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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
あたしは「心では負けない」って決めてるんです。
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綺麗。
あたしは数秒リタに見惚れた。
後ろで男の子たちが
「う」
って口を押えるのが見えた。
揶揄っているわけではなくホントに具合が悪くなっている様だ。
顔を青ざめて俯いて
「怖い‥」
って呟いて、蜘蛛の子を散らすようにその場から離れていった。
あたしは
はっと気づいて、リタの手を取ってその子たちの逃げた方向と全く別の方向‥誰もいない場所にリタを引っ張っていった。
「大丈夫? 」
リタの白銀色の髪を撫ぜながら泣きじゃくるリタの涙を拭いた。
リタがチラリとあたしを見る。
リタの淡いブルーの瞳は、透き通って‥まるでビー玉みたいに美しかった。
卵型のフェイスライン。大きなアーモンド形の目を縁取る長い睫毛。鼻筋の通った鼻。真っ白な肌。清潔な‥精巧なビスクドールみたいな顔。その中で、ぽっちゃりとした桜色の口元だけがちょっと年不相応に色っぽく見えた。
まごうことなき、超美少女。
あたしのシンプル平凡顔とは違う。
これは‥主役の顔だ。
(っていっても、「可愛い皆の人気者」とは違って、「皆の憧れる優等生の先輩」ってポジだけど‥)
もうちょっと大きくなったら「お姉さま‥」って呼ぶにふさわしくなりそう。
あたしがもう一度その顔に見惚れていると、リタが恥ずかしそうにローブを被って
「ゴメン‥」
って小声で謝った。
何に対してのゴメン?
トーマスやあたしに気持ちを強要させてゴメン?
それとも‥
顔を見せちゃってゴメン?
いや、顔なら全然welcomeですよ?
「顔のことだとしたら‥あたしはリタの顔好きだよ」
ぼそっとあたしが言うと、
リタが怒って
「嘘! 」
って言った。
「それはあたしの好みの話でしょ? リタにあたしの好みを否定する資格はない。
この前も言ったけど‥
自分の常識は人にとっても常識だと思わない方がいい。
それは、失礼だ。
例えば、リタのお母さんがリタと似ていたとして、そんなリタのお母さんを選んだリタのお父さんの好みを否定する? 」
あたしがそう言うとリタが俯いて、ちょっと首を振った。
「お父さんはお母さんの見掛けが好きになって結婚したわけじゃないから‥」
「人柄に惹かれて結婚したのかな? 素敵なお父さんだね」
あたしが言うと、ぱあっとリタが笑った気配がした。ローブで隠れて見えなくても、そういう気配も結構わかるよね。
「そうなの! お父さんもお母さんもホントに素敵な人たちなの!
ローブをくれたのはお母さんなの。「見掛けでリタが判断されたら可哀そうだから」「自分が嫌な思いして来たから」って。お父さんがもし、見掛けで判断する人なら、お父さんが「ローブを被れ」って言うはずでしょ? でも、お父さんは一言もそんなこと言わないよ」
‥でも、止めもしないんだな。
その方が「この世界で生きていく上で」いいから。
「お母さんもお父さんも凄く優しいの。
いつもあたしのこと可愛がってくれる。
可哀そう、御免ねってお母さんはあたしを抱きしめてくれるの」
あたし的には‥そういう見掛けのことじゃなくて「見掛けがアレでも中身を磨け! 」って言われた方が嬉しいが‥
そうか‥リタ的には「可哀そう」は愛情表現なのか。
「この世界的にアンチな顔」に生まれて「可哀そう」。社会は厳しいだろうけど、せめて身内だけは「可哀そう」って暖かく育ててあげよう。
‥う~ん。
それでいいかなあ‥。
でも、ローブを被るのには、別にあたしも反対じゃない。
隠してることで自分の心の平穏が保てるならそれでいいじゃないか。
あたしだってそれには共感してる。
「あたしの両親は、あたしのこと可哀そうって言ったことはない。(※ それはハヅキの外見が可哀そうじゃないからなんだけど、そのへんはハヅキは知らない)
だけどそのことについて、あたしは彼らの愛情を疑ったことはない。
彼らがあたしを一人の人間として扱ってくれて、あたしのしたいって言うことを真面目に‥真剣に聞いて検討してくれる。それだけで、あたしは彼らの愛情を感じている」
リタがあたしを見て
「ハヅキちゃんがしたいことって? 」
って聞いた。
あたしはローブの中で二っと笑って
「あたしは治療師になりたい。
あたしの魔法属性は聖魔法だから。
只の治療師じゃない。
唯一無二、ウルトラ凄い治療師になって、あたしのこと外見でなんか言ってられないない位の存在になる。
考えてもごらんなさいよ。砂漠で彷徨って喉が渇いて死にそうで、「今水を飲まないと死ぬ‥」って状況で「こんなブスからは受け取らない‥」「ブスの施しを受ける位なら潔く死ぬ」って奴、いないでしょ? 」
リタは
「‥そんな人も居そうだけど‥」
って首を傾げる。
「それは、まだ余力がある状態の奴。ホントに生死を彷徨ってる奴はそれどころじゃないの! 人は極限状態に陥れば「どんな手を使っても生きたい」って思うはずなの。それが、生存本能って奴なの」
あたしが強く言うと「そういうもんなのか」ってリタが苦笑いした。
「そういうのを相手出来る様なスペシャル凄い治療師になりたい。
そしたら、皆はあたしのこと少なくとも顔でどうこう言えなくなる。
それどころか、「私の命を救ってくれた女神様! 」ってなる。
あたしはね。
外観じゃない価値を自分で作りたいって思ってるんだ。
可哀そうって言われて愛情に包まれて‥真綿にくるまれて生きてるだけじゃ、あたしは嫌だ」
リタがローブ越しに「ハッ」と気付いたような顔をしたのが気配で分かった。
「学校は、あたしにとって魔法を覚える為の手段でそれ以外の何でもないんだ。
普通の奴らは‥貴族だったら「友だちを作る」とか「結婚相手を探す」とかあるだろうけど、あたしはそんなのどうでもいいの。
魔法の腕。学校を卒業したって資格証。それだけもらえればそれでいいの」
あたしが言うと、リタは「イイな‥ハヅキちゃんは」って言った。
「あたしに魔法の才能はないだろうから‥」
って言ったリタにあたしは
「自分に出来ることを考えたらいいんじゃない? もしくはこれから作っていくとか。
あたしは、治療師になるって決める前は、メイクの腕を磨いて「この人に任せなければあたしはもう終わる」って位の髪結いになる道や「このドレスを手に入れる為にはあたしは100日だって通う」って言われるような服屋‥とかを考えてたぞ? 夢はオーバーなくらいの目標を持たなきゃ」
って言った。
リタが「そういえば‥」って呟く。
「あたしのお母さんのパンは「このパンじゃなきゃダメだ」ってお父さんに毎朝言われてる」
ああ‥つまり、「胃袋掴んだ」と。
うん、そういうのもあるよね。あたしはそんなに料理が上手じゃないけど、それも‥「超ウルトラクラス」が存在しうるジャンルだよね。
「それいいじゃん。
「このご飯食べたら他のご飯なんか食べられん」って食事つくる食堂とかいいじゃん? 」
「うん! 」
すっかり元気になったリタが明るい声をだして頷いた。
あたしは「お姉さん」のように微笑んで
「つまりね。
あたしたちは全然可哀そうじゃないの。だから、可哀そうって決めつけて、閉じこもってちゃダメって話」
って、リタに諭すように言った。
そんなに世の中甘くないかもしれない。
さっきの同級生たちの様子見てたら「あんなブスが作った飯が食えるか」っていう奴も出て来るだろう。だけど、そのことで悩むのは、次の段階でいいと思う。
「あたしはリタの顔好きだけど、リタが気になるってんだったら、メイクを覚えるのも悪くないんじゃない? あたしも教えてあげられるし」
‥もっとも、あたしにとってリタの今の顔が「完成形」だからなあ~。それを「この世界風」にするの、気が滅入るなあ~。
「ハヅキちゃんって何でも出来るんだね。‥それだけ、自分のこと真剣に考えて来たってことなんだよね。なんかあたし‥自分が恥ずかしいや‥」
リタが苦笑いして言ったのには「ごめん、なんかあたしこそ恥ずかしいから止めて‥」って思ったハヅキだった。
あたしは数秒リタに見惚れた。
後ろで男の子たちが
「う」
って口を押えるのが見えた。
揶揄っているわけではなくホントに具合が悪くなっている様だ。
顔を青ざめて俯いて
「怖い‥」
って呟いて、蜘蛛の子を散らすようにその場から離れていった。
あたしは
はっと気づいて、リタの手を取ってその子たちの逃げた方向と全く別の方向‥誰もいない場所にリタを引っ張っていった。
「大丈夫? 」
リタの白銀色の髪を撫ぜながら泣きじゃくるリタの涙を拭いた。
リタがチラリとあたしを見る。
リタの淡いブルーの瞳は、透き通って‥まるでビー玉みたいに美しかった。
卵型のフェイスライン。大きなアーモンド形の目を縁取る長い睫毛。鼻筋の通った鼻。真っ白な肌。清潔な‥精巧なビスクドールみたいな顔。その中で、ぽっちゃりとした桜色の口元だけがちょっと年不相応に色っぽく見えた。
まごうことなき、超美少女。
あたしのシンプル平凡顔とは違う。
これは‥主役の顔だ。
(っていっても、「可愛い皆の人気者」とは違って、「皆の憧れる優等生の先輩」ってポジだけど‥)
もうちょっと大きくなったら「お姉さま‥」って呼ぶにふさわしくなりそう。
あたしがもう一度その顔に見惚れていると、リタが恥ずかしそうにローブを被って
「ゴメン‥」
って小声で謝った。
何に対してのゴメン?
トーマスやあたしに気持ちを強要させてゴメン?
それとも‥
顔を見せちゃってゴメン?
いや、顔なら全然welcomeですよ?
「顔のことだとしたら‥あたしはリタの顔好きだよ」
ぼそっとあたしが言うと、
リタが怒って
「嘘! 」
って言った。
「それはあたしの好みの話でしょ? リタにあたしの好みを否定する資格はない。
この前も言ったけど‥
自分の常識は人にとっても常識だと思わない方がいい。
それは、失礼だ。
例えば、リタのお母さんがリタと似ていたとして、そんなリタのお母さんを選んだリタのお父さんの好みを否定する? 」
あたしがそう言うとリタが俯いて、ちょっと首を振った。
「お父さんはお母さんの見掛けが好きになって結婚したわけじゃないから‥」
「人柄に惹かれて結婚したのかな? 素敵なお父さんだね」
あたしが言うと、ぱあっとリタが笑った気配がした。ローブで隠れて見えなくても、そういう気配も結構わかるよね。
「そうなの! お父さんもお母さんもホントに素敵な人たちなの!
ローブをくれたのはお母さんなの。「見掛けでリタが判断されたら可哀そうだから」「自分が嫌な思いして来たから」って。お父さんがもし、見掛けで判断する人なら、お父さんが「ローブを被れ」って言うはずでしょ? でも、お父さんは一言もそんなこと言わないよ」
‥でも、止めもしないんだな。
その方が「この世界で生きていく上で」いいから。
「お母さんもお父さんも凄く優しいの。
いつもあたしのこと可愛がってくれる。
可哀そう、御免ねってお母さんはあたしを抱きしめてくれるの」
あたし的には‥そういう見掛けのことじゃなくて「見掛けがアレでも中身を磨け! 」って言われた方が嬉しいが‥
そうか‥リタ的には「可哀そう」は愛情表現なのか。
「この世界的にアンチな顔」に生まれて「可哀そう」。社会は厳しいだろうけど、せめて身内だけは「可哀そう」って暖かく育ててあげよう。
‥う~ん。
それでいいかなあ‥。
でも、ローブを被るのには、別にあたしも反対じゃない。
隠してることで自分の心の平穏が保てるならそれでいいじゃないか。
あたしだってそれには共感してる。
「あたしの両親は、あたしのこと可哀そうって言ったことはない。(※ それはハヅキの外見が可哀そうじゃないからなんだけど、そのへんはハヅキは知らない)
だけどそのことについて、あたしは彼らの愛情を疑ったことはない。
彼らがあたしを一人の人間として扱ってくれて、あたしのしたいって言うことを真面目に‥真剣に聞いて検討してくれる。それだけで、あたしは彼らの愛情を感じている」
リタがあたしを見て
「ハヅキちゃんがしたいことって? 」
って聞いた。
あたしはローブの中で二っと笑って
「あたしは治療師になりたい。
あたしの魔法属性は聖魔法だから。
只の治療師じゃない。
唯一無二、ウルトラ凄い治療師になって、あたしのこと外見でなんか言ってられないない位の存在になる。
考えてもごらんなさいよ。砂漠で彷徨って喉が渇いて死にそうで、「今水を飲まないと死ぬ‥」って状況で「こんなブスからは受け取らない‥」「ブスの施しを受ける位なら潔く死ぬ」って奴、いないでしょ? 」
リタは
「‥そんな人も居そうだけど‥」
って首を傾げる。
「それは、まだ余力がある状態の奴。ホントに生死を彷徨ってる奴はそれどころじゃないの! 人は極限状態に陥れば「どんな手を使っても生きたい」って思うはずなの。それが、生存本能って奴なの」
あたしが強く言うと「そういうもんなのか」ってリタが苦笑いした。
「そういうのを相手出来る様なスペシャル凄い治療師になりたい。
そしたら、皆はあたしのこと少なくとも顔でどうこう言えなくなる。
それどころか、「私の命を救ってくれた女神様! 」ってなる。
あたしはね。
外観じゃない価値を自分で作りたいって思ってるんだ。
可哀そうって言われて愛情に包まれて‥真綿にくるまれて生きてるだけじゃ、あたしは嫌だ」
リタがローブ越しに「ハッ」と気付いたような顔をしたのが気配で分かった。
「学校は、あたしにとって魔法を覚える為の手段でそれ以外の何でもないんだ。
普通の奴らは‥貴族だったら「友だちを作る」とか「結婚相手を探す」とかあるだろうけど、あたしはそんなのどうでもいいの。
魔法の腕。学校を卒業したって資格証。それだけもらえればそれでいいの」
あたしが言うと、リタは「イイな‥ハヅキちゃんは」って言った。
「あたしに魔法の才能はないだろうから‥」
って言ったリタにあたしは
「自分に出来ることを考えたらいいんじゃない? もしくはこれから作っていくとか。
あたしは、治療師になるって決める前は、メイクの腕を磨いて「この人に任せなければあたしはもう終わる」って位の髪結いになる道や「このドレスを手に入れる為にはあたしは100日だって通う」って言われるような服屋‥とかを考えてたぞ? 夢はオーバーなくらいの目標を持たなきゃ」
って言った。
リタが「そういえば‥」って呟く。
「あたしのお母さんのパンは「このパンじゃなきゃダメだ」ってお父さんに毎朝言われてる」
ああ‥つまり、「胃袋掴んだ」と。
うん、そういうのもあるよね。あたしはそんなに料理が上手じゃないけど、それも‥「超ウルトラクラス」が存在しうるジャンルだよね。
「それいいじゃん。
「このご飯食べたら他のご飯なんか食べられん」って食事つくる食堂とかいいじゃん? 」
「うん! 」
すっかり元気になったリタが明るい声をだして頷いた。
あたしは「お姉さん」のように微笑んで
「つまりね。
あたしたちは全然可哀そうじゃないの。だから、可哀そうって決めつけて、閉じこもってちゃダメって話」
って、リタに諭すように言った。
そんなに世の中甘くないかもしれない。
さっきの同級生たちの様子見てたら「あんなブスが作った飯が食えるか」っていう奴も出て来るだろう。だけど、そのことで悩むのは、次の段階でいいと思う。
「あたしはリタの顔好きだけど、リタが気になるってんだったら、メイクを覚えるのも悪くないんじゃない? あたしも教えてあげられるし」
‥もっとも、あたしにとってリタの今の顔が「完成形」だからなあ~。それを「この世界風」にするの、気が滅入るなあ~。
「ハヅキちゃんって何でも出来るんだね。‥それだけ、自分のこと真剣に考えて来たってことなんだよね。なんかあたし‥自分が恥ずかしいや‥」
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