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今世は『私の理想』の容姿らしいけど‥到底認められないんです!
運命の人(side オズワルド)
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オズワルド・ナルリアスは俺の名前だ。
だけど、俺は成人して以来その名前を名乗ったことはない。
皆は俺のことをただのオズワルドと呼ぶ。
‥もっとも、親しみを込めて俺の名前を呼ぶ者はいない。
俺の様な‥醜い者に親しみの感情を抱く者なんていないのだ。
ナルリアス子爵家の三男として生まれた俺の顔が皆と違って醜いということを知ったのは、6歳になって学校に通うようになった時だった。
入学式で他の生徒を見た時俺は別に何も感じなかった。
俺より頭一つ分小さい華奢な子供たち。‥そんな印象。
誰もかれも似たり寄ったりだ。
一番上の兄さん・マルクスみたいに頭がいいわけでも、二番目の兄さん・シュナイエスみたいに魔法が上手いわけでも、俺みたいに剣術の修行をしている奴も居なさそうだ。
取るに足りない、つまらない只の子供。それだけ。
先生に授業であてられて、答えが分からないのかもじもじしたり、魔法が上手く使えなくて半べそかいたり‥皆てんで子供で、俺は一体何をしにここに来たのか? って思った。
マルクス兄さんだったら(そもそもわからないことなんてないだろうが)分からないことがないように、最初っから予習して授業に望むだろうし(俺もそれ位はする)、シュナイエス兄さんならそれこそ半べそかく前に練習するだろう。
人に無様な姿なんて見せられない。
物心つく前から、俺はそんな兄たちの後姿を見て来た。
二人とも「何でも出来る子供」ではない。
マルクス兄さんは頭脳派で運動は得意ではなかったし、シュナイエス兄さんに至っては特にこれといった特徴がない普通の子供だった。ただ「ただの子供」とシュナイエス兄さんで決定的に違ったのは、シュナイエス兄さんは冷静な自己分析能力とストイックって言っていい程努力が出来る子供だったってことだ。
多分、すごく負けず嫌いだったんだろう。シュナイエス兄さんに子供らしい甘えみたいなものはまるでなかった。
例え自分よりずっと大きな子供にだって負けたら真っ赤な顔して怒って必死に努力する。
誰も見ていない所で涙を我慢しながらずっと練習する。
努力もしない癖に「失敗した恥ずかしい‥」って半べそかいて友だちに慰められて終わりとか絶対有り得ない。
天才肌のマルクス兄さんだって、分からないことはある。そんな時兄さんは「悔しい」じゃなくて、「まだ知らないことがあった」って嬉しそうな顔をする。そして、嬉々とした顔で新しい知識を吸収していく。
いうならば、次元が違うんだ。二人と「ただの子供」は。
そんな二人を見て育った俺が「ただの子供」を馬鹿らしく、あまりにも幼く‥つまらないって思ってしまうのは当然の流れだと思う。
だから、俺はそんな子供たちに自分から関わることはしなかったが、彼らからしても俺は関わり合いになりたくなかったようだった。
気に入らないなら、徹底的に関わらず放っておいてくれたらいいのに‥ちょっと学校に慣れてきて「つるむ仲間」が出来た彼らは、集団で俺に悪口を言う様になった。
「そんな醜い顔、恥ずかしくないのかよ。ローブで隠せよ。皆に失礼だろ!? 」
って言われたり、女の子たちには身体が大きいことで怖がられた。
醜い?
今まで使用人や家族からそんなことを言われたことはなかった俺は困惑した。「この世界のこと」をまるで分ってなかったんだ。学校に行くまでの子供が「自分の周りの世界(家族や友達)が自分の世界の総て」って思うことは別に可笑しなことでもないだろう?
皆もそうで、俺もそうだったんだ。
自分の知ってる常識が総てで、それが唯一正しい。そう真剣に信じている。そんな子供たちが他の子供たちに会って、「俺はそう思う」「俺もそう思う」って共感する。それで、その常識は、「俺の常識」から「皆の常識」になる。
皆も言ってるよ。俺だけが言ってるわけじゃない。だから、君は‥醜いんだよ。
皆に言われて、流石に俺も「俺の認識が間違っているのか? 」って‥自信が揺らぎそうになった。今まで信じて来たこと、当たり前だと思って来たことが間違っていることのように思えて来る。
だけど、兄さんたちは呆れた顔して首を振って「自分より成績がよくって剣術も出来るオズ(家族は俺のことをこの愛称で呼ぶ)を妬んでるだけだ」って否定した。そして、「そんな馬鹿みたいなこと信じちゃいけないよ」って言ってくれた。
その話を聞いて、一番怒って泣いたのは母さんだった。母さんは俺のことを溺愛していたから。(俺だけじゃなく家族全員のことを愛していた)否、正確には父さんに似た俺のことを‥だ。(※ 兄さんたちの容姿は母さん似)
金持ちの貴族で、綺麗な顔と優しい性格の母は誰からも愛されていた。
特に両親(俺からすれば祖父母だな)からはそりゃあもう溺愛されていた。
「なぜ、アイツ(俺の父親)と結婚したんだ? 」
って尤もなことを言うのは家族じゃない他人で、俺の家族‥両親と祖父母であり、近しくない親戚は「俺の家族」には俺の感覚からすれば含まれない‥はそんなこと一度も口にしたことなかった。
「あんな‥凶悪な‥醜い容貌の男‥一目見ただけで気分が悪くなる」
他人は父さんのことを「口をそろえて」そう言った。
「天を貫く魔物の様な巨体(高身長)、岩のような身体(マッチョ)、目がぎょろりとした凶悪な醜い顔(ワイルドイケメン的な感じ)‥しかも言いたくはないが‥奴は獣人じゃないか。
ナガツキ。
君は望めば王族とも婚姻を結べたのに‥」
母の友人(自称)であるらしい男が言ってたのを聞いたことがある。アイツはきっと「君に相応しいのは俺だったはず」とか思ってるんだろう。「お嬢様に振られたのに未練がましい男。やあねえ」って我が家のメイドが言っていたから、そうなんだろう。きっとメイドの言っていることが正しくて、友人(自称)の言ったことはただの「負け惜しみ」‥。我が家の使用人は母が選んだ父のことを悪し様に言わない「常識的な」人たちばかりだったから間違いはないだろう。
優しい人たちに囲まれて俺は幸せだったんだ。
家を一歩出て‥学校に行くまでは。
そこで「この国の一般的な感覚を持った」者たちに会うまでは。
皆に貶されて怖がられて‥俺は‥ホントに母さんたちが正しいのか、彼ら‥その他大勢、多数の意見が正しいのかが分からなくなったんだ。
ふらりと学校から出て街を歩けば、周りの視線が俺に集まる。
皆顔をしかめて、直ぐに視線を逸らす。
「獣人? 怖いわ」
って平民の女性に言われ、貴族のご婦人は扇で顔を隠す。
子供は俺の顔を見て泣き出し、子供の親は子供をしっかり抱きかかえて俺を睨む。
ここでは俺は憎むべき醜い敵なんだ‥
そう「自覚させられて」俺は逃げるようにその場を離れた。
学校になんてもう行きたくなくなった。だけど、母さんに心配は掛けたくなかったし、何より「学校にすらいけなかった奴」って後々思われるのは嫌だった。
俺は馬車を降りると街で自分で買ったローブを被った。
そうして、皆の目に入らないように‥皆の目を見ないように‥隠れて暮らした。
初等科を卒業すると俺は父親と同じ騎士団に入るために騎士科に入学した。
父さんを受け入れてくれた騎士団なら自分だって受け入れてくれる‥それだけを信じて‥。
俺はひたすら騎士になる為に剣を振るったんだ。
それ以外、何も考えたくなかったから‥。
だけど、騎士見習いを経て騎士になった俺が配属されたのは、父さんの所属する騎士団ではなかった。
表向き、若くて力が強い俺は、他の獣人たちと共により危険な任務を任される国境騎士団に配属された。
そこでは、毎日国境を巡って小さないざこざが絶えなかった。そして、時には(我が国の隙を狙って)敵が大軍を率いて国境を責めて来た。
戦争だ。
そして、騎士団で一番経験が浅かった俺は‥大怪我を負ったのだった。
苦しくて、もう死ぬかって思っていた俺が目を覚まして見たのは
‥今まで見たこともない程美しい少女だった。
だけど、俺は成人して以来その名前を名乗ったことはない。
皆は俺のことをただのオズワルドと呼ぶ。
‥もっとも、親しみを込めて俺の名前を呼ぶ者はいない。
俺の様な‥醜い者に親しみの感情を抱く者なんていないのだ。
ナルリアス子爵家の三男として生まれた俺の顔が皆と違って醜いということを知ったのは、6歳になって学校に通うようになった時だった。
入学式で他の生徒を見た時俺は別に何も感じなかった。
俺より頭一つ分小さい華奢な子供たち。‥そんな印象。
誰もかれも似たり寄ったりだ。
一番上の兄さん・マルクスみたいに頭がいいわけでも、二番目の兄さん・シュナイエスみたいに魔法が上手いわけでも、俺みたいに剣術の修行をしている奴も居なさそうだ。
取るに足りない、つまらない只の子供。それだけ。
先生に授業であてられて、答えが分からないのかもじもじしたり、魔法が上手く使えなくて半べそかいたり‥皆てんで子供で、俺は一体何をしにここに来たのか? って思った。
マルクス兄さんだったら(そもそもわからないことなんてないだろうが)分からないことがないように、最初っから予習して授業に望むだろうし(俺もそれ位はする)、シュナイエス兄さんならそれこそ半べそかく前に練習するだろう。
人に無様な姿なんて見せられない。
物心つく前から、俺はそんな兄たちの後姿を見て来た。
二人とも「何でも出来る子供」ではない。
マルクス兄さんは頭脳派で運動は得意ではなかったし、シュナイエス兄さんに至っては特にこれといった特徴がない普通の子供だった。ただ「ただの子供」とシュナイエス兄さんで決定的に違ったのは、シュナイエス兄さんは冷静な自己分析能力とストイックって言っていい程努力が出来る子供だったってことだ。
多分、すごく負けず嫌いだったんだろう。シュナイエス兄さんに子供らしい甘えみたいなものはまるでなかった。
例え自分よりずっと大きな子供にだって負けたら真っ赤な顔して怒って必死に努力する。
誰も見ていない所で涙を我慢しながらずっと練習する。
努力もしない癖に「失敗した恥ずかしい‥」って半べそかいて友だちに慰められて終わりとか絶対有り得ない。
天才肌のマルクス兄さんだって、分からないことはある。そんな時兄さんは「悔しい」じゃなくて、「まだ知らないことがあった」って嬉しそうな顔をする。そして、嬉々とした顔で新しい知識を吸収していく。
いうならば、次元が違うんだ。二人と「ただの子供」は。
そんな二人を見て育った俺が「ただの子供」を馬鹿らしく、あまりにも幼く‥つまらないって思ってしまうのは当然の流れだと思う。
だから、俺はそんな子供たちに自分から関わることはしなかったが、彼らからしても俺は関わり合いになりたくなかったようだった。
気に入らないなら、徹底的に関わらず放っておいてくれたらいいのに‥ちょっと学校に慣れてきて「つるむ仲間」が出来た彼らは、集団で俺に悪口を言う様になった。
「そんな醜い顔、恥ずかしくないのかよ。ローブで隠せよ。皆に失礼だろ!? 」
って言われたり、女の子たちには身体が大きいことで怖がられた。
醜い?
今まで使用人や家族からそんなことを言われたことはなかった俺は困惑した。「この世界のこと」をまるで分ってなかったんだ。学校に行くまでの子供が「自分の周りの世界(家族や友達)が自分の世界の総て」って思うことは別に可笑しなことでもないだろう?
皆もそうで、俺もそうだったんだ。
自分の知ってる常識が総てで、それが唯一正しい。そう真剣に信じている。そんな子供たちが他の子供たちに会って、「俺はそう思う」「俺もそう思う」って共感する。それで、その常識は、「俺の常識」から「皆の常識」になる。
皆も言ってるよ。俺だけが言ってるわけじゃない。だから、君は‥醜いんだよ。
皆に言われて、流石に俺も「俺の認識が間違っているのか? 」って‥自信が揺らぎそうになった。今まで信じて来たこと、当たり前だと思って来たことが間違っていることのように思えて来る。
だけど、兄さんたちは呆れた顔して首を振って「自分より成績がよくって剣術も出来るオズ(家族は俺のことをこの愛称で呼ぶ)を妬んでるだけだ」って否定した。そして、「そんな馬鹿みたいなこと信じちゃいけないよ」って言ってくれた。
その話を聞いて、一番怒って泣いたのは母さんだった。母さんは俺のことを溺愛していたから。(俺だけじゃなく家族全員のことを愛していた)否、正確には父さんに似た俺のことを‥だ。(※ 兄さんたちの容姿は母さん似)
金持ちの貴族で、綺麗な顔と優しい性格の母は誰からも愛されていた。
特に両親(俺からすれば祖父母だな)からはそりゃあもう溺愛されていた。
「なぜ、アイツ(俺の父親)と結婚したんだ? 」
って尤もなことを言うのは家族じゃない他人で、俺の家族‥両親と祖父母であり、近しくない親戚は「俺の家族」には俺の感覚からすれば含まれない‥はそんなこと一度も口にしたことなかった。
「あんな‥凶悪な‥醜い容貌の男‥一目見ただけで気分が悪くなる」
他人は父さんのことを「口をそろえて」そう言った。
「天を貫く魔物の様な巨体(高身長)、岩のような身体(マッチョ)、目がぎょろりとした凶悪な醜い顔(ワイルドイケメン的な感じ)‥しかも言いたくはないが‥奴は獣人じゃないか。
ナガツキ。
君は望めば王族とも婚姻を結べたのに‥」
母の友人(自称)であるらしい男が言ってたのを聞いたことがある。アイツはきっと「君に相応しいのは俺だったはず」とか思ってるんだろう。「お嬢様に振られたのに未練がましい男。やあねえ」って我が家のメイドが言っていたから、そうなんだろう。きっとメイドの言っていることが正しくて、友人(自称)の言ったことはただの「負け惜しみ」‥。我が家の使用人は母が選んだ父のことを悪し様に言わない「常識的な」人たちばかりだったから間違いはないだろう。
優しい人たちに囲まれて俺は幸せだったんだ。
家を一歩出て‥学校に行くまでは。
そこで「この国の一般的な感覚を持った」者たちに会うまでは。
皆に貶されて怖がられて‥俺は‥ホントに母さんたちが正しいのか、彼ら‥その他大勢、多数の意見が正しいのかが分からなくなったんだ。
ふらりと学校から出て街を歩けば、周りの視線が俺に集まる。
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って平民の女性に言われ、貴族のご婦人は扇で顔を隠す。
子供は俺の顔を見て泣き出し、子供の親は子供をしっかり抱きかかえて俺を睨む。
ここでは俺は憎むべき醜い敵なんだ‥
そう「自覚させられて」俺は逃げるようにその場を離れた。
学校になんてもう行きたくなくなった。だけど、母さんに心配は掛けたくなかったし、何より「学校にすらいけなかった奴」って後々思われるのは嫌だった。
俺は馬車を降りると街で自分で買ったローブを被った。
そうして、皆の目に入らないように‥皆の目を見ないように‥隠れて暮らした。
初等科を卒業すると俺は父親と同じ騎士団に入るために騎士科に入学した。
父さんを受け入れてくれた騎士団なら自分だって受け入れてくれる‥それだけを信じて‥。
俺はひたすら騎士になる為に剣を振るったんだ。
それ以外、何も考えたくなかったから‥。
だけど、騎士見習いを経て騎士になった俺が配属されたのは、父さんの所属する騎士団ではなかった。
表向き、若くて力が強い俺は、他の獣人たちと共により危険な任務を任される国境騎士団に配属された。
そこでは、毎日国境を巡って小さないざこざが絶えなかった。そして、時には(我が国の隙を狙って)敵が大軍を率いて国境を責めて来た。
戦争だ。
そして、騎士団で一番経験が浅かった俺は‥大怪我を負ったのだった。
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