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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
こだわりの境地。″聖水飲み比べ大会″
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「聖水に種類があるっていうより、水に込める神聖力に違いがあるって言うのが正しいんだろうな」
ロアルが首を捻って言った言葉にハヅキがうなずいて、でも、
「神聖力っていうか、聖魔力だね」
と、訂正する。
「それは違うものか? 」
首を傾げたのはロウだ。
「いや、何となくさ。神聖力ってそう軽々しく使っちゃダメな気がしてさ。‥よくわからないけど、神聖力は神職が使うもんってイメージ。ただの治療師がつかうなら、ただの聖魔力かなって。聖魔力だったら、水魔力や風魔力とかと同じ、魔力のジャンルの一つでしょ? 」
ってハヅキが説明すると、
「なんかわからんが、個人のこだわりは尊重しなければいけないな」
って何となく納得してくれた。
「こだわりの境地だよな。魔法ってのは。
こうしたい、ああしたい、
これ(A)とこれ(A´)は‥自分にとっては別のもの。最初は、それを「どうでもいい」という人もいただろう。だけど、それでもやっぱり自分にとっては譲れない。そうやってそのこだわりをつき通していたら「確かに違うな。自分もそっちの方がいい」って人も増えていって、A´はAの類似品で模倣品でななく、別のもの(B)として認識された」
ボソリとロアルが呟いた。
ロウとハヅキがロアルを見る。
「水と聖水の話? 」
ロウが聞くとロアルがうなづいた。
「ポーションだって同じだ。
初めは偶然に出来て「これ飲むとなんか身体の調子いいな~」みたいな認識しか持たれてなかった。(※ この世界の場合です。他とは認識が違うこともあるかと思いますがご了承ください)だけど、そういう「なんだか身体にいい水」が次第に「これは疲れをとる水」「これは魔力を回復させる水」みたいに効能で分けられるようになった。
‥今日の僕はなんか冴えてるな」
ロアルはそう言って、ふふって照れくさそうに笑った。
つまり、聖水も今は全部まとめて聖水って認識されてるけど‥実は結構個体差があって、もしかし、効能で分けることも出来るかもしれないって話。
そんな話、聖女信仰してる人たちにしたら「不敬な! 」って怒られそうだな~。
聖女の力は、そんな「俗っぽいもの」じゃないって。
聖女の力(治癒)は、俗っぽい‥治療師の治療とは違う。
治療には色々あるって皆に認知されている。だけど、聖女の治癒はもっとぼやっとした認識しかされていない。
聖女が「何とかしてくれる」。仕組みはわからないけど、それが当たり前で、それが出来るのが聖女だ。たかが一般人には神の領域である神聖力のことは分からなくて当たり前だし、そういうの理解しようって思うのがおこがましいでしょ。
う~ん。
なんかモヤっとするってかスッキリしないな~。「これはこう」ってのが分からないと、他の人が同じこと出来ないじゃないか。まあ、同じこと出来ないようなことなんだから知る必要はないって言えるのかもしれないが‥
分からないより、分かった方がいいじゃないか。
種がある手品と神の奇跡みたいな感じなんだろう。種があるから、マネが出来る。偶然出来ることもあるよ~な奇跡はホントに偶然出来るもんだから「やった本人もどうやった? って聞かれても分かりません」って感じなんだろう。
″聖女の祈りが天に届いて、神様が奇跡を与えて下さりました″
それを効能云々って分析するのは不敬ってか、「野暮」でしょって話。
分からんから「ありがたい」。
あほらしいね。全くもって、科学的じゃない。
ハヅキは苦笑いした。
でもそもそも‥聖魔法に限らず魔法自体、魔法を使えない人にとってはチートだ。
無から有を作り出す。
水を出したり(水魔法)、火を出したり(火魔法)。そんなことは、普通の人には到底できない。魔法のない世界や、魔法が使えない人生ではそれこそが当たり前だった。目に見えてるものが全てだった。
常識で考えて「そんなの不可能デショ。当たり前に」が出来る。それが魔法使いだ。だから、魔法使いは特別なんだけど、この世界には元から魔法って言う概念があるから「特別だけど、持ってる人は持ってるもの」「魔法使いがそう。魔法使いなら魔法を使えても何の不思議もない」って感覚で受け入れられてる。
無から有を作り出すことは当たり前に不可能だけど、その不可能を可能にする魔法使いも当たり前に認識されている。
二つの「当たり前」が「この世界」には存在している。
『大らかな国民性っていうより、目の前にあるものだから、認めざるを得ないってところだろうな』
ハヅキはそう分析した。
『そして、
魔法のもう一つの側面‥
物質を生み出すとは違う、物質に直接働きかける力だ。
地面を動かしたり(土魔法)、風を動かしたり(風魔法)。そして‥聖魔法だ。神官は「聖魔法は唯一無二の尊いもの」っていうけど、実際問題はそう分析できる』
分析して、物の本質が分かれば御しやすくなる。幽霊の正体見たり枯れ尾花‥案外「分析可能」なものなのかもしれない。
分析、分類‥。
『風にも種類はあるわな。髪を乾かす程度の風、木をなぎ倒す程の強風、竜巻‥。いや、そんなに風には詳しくないが‥』
それらは、風というジャンルで括れるものの、全く違うと認識されている。違うものとして認識されている。普通は。
だけど、魔法で起こした風は全部、風魔法だ。その威力によって風魔法レベル1(送風、生活魔法程度の威力)、風魔法レベル2(強風、威嚇程度)、風魔法レベル3(強風、攻撃魔法程度)とか分類される。土魔法も同様だ。レベル1は結構皆使える。レベル2は風魔法が主力の魔法使いが使える。レベル3クラスになると使える人が稀で、それを職業にしているレベル。(ちなみにあたしの水魔法のレベルは2だ)
聖魔法はそういう風に分類されない。
聖魔法のレベルが高い人は低い人より多くの人が救える。より奇跡を起こせる確率があがる。
聖女により治癒された人に神職は、
「神のご加護(奇跡)により救われました。それもこれも、日頃の貴方の信仰心が厚いからですね」
って言うらしい。
まあ‥
「聖魔力のLevelの高い聖女様に見て貰えてラッキーだったね☆ 」
とは言わんわな~。(Levelの高い治療師とは言うくせにね)
やっぱ嫌い。聖女信仰。
ありがたみじゃ人は救えんよ。
『ありがたみとかどうでもいい超現実的なあたしは聖魔力を分析分類することにします』
「聖魔力の分析をすることが一番にすべきこと。そして、それらがどんな効果があるかを分析する。そしてそれらをそれぞれ水(水魔法で出した真水)に付与した場合、「どんな聖水」になるかを研究する」
ハヅキが胸の前で握りこぶしを作って宣言すると、
「研究‥。ありがたみのかけらもないね‥」
「崩れいく聖女様像‥」
ロウとロアルは苦笑いするのだった。
超現実主義者、研究員モードのハヅキ。邪魔だからローブも脱いじゃってます。そんなハヅキを見て、ロウとロアルはこころの中でコッソリ、
見た目はあんなに聖女様なのにね。
って思うのだった。
「水を飲み比べてください。
これは真水。
これは、Level1の聖魔力を込めた水つまり、Level1の聖水です。
そして、これはLevel2の聖水。そして、こっちはLevel3」
で、今ロアルとロウの前には「見た目全く同じ水」が4つ並べられている。
通常だったらありがたい聖水なんだけど、普段使ってる食堂のコップに入れられてるから全然ありがたみはない。
「‥ハヅキはLevel3までの聖魔法が使えるのか‥何で聖女にならないのかホント疑問だな‥」
苦笑いして先にグラスに手を伸ばしたのは、ロウだ。
「なんかこういうの見てたら喉乾いてくるよね」
ガラスのグラスは汗をかいたみたいに水滴がついており、如何にもよく冷えて旨そうだ。
「たしかに」
ってロアルもグラスをとる。
まずは、真水。
匂いもなく、癖もなく、のど越し柔らか。
「うまいね」
「うん、間違いない」
ってうなずきあう二人。
いや、味のこと言ってるんじゃない。
ハヅキは苦笑いしたが、そもそもこれはただの水。身体に変化は見られないはずだから、その感想でよしとする。
「次はLevel1 心なし甘い気がするな! 」
ロウが言うと、
「そうか? 」
ロアルが首を傾げた。
でも、なんて言ったらいいかは分からない。ただ、違うってことだけはわかる。
正直に言ったら「ちょっと旨い」
二人の感想に不満そうなハヅキが
「味じゃなくて、‥どう、なんか変わったことない? 身体がホカホカして来たとか? 」
って身を乗り出す。
うわ~すっごい不満そう。ちょっと怖いぞ、美人の怒り顔。
ロアルが苦笑いしたが、ロウは気付いてないみたいで、
「Level1は身体を温める効果なの? 」
って言って、グラスに残った水を名残惜しそうに見ている。
「そんなの分かんないよ。だから聞いてるんでしょう」
ハヅキが真水を作って、ロウの目の前で聖魔力を込めてLevel1の水を作ってくれた。
ロウとロアルの二人は、「お~」と言いそうになったのをグッと我慢。胸の前で祈るように手を組んで魔力を込める様子は、確かにちょっと「ありがたい」感じがした。
‥でも、言ったら絶対怒るだろうから言わないでおく。
黙って、ただ、礼を言ってロウが水を受け取る。
今度はもう一度「味わって」飲んだけど‥
「身体がホカホカとか‥ないな。別に変わらんよ? それこそ、ホントにちょっと旨い位」
やっぱりわかんない。
「即効性とかじゃないのか」
残念そうにハヅキが呟く。
Level2も、Level3も同じ。
「込める力の量を確実に変えてるんだけど、効果が変わったって分からない。
やっぱり聖魔力は分析不可能な魔力なんだろうか? 」
特に成果も得られないまま、第一回「聖水飲み比べ大会」は終わったのだった。
ロアルが首を捻って言った言葉にハヅキがうなずいて、でも、
「神聖力っていうか、聖魔力だね」
と、訂正する。
「それは違うものか? 」
首を傾げたのはロウだ。
「いや、何となくさ。神聖力ってそう軽々しく使っちゃダメな気がしてさ。‥よくわからないけど、神聖力は神職が使うもんってイメージ。ただの治療師がつかうなら、ただの聖魔力かなって。聖魔力だったら、水魔力や風魔力とかと同じ、魔力のジャンルの一つでしょ? 」
ってハヅキが説明すると、
「なんかわからんが、個人のこだわりは尊重しなければいけないな」
って何となく納得してくれた。
「こだわりの境地だよな。魔法ってのは。
こうしたい、ああしたい、
これ(A)とこれ(A´)は‥自分にとっては別のもの。最初は、それを「どうでもいい」という人もいただろう。だけど、それでもやっぱり自分にとっては譲れない。そうやってそのこだわりをつき通していたら「確かに違うな。自分もそっちの方がいい」って人も増えていって、A´はAの類似品で模倣品でななく、別のもの(B)として認識された」
ボソリとロアルが呟いた。
ロウとハヅキがロアルを見る。
「水と聖水の話? 」
ロウが聞くとロアルがうなづいた。
「ポーションだって同じだ。
初めは偶然に出来て「これ飲むとなんか身体の調子いいな~」みたいな認識しか持たれてなかった。(※ この世界の場合です。他とは認識が違うこともあるかと思いますがご了承ください)だけど、そういう「なんだか身体にいい水」が次第に「これは疲れをとる水」「これは魔力を回復させる水」みたいに効能で分けられるようになった。
‥今日の僕はなんか冴えてるな」
ロアルはそう言って、ふふって照れくさそうに笑った。
つまり、聖水も今は全部まとめて聖水って認識されてるけど‥実は結構個体差があって、もしかし、効能で分けることも出来るかもしれないって話。
そんな話、聖女信仰してる人たちにしたら「不敬な! 」って怒られそうだな~。
聖女の力は、そんな「俗っぽいもの」じゃないって。
聖女の力(治癒)は、俗っぽい‥治療師の治療とは違う。
治療には色々あるって皆に認知されている。だけど、聖女の治癒はもっとぼやっとした認識しかされていない。
聖女が「何とかしてくれる」。仕組みはわからないけど、それが当たり前で、それが出来るのが聖女だ。たかが一般人には神の領域である神聖力のことは分からなくて当たり前だし、そういうの理解しようって思うのがおこがましいでしょ。
う~ん。
なんかモヤっとするってかスッキリしないな~。「これはこう」ってのが分からないと、他の人が同じこと出来ないじゃないか。まあ、同じこと出来ないようなことなんだから知る必要はないって言えるのかもしれないが‥
分からないより、分かった方がいいじゃないか。
種がある手品と神の奇跡みたいな感じなんだろう。種があるから、マネが出来る。偶然出来ることもあるよ~な奇跡はホントに偶然出来るもんだから「やった本人もどうやった? って聞かれても分かりません」って感じなんだろう。
″聖女の祈りが天に届いて、神様が奇跡を与えて下さりました″
それを効能云々って分析するのは不敬ってか、「野暮」でしょって話。
分からんから「ありがたい」。
あほらしいね。全くもって、科学的じゃない。
ハヅキは苦笑いした。
でもそもそも‥聖魔法に限らず魔法自体、魔法を使えない人にとってはチートだ。
無から有を作り出す。
水を出したり(水魔法)、火を出したり(火魔法)。そんなことは、普通の人には到底できない。魔法のない世界や、魔法が使えない人生ではそれこそが当たり前だった。目に見えてるものが全てだった。
常識で考えて「そんなの不可能デショ。当たり前に」が出来る。それが魔法使いだ。だから、魔法使いは特別なんだけど、この世界には元から魔法って言う概念があるから「特別だけど、持ってる人は持ってるもの」「魔法使いがそう。魔法使いなら魔法を使えても何の不思議もない」って感覚で受け入れられてる。
無から有を作り出すことは当たり前に不可能だけど、その不可能を可能にする魔法使いも当たり前に認識されている。
二つの「当たり前」が「この世界」には存在している。
『大らかな国民性っていうより、目の前にあるものだから、認めざるを得ないってところだろうな』
ハヅキはそう分析した。
『そして、
魔法のもう一つの側面‥
物質を生み出すとは違う、物質に直接働きかける力だ。
地面を動かしたり(土魔法)、風を動かしたり(風魔法)。そして‥聖魔法だ。神官は「聖魔法は唯一無二の尊いもの」っていうけど、実際問題はそう分析できる』
分析して、物の本質が分かれば御しやすくなる。幽霊の正体見たり枯れ尾花‥案外「分析可能」なものなのかもしれない。
分析、分類‥。
『風にも種類はあるわな。髪を乾かす程度の風、木をなぎ倒す程の強風、竜巻‥。いや、そんなに風には詳しくないが‥』
それらは、風というジャンルで括れるものの、全く違うと認識されている。違うものとして認識されている。普通は。
だけど、魔法で起こした風は全部、風魔法だ。その威力によって風魔法レベル1(送風、生活魔法程度の威力)、風魔法レベル2(強風、威嚇程度)、風魔法レベル3(強風、攻撃魔法程度)とか分類される。土魔法も同様だ。レベル1は結構皆使える。レベル2は風魔法が主力の魔法使いが使える。レベル3クラスになると使える人が稀で、それを職業にしているレベル。(ちなみにあたしの水魔法のレベルは2だ)
聖魔法はそういう風に分類されない。
聖魔法のレベルが高い人は低い人より多くの人が救える。より奇跡を起こせる確率があがる。
聖女により治癒された人に神職は、
「神のご加護(奇跡)により救われました。それもこれも、日頃の貴方の信仰心が厚いからですね」
って言うらしい。
まあ‥
「聖魔力のLevelの高い聖女様に見て貰えてラッキーだったね☆ 」
とは言わんわな~。(Levelの高い治療師とは言うくせにね)
やっぱ嫌い。聖女信仰。
ありがたみじゃ人は救えんよ。
『ありがたみとかどうでもいい超現実的なあたしは聖魔力を分析分類することにします』
「聖魔力の分析をすることが一番にすべきこと。そして、それらがどんな効果があるかを分析する。そしてそれらをそれぞれ水(水魔法で出した真水)に付与した場合、「どんな聖水」になるかを研究する」
ハヅキが胸の前で握りこぶしを作って宣言すると、
「研究‥。ありがたみのかけらもないね‥」
「崩れいく聖女様像‥」
ロウとロアルは苦笑いするのだった。
超現実主義者、研究員モードのハヅキ。邪魔だからローブも脱いじゃってます。そんなハヅキを見て、ロウとロアルはこころの中でコッソリ、
見た目はあんなに聖女様なのにね。
って思うのだった。
「水を飲み比べてください。
これは真水。
これは、Level1の聖魔力を込めた水つまり、Level1の聖水です。
そして、これはLevel2の聖水。そして、こっちはLevel3」
で、今ロアルとロウの前には「見た目全く同じ水」が4つ並べられている。
通常だったらありがたい聖水なんだけど、普段使ってる食堂のコップに入れられてるから全然ありがたみはない。
「‥ハヅキはLevel3までの聖魔法が使えるのか‥何で聖女にならないのかホント疑問だな‥」
苦笑いして先にグラスに手を伸ばしたのは、ロウだ。
「なんかこういうの見てたら喉乾いてくるよね」
ガラスのグラスは汗をかいたみたいに水滴がついており、如何にもよく冷えて旨そうだ。
「たしかに」
ってロアルもグラスをとる。
まずは、真水。
匂いもなく、癖もなく、のど越し柔らか。
「うまいね」
「うん、間違いない」
ってうなずきあう二人。
いや、味のこと言ってるんじゃない。
ハヅキは苦笑いしたが、そもそもこれはただの水。身体に変化は見られないはずだから、その感想でよしとする。
「次はLevel1 心なし甘い気がするな! 」
ロウが言うと、
「そうか? 」
ロアルが首を傾げた。
でも、なんて言ったらいいかは分からない。ただ、違うってことだけはわかる。
正直に言ったら「ちょっと旨い」
二人の感想に不満そうなハヅキが
「味じゃなくて、‥どう、なんか変わったことない? 身体がホカホカして来たとか? 」
って身を乗り出す。
うわ~すっごい不満そう。ちょっと怖いぞ、美人の怒り顔。
ロアルが苦笑いしたが、ロウは気付いてないみたいで、
「Level1は身体を温める効果なの? 」
って言って、グラスに残った水を名残惜しそうに見ている。
「そんなの分かんないよ。だから聞いてるんでしょう」
ハヅキが真水を作って、ロウの目の前で聖魔力を込めてLevel1の水を作ってくれた。
ロウとロアルの二人は、「お~」と言いそうになったのをグッと我慢。胸の前で祈るように手を組んで魔力を込める様子は、確かにちょっと「ありがたい」感じがした。
‥でも、言ったら絶対怒るだろうから言わないでおく。
黙って、ただ、礼を言ってロウが水を受け取る。
今度はもう一度「味わって」飲んだけど‥
「身体がホカホカとか‥ないな。別に変わらんよ? それこそ、ホントにちょっと旨い位」
やっぱりわかんない。
「即効性とかじゃないのか」
残念そうにハヅキが呟く。
Level2も、Level3も同じ。
「込める力の量を確実に変えてるんだけど、効果が変わったって分からない。
やっぱり聖魔力は分析不可能な魔力なんだろうか? 」
特に成果も得られないまま、第一回「聖水飲み比べ大会」は終わったのだった。
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