今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

文月

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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです! 

ハヅキ、教会デビューを父親に阻まれる。

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 生まれ育った国基準で見て不美人に生まれた‥と自覚した時人がとるこの国でとる行動パターン。
 ※ この世界は、皆にはモラルがあるから表立って他人から「不美人」と言われることはないが、「美醜は重要」なので、(ハヅキ以外)自分が他人にどう見られているかをやたら気にする。(因みに、この世界は美容整形とかない)
 ハヅキみたいに諦める、開き直る、気にしないって感覚はありえない。そういうメンタル強めな人間はまずいないと思った方がいい。
 何故って、子供時代にまず「子供たちの洗礼」を受けるから。本人がいくら親兄妹に恵まれすくすくと真っすぐ育とうとも、周りの子供の無遠慮な洗礼に会って、自覚させられ、不幸な(弱い)者なら自信を失う。
 子供は素直で純粋で‥残酷だ。
 親の教育が正しく、凄く厳しくしつけられた(貴族やなんかがそう)場合以外‥なかなか子供にそういう常識を期待するのは難しいだろう。社会に出て、「モラルとは」「道徳とは」って嫌って程叩き込まれないと‥なかなかね。(叩き込まれても、どんなに注意されても意に介さないタイプの奴もいるしね。この世界がいくら正しいを旨としてても、完全にってわけにはいかないのだ)
 少年時代に洗礼を受けて「この世界はこういうものだ」と知った者たちは、その後自然と他人の目を気にした行動を取るようになる。失礼にならないように、化粧したり、努力したり、それが(主に金銭的な理由で)無理ならローブ着たりして顔を隠す。
 そうした「自覚在る常識人」の人知れぬ努力のおかげで、世の人々は「うわ~不美人‥でも、そんなこと言ったり目を逸らしたら失礼だよな‥」「こっちに気を遣わせるなよ‥」って思いをしないで生きていける。
 我慢できるか、出来ないか。
 シンプルにそんな感じ。
 世の中には、我慢できない不美人か我慢できる(我慢できる程度まで努力した)不美人が殆ど。そんな「この人は何て美しいんだ‥」なんて人はあんまりいない。
 この世界、それが普通だったんだ。

 ハヅキが生まれるまでは。

 ハヅキが生まれた時、まず助産師が驚いて腰を抜かせた。だけど、驚いてもハヅキを落とす(離す)ことはなかったらしい。
 次に、見舞客が驚いて‥見惚れた。つい連れ帰りそうになる者が多発したため、ハヅキの両親やハヅキの家の使用人たちはハヅキを客人に抱かせることは決してなかったという。
 そして、それこそ人目に触れないように‥大事に大事に育てて来た。 
 そんな時だった。
 3歳の誕生日を迎えたハヅキが急に大人のようにしっかり喋り始め、そして「教会に行きたい」などと言い出したのだ。
 両親は驚いたが、ハヅキの意思は固いようだ。それでもなんとか頑張ったのだが、ハヅキの必死の主張に‥折れたのは両親‥特に父親の方だった。あの怖い台詞「私のお願いを聞いてくれないお父様なんて嫌い」の一言で、あっさり父親はハヅキの言いなりになった。(勿論後で母親にめちゃ怒られた)
 教会に行けばさえすれば満足するだろう~って、護衛騎士を3人も付けた。
 我が家でも指折りの優秀な騎士、ランスとフランドル。そして、貴重な魔法騎士までつけた! 
 一番腕がたつが強面のランスは「ハヅキが怖がらない? 」って母親的には心配だったみたい。(全然そんなことはないのは言うまでもない)。だけど、両親の心配をよそにハヅキはご機嫌にランスにだっこされ教会に行った。
 帰ってくるまでもう、両親、使用人全員は気が気じゃなかった!
 だが、帰ってきたハヅキはいつも以上に可愛らしい‥つまり、ニコニコ顔だった。目をキラキラさせて教会のことを語る可愛い‥ホント親バカだけじゃなく可愛い娘。そんな娘の話をニコニコ聞いていた両親の表情が次の瞬間凍る。

「私、将来教会で働きたいんです。その為に、今から教会のお手伝いをしたいです。神官さんにはもうそのことをお伝えして、お願いしてきました。ヨハネさんが「そういうことはご両親の承諾を得られてからもう一度お伺いしますね」って言ったから‥
 お父様とお母様。ね? いいでしょ? (コテンと首を傾げる「あざとかわい子ぶりっ子」スタイル。「この二人はあたしに甘いから、聞いてくれるだろう!! 」っていうハヅキの計算づくの行動だ。だけど精神年齢割と高めのハヅキには結構‥自分でやってて‥ダメージキツイぜ! )
 ハヅキの両親「可愛い‥」って瞬殺。つい「いいよ~♡」って言いそうになったが寸でのところで踏みとどまることに成功。(アブナイアブナイ。流されるところだった‥)

 え? だって、無理だよ。
 可愛いハヅキちゃんを多くの人の目に晒す?? 攫われちゃうじゃない!? 

「ダメだよ。ハヅキ。君はね、まだ幼い。そんな幼い頃は、大人とばっかりいてもいけないんだ。やっぱり大人は子供のことを「一人の人間」として扱う以前に、子供として「気を遣って」扱ってしまうからね。
 他の子どもと一緒に遊ぶのだって立派な勉強だ。同年代の子供と遊んだり、意見を出し合ったり、時には喧嘩したりするのは、子供の大事な勉強なんだ。
  そうして、周りの子と仲良く過ごす術を覚える。
 走り回るのだって大切だ! 大人は体力がないから走り回ったり出来ないし、忙しいからね。
 勿論、遊んでばかりではいられない。
 礼儀作法、一般常識‥子供でも覚えなければいけない知識はいっぱいあるんだ。
 平民の子と違って、「将来の職業に繋がること」ばかりしているわけにはいかないんだ」
 落ち着いた口調で父親は「それらしいこと」を何とか言ったが、いい終わってすぐに「わし、ナイス。正論じゃん! 」って思った。(いや、まさか貴族がわ「わし」とか言わんだろうけど)
 それを聞いてハヅキも反省? はしないものの、「何かしら」考えた様だ。少なくとも
 ‥そういう考えも一理あるな
 と位は思ったようだ。
「そっか‥じゃあ、教会の子供と遊ぶところから始める」
 って言った。
 父ちゃん目を見開き
「ダメ! 」
 ってつい即答しちゃって‥すぐ反省。
 さっき遊べって言った大人がダメって‥そりゃないんじゃない??
「‥え、それは‥教会の子供が貴族の子じゃないから? 」 
 ハヅキが「痛い所」を攻撃する。
 まさか、貴方は身分の差を言ってきませんよね? 普段から「そういうのはいけない」っていってますよね!? っていう攻撃だ。
 だが、そこで反撃に加わったのは‥
「あの教会に子供はいませんでしたよ。あそこは孤児院が併設されていませんから」
 なんとフランドルさんだった。ランドルさんまで同意して頷く。(そして、こっそり魔法騎士さんも! )

 フランドルおのれ‥! 

 睨まれても私だって反対します。
 だって、ハヅキ様が心配ですもん! 
 子供だけで遊ぶとか有り得ません! 子供の行動に目を光らせまくってる親付きの子供としか遊ばせませんよ!

 ハヅキの教会デビューはまだちょっと先の様です。
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