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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
ハヅキ、就職する。
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くどいようだが。
治療師は夢のある仕事だ。
なんせ、実力さえあればランクが上がる。給料が上がる。そこは、上司の腹一つ‥贔屓や贈賄が通用しない世界なんだ。(素晴らしい!! )
まず治療師になったら全員治療師協会に所属する。教会全体でも所属するけど、個人的にも所属する。A教会のaみたいな感じだな。
それが何の意味があるというと‥
協会員(協会に所属している教会所属者)が昇級試験を受ける際、別の教会がその立会人として責任もって立ち会わなければいけないからだ。立ち会う教会はその都度協会がくじを引いて決めて、「持ち回り」とかじゃない。(立ち会う教会以外はそのことについて口外厳禁で、当日まで昇級試験を受ける個人や個人が所属する教会には知らされない。賄賂を渡されたら困るからね)
その理由が、同じ教会の身内しかいない状態で試験を受けてもホントに不正がなかったか証明できないからだっていうのは言うまでもないだろう。
そんな風に‥昇級試験には公平を期すために結構色んな決まりごとがあるんだ。
知る限りでは‥そうだな、
1.昇級試験のタイミングは個人の申請による。個人が「昇級試験受けたい! 」って言って協会に申請したら、協会は速やかに準備をしなければいけない。
2.協会員の準備とは① 日付の調節。② 場所の指定。③ 立ち会う教会をくじで決める。④ 当日見届ける協会の職員は当日まで誰にも知らさない。(喋ったら厳罰に処される)
3.昇級したら、教会員はその級に見合った「協会の仕事」をしなければいけない。(つまり「昇級試験してくれてありがとう」の意味の雑用)それは大概が協会の掃除とか書類の整理とかいった雑用なんだけど、上級試験に合格したら協会員を兼任しなければならない‥とかもある。
等々だ。(ここら辺は毎回協会から説明があるが、他にもあるかもしれない)
今のところ黒い噂も聞かないし、結構いい制度なんじゃないかなって思う。
試験の際に他の教会の人たちに会え手情報交換もできるし、お互い「いつか立ち合いでお世話になるからもしれないから‥」ってのがあるから紳士的に接するしね。贔屓とかイジワルとかする人たちはいないとは思うけど、それは‥やっぱり人間の心証として‥ね?
気まずくなることはしない方がいいってこった。
あたし自身が「はい! 昇進試験受けたいです☆ 」って言ったことはなかったのだが、(だって、あたしはまだボランティア要員で正式な所属が決まってないから)他の先輩の昇進試験の際に「ハヅキも受けとけ」って言われて受けさせてもらえ、今ではD級初級治療師だ!
(試験志望者以外が)かってに受けてもイイの? って思われるかもしれないが、わざわざ協会の人に時間を作ってもらって来てもらうんだから‥って同じ教会の人たちがほぼ全員受けるのは結構当たり前のことなんだって!
あとさ、「折角来てもらったんだから、一人でも昇級者出さねば!! 」「他の教会の奴らにいいとこ見せたい! 」とかいう感情も当たり前にあるらしい。治療師は教会関係者っていっても神職じゃないから、清廉潔白を尊ぶ‥って感じじゃないみたい。
あの時あの令嬢(※あたしのこと醜いとか言った令嬢)にぴしゃりと言ってくれた偉い人は神官だったらしい。神官は神職だ。そして、聖女もまた神職だ。
どうでもいいがそういう違いもある。
そんな風に3年間高等学校と教会のボランティアを両立させ、卒業の年を迎えた。
ワトソンとトーマスは一年前に卒業して、ワトソンは実家である伯爵家の後継者となるために父親である現伯爵の元で後継者修行をしているらしい。そんな将来有望でイケメンな彼は結婚市場でも再有望株‥らしい。だけど、ワトソンは(ご想像通り)「面倒くさい! 」って不機嫌な顔をしてるらしい。
いつかあの坊やが恋に堕ちる様な素敵なお相手が現れたらいいなって思う。
トーマスは、
「三男だから(※ 家を継ぐ長男でもスペア・補佐的な役割を担う次男でもなもない三男はどこかの家に婿養子に入るか騎士や文官となって家から出るのがこの国では一般的)」
って騎士団に入団した。
今はまだ騎士見習いらしいけど、直ぐに騎士になれるらしい。
何といっても高等学校の騎士科で学んだキャリア組だから。
「ワトソンと違って僕は全然モテないから結婚はもう諦めてる」
とか苦笑いしてる彼はワトソンと違って結婚願望があるようだ。
世の中上手いこといかない。
あたしは卒業後は教会で治療師として働く。ボランティア先も
「そのままここで就職したら? 」
って言ってくれているけど、幼い日に約束した教会に一度挨拶してから決めたいって言って保留にしてもらった。正直言うと三年間一緒に働いて来た彼らと働くの方がきっと楽だろう。人間関係的に全然問題はない。だけど、今まで貴族であるという素性や素顔を隠してきてたけど、就職となったらそこら辺全部正直に話さなければならないって思うと‥なんか気が重くは‥あってね? 。
きっとあの時の人たちはあたしを覚えていないんじゃないか?
そんなことを思いながら幼い日に一度護衛さんたちに連れて行ってもらっただけの教会に戻ってきた。
卒業証明書を手に「お話し聞かせてください」って教会に入っていくと、二人の青年と目が合った。
あ、この人たち知ってる。
「ダンさんとリュックさん‥」
つい呟いてしまうと、目の前の二人が目を見開いてあたしを見た。
‥すみません。怪しいですよね。
急に誰やコイツって感じですよね。
あたしはするりとローブを脱いで
「急に申し訳ございませんでした。実はわたくし、3歳の頃こちらに一度うかがわせていただいたことがあって、その時に案内していただいたのがダンさんとリュックさんでしたので‥つい懐かしくて名前を呼んでしまいました」
ダンさんとリュックさんの目は見開かれたままだ。
もう、ぽか~んって顔をしている。
「え?? 3歳?? 」
‥驚きますよね~流石に。「いつのことやねん」「覚えてへんがな」ってなりますよね??
あたしは小さく頷くと
「覚えておられなくても当たり前です。
私、ハヅキ・レオンバートルです。
すぐそこのレオンバートル家の娘です」
って言った。
更に貴族です発言。
驚いてる人に‥更なる新情報を追加するのは‥ちょっと違うか。
「え! ハイ‥は‥
ハイ‥」
いや、でも、まあ‥そろそろ落ち着いてくれよ。
さっきから話が進まないじゃないか! 。
矢継ぎ早の弾丸トークで驚いたかもしれんが、そこまで驚く??
もしかして‥
あたしの顔?
‥そこまで(驚くほど醜い)じゃないと思うんですけど??
え~あたしには分からんけどビミョーな違いがあって「あたしの顔はダメ」的な感じなん?? 勘弁してよ~。随分歩み寄ったつもり(他人の趣味を寛容に受け止めたつもり)なのに‥全然わからんくなったよ‥。
あたしが苦笑いしていると、教会の奥から(奥からって程奥でもないんだけど。‥そうだった、この教会の礼拝所は小さかったんだ)中年の上品な男性が出て来て
「ダン、リュック何をしているんですか。お客様に椅子をすすめもしないで。
治療師の就職希望の方ですか? 」
穏やかな口調で言った。
この顔は‥見覚えがあるぞ? そうだ‥
‥コールさん!!
「コールさん! 」
また嬉しくってつい名前を言っちゃった!!
コールさんは‥流石年の功なのか、ちょっと驚きはしたけどすぐに穏やかな笑みを浮かべて、
「お名前を窺ってもよろしいですか? 」
ってあたしに聞いた。
‥恥ずかし。
「ホントにすみません。懐かしくて‥。ホントに皆さんお変わりなくて何よりです。私、ハヅキ・レオンバートルです。すぐそこのレオンバートル家の娘です。実は、3歳の頃こちらに一度うかがわせていただいたことがあって、その時私が将来治療師になってここで働きたいって言ったこと覚えておられ‥るわけがないですよね。いや、そうではなく‥
あの時の約束を果たしに参りました」
‥何言ってんだあたしは‥。
コールさん苦笑い。
「ええと‥
レオンバートル伯爵令嬢様のおっしゃりたいことは‥
私どもの名前を知っていたのは、10年(超)前に一度こちらに来ていただいたこどがあるからで、その時にお嬢様はこの教会で働きたいとおっしゃられ、学校を卒業された今ここに来てくださった‥と」
あたしは何も言えず‥コクリと頷く。
‥はああぁ! これじゃあたしアホの子みたいやん!!
もう‥消えたい。
「それで‥ええと、就職していただけると? もう少しお考えになられた方がよろしいですよ。お嬢様程の実力(と容姿)でしたらもっと大きな教会で働くことも出来ましょうに‥」
コールさんがあたしの卒業証明書を見た後、眉を寄せて困った顔であたしを見る。
卒業証明書は、所謂卒業証書とは違い、成績やあたしが3年間(他の)教会でボランティアの治療師として働き、ランクがD級初級治療師になったことも書かれている。
「3年間働かれた教会での就職は考えられていなかったんですか? 」
コールさんがじっとあたしの目を見る。
あたしはこくりと頷き、なるべく落ち着いた口調を心掛け、
「あそこは‥王都に近く‥貴族のちょっとした怪我や病気を治すことが殆どでした。
私は‥そうではなく、騎士様や労働者‥そういった国の為に働く方の怪我や病気を治したいんです。
それに、幼いころ見せて頂いた、貧民救済食堂。今まで働いていた二つの教会いずれにもない、素晴らしい制度がここにはある。
親のない子供、貧しかったり怪我の為働けない人たちの為に教会がご飯を用意し、皆が嬉しそうにそれを食べる。幼い頃見たその光景が、今もここにはあった。それは、さっきここに来る途中で見せていただきました。
私は‥
この教会で働きたいのです」
コールさんの目をまっすぐ見返しながら一生懸命言った。
コールさんは
「成程‥」
と呟いて、
「では、私共の方のお返事は、勿論喜んで、と。これからお願いします」
と穏やかな笑みを浮かべ言ってくれた。
あたしもパっと笑顔を浮かべる。
ダンさんとリュックさんもパっと笑顔を浮かべてくれた。
先輩! これからお願いします!
ハヅキ・レオンバートル15歳。就職先が決まりました!
これからはいっぱい患者さんを治療して、一日も早く上級治療師になりますよ!
待っててくださいね!
未来のイケメン旦那様!
治療師は夢のある仕事だ。
なんせ、実力さえあればランクが上がる。給料が上がる。そこは、上司の腹一つ‥贔屓や贈賄が通用しない世界なんだ。(素晴らしい!! )
まず治療師になったら全員治療師協会に所属する。教会全体でも所属するけど、個人的にも所属する。A教会のaみたいな感じだな。
それが何の意味があるというと‥
協会員(協会に所属している教会所属者)が昇級試験を受ける際、別の教会がその立会人として責任もって立ち会わなければいけないからだ。立ち会う教会はその都度協会がくじを引いて決めて、「持ち回り」とかじゃない。(立ち会う教会以外はそのことについて口外厳禁で、当日まで昇級試験を受ける個人や個人が所属する教会には知らされない。賄賂を渡されたら困るからね)
その理由が、同じ教会の身内しかいない状態で試験を受けてもホントに不正がなかったか証明できないからだっていうのは言うまでもないだろう。
そんな風に‥昇級試験には公平を期すために結構色んな決まりごとがあるんだ。
知る限りでは‥そうだな、
1.昇級試験のタイミングは個人の申請による。個人が「昇級試験受けたい! 」って言って協会に申請したら、協会は速やかに準備をしなければいけない。
2.協会員の準備とは① 日付の調節。② 場所の指定。③ 立ち会う教会をくじで決める。④ 当日見届ける協会の職員は当日まで誰にも知らさない。(喋ったら厳罰に処される)
3.昇級したら、教会員はその級に見合った「協会の仕事」をしなければいけない。(つまり「昇級試験してくれてありがとう」の意味の雑用)それは大概が協会の掃除とか書類の整理とかいった雑用なんだけど、上級試験に合格したら協会員を兼任しなければならない‥とかもある。
等々だ。(ここら辺は毎回協会から説明があるが、他にもあるかもしれない)
今のところ黒い噂も聞かないし、結構いい制度なんじゃないかなって思う。
試験の際に他の教会の人たちに会え手情報交換もできるし、お互い「いつか立ち合いでお世話になるからもしれないから‥」ってのがあるから紳士的に接するしね。贔屓とかイジワルとかする人たちはいないとは思うけど、それは‥やっぱり人間の心証として‥ね?
気まずくなることはしない方がいいってこった。
あたし自身が「はい! 昇進試験受けたいです☆ 」って言ったことはなかったのだが、(だって、あたしはまだボランティア要員で正式な所属が決まってないから)他の先輩の昇進試験の際に「ハヅキも受けとけ」って言われて受けさせてもらえ、今ではD級初級治療師だ!
(試験志望者以外が)かってに受けてもイイの? って思われるかもしれないが、わざわざ協会の人に時間を作ってもらって来てもらうんだから‥って同じ教会の人たちがほぼ全員受けるのは結構当たり前のことなんだって!
あとさ、「折角来てもらったんだから、一人でも昇級者出さねば!! 」「他の教会の奴らにいいとこ見せたい! 」とかいう感情も当たり前にあるらしい。治療師は教会関係者っていっても神職じゃないから、清廉潔白を尊ぶ‥って感じじゃないみたい。
あの時あの令嬢(※あたしのこと醜いとか言った令嬢)にぴしゃりと言ってくれた偉い人は神官だったらしい。神官は神職だ。そして、聖女もまた神職だ。
どうでもいいがそういう違いもある。
そんな風に3年間高等学校と教会のボランティアを両立させ、卒業の年を迎えた。
ワトソンとトーマスは一年前に卒業して、ワトソンは実家である伯爵家の後継者となるために父親である現伯爵の元で後継者修行をしているらしい。そんな将来有望でイケメンな彼は結婚市場でも再有望株‥らしい。だけど、ワトソンは(ご想像通り)「面倒くさい! 」って不機嫌な顔をしてるらしい。
いつかあの坊やが恋に堕ちる様な素敵なお相手が現れたらいいなって思う。
トーマスは、
「三男だから(※ 家を継ぐ長男でもスペア・補佐的な役割を担う次男でもなもない三男はどこかの家に婿養子に入るか騎士や文官となって家から出るのがこの国では一般的)」
って騎士団に入団した。
今はまだ騎士見習いらしいけど、直ぐに騎士になれるらしい。
何といっても高等学校の騎士科で学んだキャリア組だから。
「ワトソンと違って僕は全然モテないから結婚はもう諦めてる」
とか苦笑いしてる彼はワトソンと違って結婚願望があるようだ。
世の中上手いこといかない。
あたしは卒業後は教会で治療師として働く。ボランティア先も
「そのままここで就職したら? 」
って言ってくれているけど、幼い日に約束した教会に一度挨拶してから決めたいって言って保留にしてもらった。正直言うと三年間一緒に働いて来た彼らと働くの方がきっと楽だろう。人間関係的に全然問題はない。だけど、今まで貴族であるという素性や素顔を隠してきてたけど、就職となったらそこら辺全部正直に話さなければならないって思うと‥なんか気が重くは‥あってね? 。
きっとあの時の人たちはあたしを覚えていないんじゃないか?
そんなことを思いながら幼い日に一度護衛さんたちに連れて行ってもらっただけの教会に戻ってきた。
卒業証明書を手に「お話し聞かせてください」って教会に入っていくと、二人の青年と目が合った。
あ、この人たち知ってる。
「ダンさんとリュックさん‥」
つい呟いてしまうと、目の前の二人が目を見開いてあたしを見た。
‥すみません。怪しいですよね。
急に誰やコイツって感じですよね。
あたしはするりとローブを脱いで
「急に申し訳ございませんでした。実はわたくし、3歳の頃こちらに一度うかがわせていただいたことがあって、その時に案内していただいたのがダンさんとリュックさんでしたので‥つい懐かしくて名前を呼んでしまいました」
ダンさんとリュックさんの目は見開かれたままだ。
もう、ぽか~んって顔をしている。
「え?? 3歳?? 」
‥驚きますよね~流石に。「いつのことやねん」「覚えてへんがな」ってなりますよね??
あたしは小さく頷くと
「覚えておられなくても当たり前です。
私、ハヅキ・レオンバートルです。
すぐそこのレオンバートル家の娘です」
って言った。
更に貴族です発言。
驚いてる人に‥更なる新情報を追加するのは‥ちょっと違うか。
「え! ハイ‥は‥
ハイ‥」
いや、でも、まあ‥そろそろ落ち着いてくれよ。
さっきから話が進まないじゃないか! 。
矢継ぎ早の弾丸トークで驚いたかもしれんが、そこまで驚く??
もしかして‥
あたしの顔?
‥そこまで(驚くほど醜い)じゃないと思うんですけど??
え~あたしには分からんけどビミョーな違いがあって「あたしの顔はダメ」的な感じなん?? 勘弁してよ~。随分歩み寄ったつもり(他人の趣味を寛容に受け止めたつもり)なのに‥全然わからんくなったよ‥。
あたしが苦笑いしていると、教会の奥から(奥からって程奥でもないんだけど。‥そうだった、この教会の礼拝所は小さかったんだ)中年の上品な男性が出て来て
「ダン、リュック何をしているんですか。お客様に椅子をすすめもしないで。
治療師の就職希望の方ですか? 」
穏やかな口調で言った。
この顔は‥見覚えがあるぞ? そうだ‥
‥コールさん!!
「コールさん! 」
また嬉しくってつい名前を言っちゃった!!
コールさんは‥流石年の功なのか、ちょっと驚きはしたけどすぐに穏やかな笑みを浮かべて、
「お名前を窺ってもよろしいですか? 」
ってあたしに聞いた。
‥恥ずかし。
「ホントにすみません。懐かしくて‥。ホントに皆さんお変わりなくて何よりです。私、ハヅキ・レオンバートルです。すぐそこのレオンバートル家の娘です。実は、3歳の頃こちらに一度うかがわせていただいたことがあって、その時私が将来治療師になってここで働きたいって言ったこと覚えておられ‥るわけがないですよね。いや、そうではなく‥
あの時の約束を果たしに参りました」
‥何言ってんだあたしは‥。
コールさん苦笑い。
「ええと‥
レオンバートル伯爵令嬢様のおっしゃりたいことは‥
私どもの名前を知っていたのは、10年(超)前に一度こちらに来ていただいたこどがあるからで、その時にお嬢様はこの教会で働きたいとおっしゃられ、学校を卒業された今ここに来てくださった‥と」
あたしは何も言えず‥コクリと頷く。
‥はああぁ! これじゃあたしアホの子みたいやん!!
もう‥消えたい。
「それで‥ええと、就職していただけると? もう少しお考えになられた方がよろしいですよ。お嬢様程の実力(と容姿)でしたらもっと大きな教会で働くことも出来ましょうに‥」
コールさんがあたしの卒業証明書を見た後、眉を寄せて困った顔であたしを見る。
卒業証明書は、所謂卒業証書とは違い、成績やあたしが3年間(他の)教会でボランティアの治療師として働き、ランクがD級初級治療師になったことも書かれている。
「3年間働かれた教会での就職は考えられていなかったんですか? 」
コールさんがじっとあたしの目を見る。
あたしはこくりと頷き、なるべく落ち着いた口調を心掛け、
「あそこは‥王都に近く‥貴族のちょっとした怪我や病気を治すことが殆どでした。
私は‥そうではなく、騎士様や労働者‥そういった国の為に働く方の怪我や病気を治したいんです。
それに、幼いころ見せて頂いた、貧民救済食堂。今まで働いていた二つの教会いずれにもない、素晴らしい制度がここにはある。
親のない子供、貧しかったり怪我の為働けない人たちの為に教会がご飯を用意し、皆が嬉しそうにそれを食べる。幼い頃見たその光景が、今もここにはあった。それは、さっきここに来る途中で見せていただきました。
私は‥
この教会で働きたいのです」
コールさんの目をまっすぐ見返しながら一生懸命言った。
コールさんは
「成程‥」
と呟いて、
「では、私共の方のお返事は、勿論喜んで、と。これからお願いします」
と穏やかな笑みを浮かべ言ってくれた。
あたしもパっと笑顔を浮かべる。
ダンさんとリュックさんもパっと笑顔を浮かべてくれた。
先輩! これからお願いします!
ハヅキ・レオンバートル15歳。就職先が決まりました!
これからはいっぱい患者さんを治療して、一日も早く上級治療師になりますよ!
待っててくださいね!
未来のイケメン旦那様!
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