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第一章 帰還と波乱
第五話 陛下の苦難
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テロリスト達への拷問は、案外早く終了した。私はただ、神としてしばらく暮らしていたせいで、人間の耐久性を忘れてしまったかもしれないと少し実験をしていただけで、実際、まだ拷問を始めてすらいなかったのだが、私が実験をしている間にミーシャが全て聞き出してしまったらしい。
(うーん、もうちょっと実験したかったんだけど……)
ジーっとテロリスト達を見れば、彼らはビクゥッと肩を跳ね上げて、ガクガクと震え出す。
「ユ、ユミリア嬢、あ、いや、ユレイラ様? そ、その、もう、十分だぞ?」
ついでに、陛下もその場に居た……というか、謁見の間に到着して、テロリストを見せたところ、拷問の許可が下りたのでそのまま先に実験を終わらせてから拷問に移ろうとしていたのだが、なぜか、何もしていないのに顔面蒼白だ。
(何でだろう……?)
「……お姉様? 謁見の間で拷問をするものじゃあありません」
「え? まだ、実験しかしてないよ?」
「……実験も、ダメです。他の方が待つことになるでしょう?」
「何言ってるの? ここの時間を操作してることくらい、ミーシャなら分かるでしょう? 外では一秒も経ってないよ」
「……それでも、ダメです。貴族としての常識をどこに置いてきちゃったんですかっ」
「貴族……あっ、そういえば、そうだったね」
貴族としての振る舞いなど、遠い過去に置いてきてしまったものだから、神様感覚で振る舞ってしまっていたかもしれない。確かに、実験だろうが何だろうが、その場に合った行為というものはあるのだと思い出した私は、一生懸命過去の記憶をさらって、常識を確保しようとする。
「……まぁ、お姉様に常識がないことは知っていましたが」
「失礼な! 私にだって、常識はあるよ! 変態は滅すべし、とか! 穴に埋めて出てこないようにすべしとかっ!」
「…………」
「…………」
そんな私の言葉に、なぜかミーシャと陛下は顔を見合わせる。
(うん? 何だか、二人で通じ合ってるような気がするけど……気のせい?)
何一つ、おかしなことは言っていないはずだ。他にも、子供を拐う犯罪者は爆発させるべしとか、人の夫に色目を使うやつの目は抉るべしとか、色々と大切な常識は兼ね備えているはずだ。
「お姉様が、ちょっと離れた間に悪化しました……」
「ミーシャ嬢。余は、どうすれば良いと思う? アルトに王位を譲るべきか?」
「待ってくださいっ。まだ、アルトには荷が重すぎますっ! せめてっ、せめてっ、もうちょっと落ち着いてからっ!」
「はっはっはっ……隠居先はどこが良いか、調べねばな」
「陛下ぁぁあっ!!」
突如始まった茶番に、私は首をかしげる。
「もうっ、余の頭には、ストレスが重くのしかかりっ、どんどんその存在を薄くさせているのだ! これ以上は死滅してしまう!」
「大丈夫ですっ! それくらいなら、きっとお姉様が何とかしてくれますからっ! きっと、フッサフサになれますからっ!」
「フッサフサ……はっ、いや、騙されんぞ! 余はっ、余はっ、頭も胃も心配せずとも済む、穏やかな隠居生活を送るぅぅうっ!!」
見ない間に、陛下は随分と愉快な性格になった気がするなぁと思いながら、テロリストは用済みということで、さっさと地下牢に送り、ミーシャに声をかける。
「ミーシャ、あんまり失礼なことを言っちゃダメよ? では、陛下、御前、失礼します」
とりあえずは、ミーシャやアルト様と話をした後、この世界の様子を見て回るのも良いかなと考え、早く退出してしまうのだった。
(うーん、もうちょっと実験したかったんだけど……)
ジーっとテロリスト達を見れば、彼らはビクゥッと肩を跳ね上げて、ガクガクと震え出す。
「ユ、ユミリア嬢、あ、いや、ユレイラ様? そ、その、もう、十分だぞ?」
ついでに、陛下もその場に居た……というか、謁見の間に到着して、テロリストを見せたところ、拷問の許可が下りたのでそのまま先に実験を終わらせてから拷問に移ろうとしていたのだが、なぜか、何もしていないのに顔面蒼白だ。
(何でだろう……?)
「……お姉様? 謁見の間で拷問をするものじゃあありません」
「え? まだ、実験しかしてないよ?」
「……実験も、ダメです。他の方が待つことになるでしょう?」
「何言ってるの? ここの時間を操作してることくらい、ミーシャなら分かるでしょう? 外では一秒も経ってないよ」
「……それでも、ダメです。貴族としての常識をどこに置いてきちゃったんですかっ」
「貴族……あっ、そういえば、そうだったね」
貴族としての振る舞いなど、遠い過去に置いてきてしまったものだから、神様感覚で振る舞ってしまっていたかもしれない。確かに、実験だろうが何だろうが、その場に合った行為というものはあるのだと思い出した私は、一生懸命過去の記憶をさらって、常識を確保しようとする。
「……まぁ、お姉様に常識がないことは知っていましたが」
「失礼な! 私にだって、常識はあるよ! 変態は滅すべし、とか! 穴に埋めて出てこないようにすべしとかっ!」
「…………」
「…………」
そんな私の言葉に、なぜかミーシャと陛下は顔を見合わせる。
(うん? 何だか、二人で通じ合ってるような気がするけど……気のせい?)
何一つ、おかしなことは言っていないはずだ。他にも、子供を拐う犯罪者は爆発させるべしとか、人の夫に色目を使うやつの目は抉るべしとか、色々と大切な常識は兼ね備えているはずだ。
「お姉様が、ちょっと離れた間に悪化しました……」
「ミーシャ嬢。余は、どうすれば良いと思う? アルトに王位を譲るべきか?」
「待ってくださいっ。まだ、アルトには荷が重すぎますっ! せめてっ、せめてっ、もうちょっと落ち着いてからっ!」
「はっはっはっ……隠居先はどこが良いか、調べねばな」
「陛下ぁぁあっ!!」
突如始まった茶番に、私は首をかしげる。
「もうっ、余の頭には、ストレスが重くのしかかりっ、どんどんその存在を薄くさせているのだ! これ以上は死滅してしまう!」
「大丈夫ですっ! それくらいなら、きっとお姉様が何とかしてくれますからっ! きっと、フッサフサになれますからっ!」
「フッサフサ……はっ、いや、騙されんぞ! 余はっ、余はっ、頭も胃も心配せずとも済む、穏やかな隠居生活を送るぅぅうっ!!」
見ない間に、陛下は随分と愉快な性格になった気がするなぁと思いながら、テロリストは用済みということで、さっさと地下牢に送り、ミーシャに声をかける。
「ミーシャ、あんまり失礼なことを言っちゃダメよ? では、陛下、御前、失礼します」
とりあえずは、ミーシャやアルト様と話をした後、この世界の様子を見て回るのも良いかなと考え、早く退出してしまうのだった。
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