療行為は「治療」と呼ばれる。
治療とは、止血が主(初級治療師の主な仕事)で、次に患者本人が持っている自己治癒力を増幅させる(中級治療師以上)ことだ。レベルの違うってのは自己治癒力の増幅のスピードだとかで初級より中級、中級より上級の方が増幅のスピードが速い。
どういう仕組みで増幅させるのかを研究するのは医学博士の仕事。
医学博士は日々「この属性の魔力ならこういう風に増幅させられるんじゃない? 」「こういう治療法とかあったら、こういう病気治るんじゃない? 」(発案)って考えてて、医学博士チーム内で発表して意見を出し合って(検証)「これならいけるんじゃない? 」(提案)って話になると協会に試行を依頼してくる。依頼を受けた協会は自分たちの会員である治療師に「治療法の提案来てるけど、ちょっと協力してやって」って依頼して、興味を持ったその属性の治療師が試行に参加するってわけ。この地点で‥それどころか見ただけで「無理、不可能。机上の空論」ってことも多いんだけど、そこは「やってみてから考える」のが決まりなんだ。
万が一ってこともある。万が一「出来るかもしれない」可能性を「無理だろう」って個人の思い込みだけで潰したら? それは許されないことだし、「万が一」ホントに奇跡的にそれが実現出来たら‥それこそ「世紀の大発見」ってことになる。そういうことが稀にあって、そういうのも含めて、治療術の面白い所なんだ。
さて、試行。
勿論、実際に人間でするんじゃないよ? 動物実験やなんかだ。動物でも、殺したりしちゃ可哀そうだから、ちゃんと治療魔術が効く程度で試行をする。それで、改良点がわかったら‥「これをこうしたらいけるんじゃない? 」って医学博士と相談したりする。そうやって治療師と医学博士の二人三脚で作られた新しい治療法は多い、そんな感じで医学は進歩してるってわけだ。
といっても‥そんなに「新しい治療法」ってのがバンバン開発されるわけじゃない。
医学博士のアイデアは大概「机上の空論」って言ったら言い過ぎだけど‥突拍子もないものも多いから。
だけど、「既存の概念にとらわれない」「魔法についての深い知識がある」「開発に対する情熱が凄い」医学博士が日々研究するってのは医学の発展にとって意味があるんだ。
技術職・治療師は「既存の治療法」に誇りと自信を持ってて、視野が狭くなりがちだからね。
新治療法の発見ってそれ程難しいこと。それを「考えてみて♡」とか軽く言われても‥無理。
ハヅキはため息をついた。
そんなん簡単にできたら医学博士いらんっちゅうの。
この際、「実は私は水魔法の外に光属性の魔法も使えて、学校では光属性の魔法の授業も受けてまして‥今回は患者さんを助けたい一心でついそれを使ってしまったようです。アレです、無我夢中で‥」って正直に(?)話して謝るか。いや、それしたら「じゃあ、今すぐ聖女の登録してください」で聖女の鑑定して「ええ! 君は聖女として働かなければならない人じゃないか! 」ってなる。(なるだろう。この魔力量からして‥)それであたしが治療師としても引き続き働きたい。聖女の仕事は依頼があればその時だけ‥って提案しても、「治療師と掛け持ち!? そんなもん出来るわけないだろ! 」ってなるだろう。「今すぐ治療師は辞めて聖女になれ」ってなる。で、なったら最後‥絶対、死ぬまでこき使われる。
普通の「象徴的聖女」とは違って、これでもかって程こき使われるんだ。それこそ、馬車馬かって程。「こんだけ給料もらってんだから文句ないだろ」ってその給料使う間もない程こき使われるんだ‥。
普通の「象徴的聖女」ってのは、顔がよくってそこそこ治癒魔法が使えるアイドル的存在の聖女のことを言う。
一般人の憧れの「聖女のイメージ」はこれ。
清楚で可憐で優しい。清らかな笑顔で、すっと白魚のような手を翳して患者を癒す、天女や天使の様な女性。治療を受けた患者は患部より心が癒され「ありがたや~」ってなる。で「結婚してください、私の女神♡」ってなる。結婚したい職業ナンバーワンだ。
だけど、もっとガチで利用価値があるのは、もっと力の強い聖女。大聖女クラスまで力が強かったら話は別だよ?
大聖女は皆に崇められるある種神様みたいな存在だから、別格だ。だけど、そこまでいかない部長・課長レベルはそれこそ、便利に使える「政治的なコマ」ってわけだ。
お偉いさんの専属みたいなのにされたり、「治してあげるから融通利かせて」とかいう‥政治的利用? に使われたりするんだ。
あたしは絶対そういうポジになる。平凡な顔だからってこともあるし‥そもそも愛想が無さ過ぎる。笑顔も「優しく可憐で儚げ」とか無理だ。だからアイドル要員にはなれない。(なりたくもないし)で、使える駒認定確定。
‥絶対嫌だ。
光属性の魔法使いましたってのは隠す方向性で。
そもそもね、あたしは治療師が好きなんだ。
実力主義で、脳筋で、愛想も優しさも求められない治療師があたしは好きなんだ。
「憎いわ~協会」
もう一度ため息をついた。
ここでウチ(シャリナール教会)の治療体系を説明しよう。
一般的な治療。水魔法や風魔法による患部の消毒と止血 → 主に初級治療師のチームが担当。(二人一組。風魔法と水魔法の組合わせが多い)
大きな傷(刺し傷、切り傷)や怪我による内臓損傷 → 主に中級治療師のチームが担当。(ハヅキのチームもここ三、四人一組)
病気治療・軽度 →主に初級治療師のチームが担当。消毒と病原菌を殺菌するのが一番重要だから火属性の治療師や、雷属性の治療師なんかが多い。(心臓が止まった時にビリってやるんだって。あたしはそういう緊急医療は専門外だからあんまり分からないんだけど‥)
こういう体制で治療している。病気治療・重度は治療師がいないから「患者受け入れお断り」している。そればっかりは仕方がない。
因みに‥
病気治療・重度は、主に中級治療師のチームが担当する。ベテランの中級治療師(病気班)が瞬時に状況を把握して、病名を確定して応急処置する。ここも、火属性と雷属性の治療師が多いが、血流を整える水属性の治療師も多い。
ただし、重度の病気治療は「応急処置のみ」して、聖女に任せるのが決まりだ。それはウチだけではなく、全教会の治療師に共通した決まりで、協会法にもそう定められている。(それは大怪我の場合も同じだ)だから、重度の怪我や病気の患者受け入れ資格を持っている教会には必ず聖女がいるってわけだ。(常駐じゃなくても、呼ばれたら対応できる専属がいるって感じだな)
こんな感じで聖女と治療師は仕事内容が違うんだけど、それ以上の違いながある。
それは(治療師の)治療は痛く、(聖女の)治癒は痛くないって違いだ。
これは患者さんに置いて凄い大きい違いだ。怪我で痛いから治療してもらおうと教会に行ったのに、治療が怪我の痛さを上回ったりすることがざらにあるんだ。
治療の場合、
治療師「あ、切り傷ですね。では、消毒しますね(水魔法でバシャ―! )。で、自己治癒力を高める治療をしますね(血肉をメリメリメリメリ)」
患者さん「いてえぇええぇ! いっそ殺してくれ~!! 」
これが治癒なら
聖女「大丈夫ですよ♡ ちちんぷいぷい♡ (癒しの魔法でふわ~)」
で済む。それこそ、出鱈目にすぐ直る。全然痛くない。それどころか、「凄く気持ちいい♡まさに夢心地♡」らしい(体験者談)。でも、多分これで(一般的な聖女なら)聖女の一日の仕事終わりだ。光魔法はめっちゃ魔力使うから。
患者さん「聖女様! 顔色が! 俺の為に‥」
聖女「大丈夫ですよ(フラ‥)」
神官「聖女様お休みください。では、貴方はあちらでお会計を」
患者さん「(高―!! )」
何のコントやねん。
治療なら術者にやさしい。治療には沢山の魔力を必要としないから。沢山患者さんが見れる。患者さんには痛みに我慢してもらって治療を選んでもらった方がいい。そりゃ、治癒でしか治せない病気や怪我もある。それは仕方がないけど‥だ。
「意味はあるヨな。今まで聖女しか出来ないって思ってたことが、治療師でも出来るってなったら‥
というかそもそも‥
光属性を持ってても聖女を選ばずに治療師になっても良いじゃないか!? まったく、どいつもこいつも利益ばっかり追求しおってからに!! 」
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