今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

文月

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担当者さんが途中経過を見て、ダメだししてきました。

7.ハヅキ、努力する。(6回目)

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 気が付いたら、6回目。
 前回の記憶が‥断片的だが残っていることに驚いた。
 でもそれが‥ちっとも嬉しいことじゃなかったことに‥酷く嫌な気持ちになった。
 あの顔。
 何度転生しても同じな‥この頃では御馴染みになってきた顔。‥残念ながら愛着は持てないけど。
 どころか「またか」って忌々しい気持ちが勝る。
 
 あたしのせいじゃないのに、理不尽だ。

 あたしの顔なんて、あたしが努力したところで何とかなるわけじゃないだろう。
 誰に責任を追及しても仕方がない問題だ。‥普通は。
 だけど、あたしの場合は違うんじゃないかなって‥そればっかり思う。

 あたしは「作り物の魂」だから。

 つまり、神様(※ 実はヒツジがそうしてるんだが、勿論ハヅキはそんなこと知らない)が意図的に毎回あたしをこの顔にしているってことだろう。あたしに何の恨みがあるんだ!? ‥って思ったけど、でもね、神様がそんなことするわけがない。多分‥この魂にはこの顔‥みたいな決まりがあるんだろう。(勿論よくわからないけど)
 誰かを恨んでも仕方がない、が、‥理不尽に思う気持ちは消えない。
 ってか、顔で人をは評価する奴がおかしいよね。
 あたしの顔なんて、他人には関係ないじゃん。「見てたら不愉快になる」? ‥見なきゃいいじゃん。わざわざ怖いもん見たさで見て「怖い」とか‥アホじゃね? 
 馬鹿馬鹿しい。大っ嫌い。
 そんな奴はじめっから相手しなくていいんじゃないか?
 って思ったけど‥
 なんで皆の中であたしだけ。
 あたしだけが他と差別されている。
 皆の中であたしの顔は‥そんなに異質だってこと。
 他の誰もが平気なのに‥あたしだけ。
 酷くない? 
 そりゃ‥ほかにもそんな不当な扱いを受けてる人もいるだろうけど、少なくともあたしの周りではあたしだけ。‥自分のことだから、余計にそう思うんだろう。
 そりゃあね、あたしだってあたしの顔が好きじゃない。
 あたしの好きな顔は‥
 お人形みたいなクールビューティーだ。(※ まだブレていない)
 でも、それも‥あたしだけが「美人」って思ってるだけで、世間一般的に見たら「キモチワルイな」「怖い」とかなのかも? 世間一般「これが美人」ってのがあって、それ以外に対しては受け入れられなくて、嫌な対応とられるのかも。‥そんなわけないか。多分「美人だけど、冷たいイメージ」「美人なんだろうけど、俺は趣味じゃない」とかそういう扱いになるのかも。‥そんなことを考えて「え‥だから何? それが? 」って思った。
 あたしが好きと、一般的に好かれている‥は関係がある?
 あたしが好きならそれでいいじゃないか。
 告白されて、あたし的には好みじゃない男でも、「一般的に好かれてる顔」の美人(イケメン)だったら、オッケーしちゃう? 皆が「よかったね! イケメンじゃん! 」って言うからいいか~って、そんなこと無いでしょ?
 周りの目とか、そういうの馬鹿馬鹿しいよね! 
 そもそも面の皮一枚のことで皆騒ぎすぎだよね!
 
 そんなことを暗闇で考えながらブツブツ言っていたら、いつぞやの担当者がニヤニヤしながらやってきた。
「いいねいいね。イイ感じだよ。気付いたね? 顔で人を判断するなんてよくないってことに!
 やっと気づいてくれたね! 
 嬉しいわ~。ホンマ、努力したかいあったわ」
 ってしみじみ言う。
 アンタが何をあたしに対して努力したっていうんだ。身をもって体感しろって、あいつら(ハヅキの顔アンチ勢)けしかけたのアンタか? 最低ですね。(※ 勿論違う)
 あたしが白けた顔で担当者を見ているのに気付いたのだろう。ふふと担当者は笑うと、あたしの目を‥っていうかあたしは今魂でふわふわの煙の様な状態だから目のあたり‥を見て
「恋、してみたんだよね? どうだった? 」
 って聞いた。
 どうって‥
「告白する前にふられた。
 好きだって一方的に思っただけ。
 ‥だけど、苦しかった。
 何度もしたいものではないな。なんかの苦行かって思った。‥正直」
 ってあたしが言うと「ふ~ん? 」「なるほどねえ‥」って担当者は独り言ちて、
「成程、作りもんの魂はそんなもんまで理屈っぽいんやなあ」
 って笑った。
 そして、晴れやかな顔で、
「恋が苦痛かあ。なるほどねえ。確かに、苦しい時もある。だけどそれだけじゃなく恋は素晴らしい‥らしいんやけど‥。俺も分からんからなあ‥。
 まあ‥分かったから言うて、何とかしたげるわけにはいかんねん。手伝えることやないねん。
 息して、食事して、睡眠をとる。
 それっ位‥ある人にとっては自然なこと。だけど、ある人にとってはどうしょうもなく難しこと‥そういうことかもしれんな。
 スキップでけへん人の気持ち、スキップを当たり前に出来る奴には分からんて言うやん? 。
 スキップの仕方がわからんってスキップでけへん人間が練習してるのを見て「なんででけへんのか分からん」「スキップの仕方? そんなん言われてもわからんわ」って言う。
 そういう感じなんやろうなあ」
 何でかしみじみって感じで言われた。
 スキップがどうしたって? 
 あたしが苦笑いしていると、担当者は
「でも‥アンタとこんな話が出来る日が来るとはおもてへんかったわ。
 まるで‥子供と酒飲めるようになった時の親父の気分や」
 って朗らかに笑った。
 ‥どんな気分だ。
 分からんわ~。
 微妙な顔で首を傾げていたら、
「ああ、時間や。
 さあ、行っておいで、俺の娘よ」
 って‥最後に担当者の声が聞こえた。


 7回目の転生
 ハヅキ・マクスウエル
 一般的な街娘。 
 将来は結婚して主婦になったり、個人商店のおかみさんになったり、街に働きに行く女性が殆ど。
 政略結婚や稼業の継続の為の結婚の必要性はない結婚イージーモード。
 神の意図を感じる。
 ‥神様本気であたしに「恋をしろ」って言って来てるな‥
 でも‥十人十色、いんじゃない??
 ってはじめっから逃げの姿勢を取ろうとしていたら(それがばれたらしく)夢の中で担当者に
「アンタは~それが許されないの。未来のかかっている「モデルケース」なんだから。
 将来「愛ある結婚」をする「希望ある」魂に成長して欲しいわけ」
 って怒られた。
 
 恋愛に積極的な幼馴染・エマを「恋愛の師匠」とこころのなかで仰ぐことにした。
 幼馴染は「凄い美人」ってわけじゃないんだけど、とにかくモテる。
 これはマネするしかない。
 コッソリと、失礼にならないようにマネてたら、
「ハヅキ。
 人は見た目が全てじゃないけど、努力してる形跡すらない人見たらやっぱり「努力しろよ」って思っちゃう。必要最小限の化粧は礼儀だと思うよ。
 化粧もしてない、服装にも気を遣ってない人見たら、あたしはね「この人はそういう扱いされても仕方がない人」「自分で恋愛の可能性を捨てちゃってる人」って‥悪いけど思っちゃう。
 あたしはその人に努力した形跡が見えたら「頑張ってるな」って思うし、そんな人が「どうすりゃいいだろ。手伝って」って助けを求めて来たら、あたしなりに助ける。 
 生まれ持った姿かたちじゃなくて、そういう姿勢が美しいって思う。
 それから、笑顔。
 卑屈になってちゃ、だめ。「どうせあたしは」とか問題外。
 一緒に居て楽しい人、勉強になる人‥そういう人にあたしは人間的魅力を感じる」
 って教えてくれた。
 お貴族様じゃないから、高い化粧は買えないけど、眉を整えたり、低い鼻を高くしたくてピンチで挟んだり、スカーフまいてみたりしてたら、エマが
「スカーフはこうまいた方が顔が明るく見えるよ。色は明るい方がいい」
 って色々教えてくれたし、手伝ってくれた。メイクを教えてくれたのもエマだった。
 そうして‥頑張って頑張って「作って」無理して生活して、エマに誘われてエマの男友だちにも紹介してもらった。
「ハヅキって、お洒落だよね」
 って言ってくれる子もいたけど、これって「ホントのあたし」なのかな~この子はエマの友だちで「頑張って作ったあたし」のことを評価してくれてるんであって、エマ抜きの単品の‥ホントの「地味な」あたしを知ったらきっとがっかりするんだろうな~って思ったら途端に全部馬鹿馬鹿しくなった。
 結婚って一生のことだ。
 この先、無理して頑張って頑張って取り繕って生きていくの? 母さん見てたら、自然体で幸せそうで‥凄く羨ましい‥。
 一度そう思ってしまったら、カッコばっかり取り繕ってる自分が恥ずかしくって情けなくなった。
 全部捨て去りたくなった。
 でも、反面、だからといって、最低限の努力もしないでエマに軽蔑されるのも嫌だな‥とも思った。
 あたしは「神様、ごめん」ってこころの中でこっそり謝って婚活を一端お休みして、街に働きに行くことにして、エマと物理的に距離を取った。
 パン屋さんの店員。
 ご高齢のご夫婦でされているパン屋さんなんだけど、おかみさんが足を悪くして店を歩き回るのが不便だから「お手伝い」を募集していたらしい。
 開店準備をする。ご主人が作ったパンを店に並べる。袋詰めをする。お金を受け取る。お店の掃除をする。
 人前に出るから、身だしなみは礼儀。毎日バッチリする。でも、化粧は濃くなるのは厳禁。食べ物仕事だから、匂いが付くのは絶対ダメ。
 清潔が一番。
 接客業だから笑顔が大事。
「今日は天気がいいですね~」
 って言ったら
「そうそう、こんな日はパンを持って公園で食べるのもイイね~」
 ってお客さんの明るい恰幅のいいマダム(おばちゃん)が笑う。
 おばちゃんは化粧っ気もないし、若くもないのに‥キラキラして見えた。
 ああそうか‥この人は「綺麗だ」そして、「無理していない」。
 そして、今、身だしなみの為身なりを整えてるあたしも「無理なんてしてない」。
 働くあたしを見てくれてる人もいて、
「今度一緒に遊びに行こうよ」
 って同じ年位の女の子に誘われた。
 何着て行こうかな~って迷って、結局、エマと選んだスカーフをまいて、今日はちょっとバッチリめにメイクもした。
「いいじゃん! そのスカーフ可愛い! 」「メイクしてたら感じ変わるね」「そのリップ素敵! 」
 そんな話をしながら、街で新しいスカーフを見たりした。
 こんど実家に帰る時、エマと母さんに買って帰りたいなって思った。
 
 そんな感じで結局今回も独身のまま6回目の人生を終えた。
 ‥担当者さんには悪いって思ってる。でも‥正直あたしはもう二度と結婚できる気がしない‥。
 
 考えれば考える程‥
 恋愛が怖くて仕方がないんだ。
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