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86.最終話・罪と罰
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日記はそこで終わっていた。
最後までカインのことが綴られていた。カインの幸せな未来を望む震えた文字だけが、紙面を埋め尽くすように書かれていた。
「おばさまが最後に私をお呼びになられたのは――私のせいです」
ジルダは静かに言った。
アルティシアはカインに会いたかった。
触れる事は出来なくとも、どんな目で見つめられようとも、どれだけ憎まれようとも、最後にカインの姿を目に焼き付けたかった。
だが、それよりもしなければならいことがあった。
「最後の最後まで、あなたの呪いをこれ以上大きくしてはいけないと、あなたの事だけを考えておられました。そして、私にあなたを支えてくれと何度もおっしゃってました」
アルティシアは何の関係もないジルダに、カインの運命を背負わせたことを詫びていた。
だが、その上でカインを支えてほしいと幼いジルダに頼み込んだのだ。
ジルダはカインが泣いているのに気が付かない振りをした。
「あなたがおばさまの一件で私を嫌いになったのはわかっていました。でも、私があなたよりもおばさまとの時間を過ごしたのは本当の事だもの。恨まれても仕方がない――」
「僕は母上の葬儀で泣かなかった。悲しくなかったんだ」
カインは漸く口を開いた。
「父上が悲しみを堪えて僕を抱き締めたけど、僕は何の感情もわかなかった」
母を見殺しにしたも同然だと、カインは嗚咽を漏らした。
「母は僕ではなく、ロメオや君を愛していたと思っていた。だから君を憎んでいたんだ」
「違う――」
ジルダはカインの涙を優しく拭うと、少し悩んでから口を開いた。
「憎んでいいのです。憎まれて当然なのです」
そう口に出して初めて、ジルダの目から涙がこぼれた。
アルティシアに触れる事により、カインの命は新たな魔力となって蓄積されていった。
それはまさに呪いと言って相応しく、カインの心を支配する黒い魔力だった。黒い魔力はカインの感情に大きく反応し、その魔力を増幅させると心を蝕んだ。
エスクード侯爵家の侍医とジルダはその存在に気付いたが、既にカインの心は殆ど黒い魔力に食われかけていた。対処法はただ一つだけ、ジルダがその黒い魔力を吸収する事だけだった。
「黒い魔力……」
「ええ……それさえ取り除けば、カイン本来の魔力は安全だったから」
ジルダは涙を流しながら、ゆっくりと話す。
いつもの堅苦しさは消えて、子供の頃に戻ったようだった。
「もしかして君は、黒い魔力だけを吸収してたのか?」
厩舎の下男がジルダが魔力吸収は疲れると、こぼしていた事を思い出して、カインはジルダの顔を覗き込んだ。
ジルダは小さく頷くと、再び話し始めた。
「おばさまの最期の報せを受けた時、カインの黒い魔力は暴走こそしなかったけど、黒い魔力はあなたの心を完全に覆いつくしてしまった。取り乱していた私は、それに気がつけなかったの」
カインはアルティシアを部屋の隅で見つめていた。
なんの感情もない瞳で、事切れそうな母を見ていた。
アレッツォに促されて、ジルダと共に母の寝室から出たはずなのに、気がつくとジルダの姿はなかった。
「おじさまに呼ばれて」
「父上が――?」
ジルダが使用人に連れられて寝室に戻ると、細い息を繰り返すだけの妻の横で、エスクード侯爵が言った。
「アルティシアの魔力を全て吸収してくれないか」
ジルダは驚いて首を横に振った。そんな事をしたらおばさまは死んでしまう。幼いジルダにもわかり切った事だ。
目の前のアルティシアはもう意識を保つことすらできず、細い息をかろうじて繰り返すだけだった。
「アルティシアの望みだ――そして、その魔力をカインに」
涙を堪えながら、侯爵はジルダに膝をつき頭を下げた。
わずか7歳の少女には残酷な願いだということは理解していた。だが、なんの能力もない自分は、この少女に膝をつき、頭を下げることしかできないのだ。
カインの心が黒い魔力に覆われてしまった事に気付いたアルティシアは、最後に自分の魔力をカインに移して欲しいとオレリオに頼み込んだ。
母親としてカインを守りたいのだと言うアルティシアに、オレリオは強く拒否する事はできなかった。
1分でも長く生きて欲しい。しかし、最後の望みであれば聞いてやりたい。
だがそれは、自分の手で最愛の妻の命を終わらせることを指し、目の前の可哀想な少女にどれほど辛い思いを抱かせるのか。
とても重く辛すぎる決断だった。
「幼い君に背負わせてすまない。しかし、妻の命はもう潰える――だからせめて残った命をカインを救うために使わせてやってくれ」
ジルダは2人がすでに決めた事なのだと、理解した。
カインを守るために。
幼いジルダは、アルティシアを見つめた。
カインと同じ、青い瞳が懇願するように震えている。
ここで、自分が拒否したらこの優しい人たちは絶望し、カインも二度と笑顔を見せてはくれなくなるかもしれない。
ジルダは逡巡を振り払って、そっとアルティシアの手に触れた。涙で視界がぼやけたが、目は閉じなかった。
アルティシアの反対の手はオレリオが握った。
吸収を開始するとオレリオは涙を流しながらアルティシアに口付けをして言った。
「愛してる。君以外愛さないと誓う。だからどうか、また私と出会ってくれ」
ほんの少しだけ、アルティシアの頬に赤みがさしたと思ったが、すぐに青白い顔に戻っていた。
ジルダが魔力を吸収し終えても、オレリオはアルティシアの冷たくなった手を抱き締め、口付けをやめようとしなかった。
ジルダは、その全てを見届けた。
侯爵夫妻の愛の深さを。そして、自分が奪った命を。
「そんな――」
ジルダの告白を聞いて、カインは何と答えていいのかわからなかった。
「私は、おばさまの――カインのお母様の命を奪ったの。恨まれて当然――」
「そうではない!」
カインは声を荒げた。しかし、ジルダを抱いた腕は離すことはなかった。
この人は、こんなつらい過去を抱えさせられて、僕に冷たくされても、それでも嫌な顔一つせずに僕を助けてくれていたのだ。この10年もの間。
「その――母の魔力は……」
「カイン様にお渡しいたしました」
葬儀の後の魔力吸収で、ジルダはカインにそっとアルティシアの魔力を注ぎ込んだ。
アルティシアの魔力はカインの心に優しく広がり、心を埋め尽くしていた黒い魔力は勢いをなくして、カインの本来の美しい魔力が戻ってきた。
しかし、完全にとはいかなかった。
それでも、二つの魔力は均衡を保ちながら、ジルダの助力もあって暴走することなくやってこれたのだ。
「僕は――何度君に救われているんだ」
「お救いになったのはおばさまよ」
ジルダは、そう言うとカインの胸元の青い宝石に触れた。
「まさか――これは」
いつも温かさを感じさせてくれたこの宝石。
「おばさまの魔力の、最後のひとかけらです」
ジルダは、涙が流れるままに続けた。
「もし、あなたに何かあった時、もう一度おばさまがあなたたを守ってくれるように――ううん。私が離れたくなくて」
少しだけ、本当に感じられる少しの分だけを、ジルダは10年の間抱き続けていた。母の魔力を。
「お二人に頼まれたとはいえ、私がおばさまの命を奪ったのは事実です。その償いはこれから先も一生かけて行うつもりです」
「償いなど――それなら僕がしなければならない」
カインは両方の腕でジルダを抱き締めた。
口癖のように言っていた「私がいなければ生きていけないでしょう」という言葉は、決してカインを馬鹿にしたものではなく、母親の命を奪った自分に頼らねばならないカインを憐れんでいたものだったと、漸くカインは気付いた。
そして、ジルダに全てを背負わせていた自分を恥じ、ジルダの献身と深い愛情に心の底から感謝した。
「ジルダ――僕にこんな事を言う資格はないのかも知れない。しかし、これだけは伝えなければならないんだ」
そう言うとカインは、ジルダを抱いた腕を解き、床に跪くとジルダのスカートを手に取り、そこに口付けをした。
#### あとがき ####
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。
結末については納得いただけた方もいただけない方もいらっしゃると思います。
この作品のコンセプトから、この結末は最初から決まってたもので…
まだお付き合いいただける方は次回からの番外編もお付き合いいただけると嬉しいです。
また、別作品の「辺境伯夫人は領地を紡ぐ」は、テイストを変えて溺愛メインになっています。
よろしければご一読いただけますと幸いです。
最後までカインのことが綴られていた。カインの幸せな未来を望む震えた文字だけが、紙面を埋め尽くすように書かれていた。
「おばさまが最後に私をお呼びになられたのは――私のせいです」
ジルダは静かに言った。
アルティシアはカインに会いたかった。
触れる事は出来なくとも、どんな目で見つめられようとも、どれだけ憎まれようとも、最後にカインの姿を目に焼き付けたかった。
だが、それよりもしなければならいことがあった。
「最後の最後まで、あなたの呪いをこれ以上大きくしてはいけないと、あなたの事だけを考えておられました。そして、私にあなたを支えてくれと何度もおっしゃってました」
アルティシアは何の関係もないジルダに、カインの運命を背負わせたことを詫びていた。
だが、その上でカインを支えてほしいと幼いジルダに頼み込んだのだ。
ジルダはカインが泣いているのに気が付かない振りをした。
「あなたがおばさまの一件で私を嫌いになったのはわかっていました。でも、私があなたよりもおばさまとの時間を過ごしたのは本当の事だもの。恨まれても仕方がない――」
「僕は母上の葬儀で泣かなかった。悲しくなかったんだ」
カインは漸く口を開いた。
「父上が悲しみを堪えて僕を抱き締めたけど、僕は何の感情もわかなかった」
母を見殺しにしたも同然だと、カインは嗚咽を漏らした。
「母は僕ではなく、ロメオや君を愛していたと思っていた。だから君を憎んでいたんだ」
「違う――」
ジルダはカインの涙を優しく拭うと、少し悩んでから口を開いた。
「憎んでいいのです。憎まれて当然なのです」
そう口に出して初めて、ジルダの目から涙がこぼれた。
アルティシアに触れる事により、カインの命は新たな魔力となって蓄積されていった。
それはまさに呪いと言って相応しく、カインの心を支配する黒い魔力だった。黒い魔力はカインの感情に大きく反応し、その魔力を増幅させると心を蝕んだ。
エスクード侯爵家の侍医とジルダはその存在に気付いたが、既にカインの心は殆ど黒い魔力に食われかけていた。対処法はただ一つだけ、ジルダがその黒い魔力を吸収する事だけだった。
「黒い魔力……」
「ええ……それさえ取り除けば、カイン本来の魔力は安全だったから」
ジルダは涙を流しながら、ゆっくりと話す。
いつもの堅苦しさは消えて、子供の頃に戻ったようだった。
「もしかして君は、黒い魔力だけを吸収してたのか?」
厩舎の下男がジルダが魔力吸収は疲れると、こぼしていた事を思い出して、カインはジルダの顔を覗き込んだ。
ジルダは小さく頷くと、再び話し始めた。
「おばさまの最期の報せを受けた時、カインの黒い魔力は暴走こそしなかったけど、黒い魔力はあなたの心を完全に覆いつくしてしまった。取り乱していた私は、それに気がつけなかったの」
カインはアルティシアを部屋の隅で見つめていた。
なんの感情もない瞳で、事切れそうな母を見ていた。
アレッツォに促されて、ジルダと共に母の寝室から出たはずなのに、気がつくとジルダの姿はなかった。
「おじさまに呼ばれて」
「父上が――?」
ジルダが使用人に連れられて寝室に戻ると、細い息を繰り返すだけの妻の横で、エスクード侯爵が言った。
「アルティシアの魔力を全て吸収してくれないか」
ジルダは驚いて首を横に振った。そんな事をしたらおばさまは死んでしまう。幼いジルダにもわかり切った事だ。
目の前のアルティシアはもう意識を保つことすらできず、細い息をかろうじて繰り返すだけだった。
「アルティシアの望みだ――そして、その魔力をカインに」
涙を堪えながら、侯爵はジルダに膝をつき頭を下げた。
わずか7歳の少女には残酷な願いだということは理解していた。だが、なんの能力もない自分は、この少女に膝をつき、頭を下げることしかできないのだ。
カインの心が黒い魔力に覆われてしまった事に気付いたアルティシアは、最後に自分の魔力をカインに移して欲しいとオレリオに頼み込んだ。
母親としてカインを守りたいのだと言うアルティシアに、オレリオは強く拒否する事はできなかった。
1分でも長く生きて欲しい。しかし、最後の望みであれば聞いてやりたい。
だがそれは、自分の手で最愛の妻の命を終わらせることを指し、目の前の可哀想な少女にどれほど辛い思いを抱かせるのか。
とても重く辛すぎる決断だった。
「幼い君に背負わせてすまない。しかし、妻の命はもう潰える――だからせめて残った命をカインを救うために使わせてやってくれ」
ジルダは2人がすでに決めた事なのだと、理解した。
カインを守るために。
幼いジルダは、アルティシアを見つめた。
カインと同じ、青い瞳が懇願するように震えている。
ここで、自分が拒否したらこの優しい人たちは絶望し、カインも二度と笑顔を見せてはくれなくなるかもしれない。
ジルダは逡巡を振り払って、そっとアルティシアの手に触れた。涙で視界がぼやけたが、目は閉じなかった。
アルティシアの反対の手はオレリオが握った。
吸収を開始するとオレリオは涙を流しながらアルティシアに口付けをして言った。
「愛してる。君以外愛さないと誓う。だからどうか、また私と出会ってくれ」
ほんの少しだけ、アルティシアの頬に赤みがさしたと思ったが、すぐに青白い顔に戻っていた。
ジルダが魔力を吸収し終えても、オレリオはアルティシアの冷たくなった手を抱き締め、口付けをやめようとしなかった。
ジルダは、その全てを見届けた。
侯爵夫妻の愛の深さを。そして、自分が奪った命を。
「そんな――」
ジルダの告白を聞いて、カインは何と答えていいのかわからなかった。
「私は、おばさまの――カインのお母様の命を奪ったの。恨まれて当然――」
「そうではない!」
カインは声を荒げた。しかし、ジルダを抱いた腕は離すことはなかった。
この人は、こんなつらい過去を抱えさせられて、僕に冷たくされても、それでも嫌な顔一つせずに僕を助けてくれていたのだ。この10年もの間。
「その――母の魔力は……」
「カイン様にお渡しいたしました」
葬儀の後の魔力吸収で、ジルダはカインにそっとアルティシアの魔力を注ぎ込んだ。
アルティシアの魔力はカインの心に優しく広がり、心を埋め尽くしていた黒い魔力は勢いをなくして、カインの本来の美しい魔力が戻ってきた。
しかし、完全にとはいかなかった。
それでも、二つの魔力は均衡を保ちながら、ジルダの助力もあって暴走することなくやってこれたのだ。
「僕は――何度君に救われているんだ」
「お救いになったのはおばさまよ」
ジルダは、そう言うとカインの胸元の青い宝石に触れた。
「まさか――これは」
いつも温かさを感じさせてくれたこの宝石。
「おばさまの魔力の、最後のひとかけらです」
ジルダは、涙が流れるままに続けた。
「もし、あなたに何かあった時、もう一度おばさまがあなたたを守ってくれるように――ううん。私が離れたくなくて」
少しだけ、本当に感じられる少しの分だけを、ジルダは10年の間抱き続けていた。母の魔力を。
「お二人に頼まれたとはいえ、私がおばさまの命を奪ったのは事実です。その償いはこれから先も一生かけて行うつもりです」
「償いなど――それなら僕がしなければならない」
カインは両方の腕でジルダを抱き締めた。
口癖のように言っていた「私がいなければ生きていけないでしょう」という言葉は、決してカインを馬鹿にしたものではなく、母親の命を奪った自分に頼らねばならないカインを憐れんでいたものだったと、漸くカインは気付いた。
そして、ジルダに全てを背負わせていた自分を恥じ、ジルダの献身と深い愛情に心の底から感謝した。
「ジルダ――僕にこんな事を言う資格はないのかも知れない。しかし、これだけは伝えなければならないんだ」
そう言うとカインは、ジルダを抱いた腕を解き、床に跪くとジルダのスカートを手に取り、そこに口付けをした。
#### あとがき ####
ここまでお付き合いくださいましてありがとうございました。
結末については納得いただけた方もいただけない方もいらっしゃると思います。
この作品のコンセプトから、この結末は最初から決まってたもので…
まだお付き合いいただける方は次回からの番外編もお付き合いいただけると嬉しいです。
また、別作品の「辺境伯夫人は領地を紡ぐ」は、テイストを変えて溺愛メインになっています。
よろしければご一読いただけますと幸いです。
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