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第一章 帰還と波乱
第四十二話 行きたくない症候群(ミーシャ視点)
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陛下からの書状は、ひとまず鞄に詰め込んで、真っ先に行うのは千偽隊の召喚。彼らに頼むのは、陛下に頼んだ偽装工作の手伝いと、ティアルーン国への入国のための偽装。
もし、書状を見せることになった場合、入国日が明らかにおかしいとなれば、当然、疑いの目を向けられる。私は今すぐにでもティアルーン国に入国するつもりだが、普通は馬車で何日もかかる行程なのだ。つまり、私が入国した後、もし、書状を見せる事態が発生し、それが本来の行程で向かった際に問題なく到着しているであろう瞬間であれば、後に、私の姿をした千偽隊の一人が入国することで、その偽装は真価を発揮する。要するに、打てる手は全て打っておこうということだ。
「聖女であり、トラップマスター……。でも、まさか、自分でこの罠を使うことになるとは思わなかったです……」
小さな半透明の人型である千偽隊に持ってこさせたのは、直径5センチほどのバネ。少し太めの特殊な金属で作ったそのバネは、それを踏みつけた人物が、もっとも行きたくないと思う場所へ跳ばすなんていうトラップだ。それは、私がミーシャではなく、マリフィーであった頃に、ユレイラお姉様に作ってもらったもので、マリフィーの姉である二人の神がとっておいてくれたそれを、今、ため息混じりに見ることとなっている。
「……一番行きたくないのは、絶対に何かあるであろうティアルーン国。それは間違いないから、きっと、跳ばす場所もそこのはず」
これから、私は、この罠を故意に発動させ、ティアルーン国へと向かうつもりだった。もちろん、罠そのものは、残った千偽隊に回収させる予定である。
「行きたくないけど、行かなきゃいけない……あぁ、出国手続きも、千偽隊にやっておいてもらわなきゃですね」
一通りの指示を出して、迅速に行動しながらも、やはり、行きたくないという気持ちは変えられない。そして……全ての指示を数秒で行き渡らせた私は、人間に姿を認識されないように神力を自らへ纏わせ、バネを踏んで……次の瞬間には、ティアルーン国の首都、バルクシリアの一角に居た。
それとともに、目の前で崩れ落ちる、ティアルーン国最古の時計台が爆破される瞬間の目撃者にもなってしまう。
「……だから、来たくなかったんです」
時計台の爆破の瞬間、そこから感じ取れたのは、セイの魔力。何かあったに違いないのだが、あの、常識神なセイがどうにも荒れ狂っているとしか思えない魔力の暴走を起こしていると気づいて、遠い目をする。しかし、私はこの場に来てしまった。見て見ぬフリはできない。
キリキリと痛み出すお腹を押さえながら、ひとまず、冷静そうな鋼かアメリア辺りに会いに行こうと、一歩、足を踏み出した。
もし、書状を見せることになった場合、入国日が明らかにおかしいとなれば、当然、疑いの目を向けられる。私は今すぐにでもティアルーン国に入国するつもりだが、普通は馬車で何日もかかる行程なのだ。つまり、私が入国した後、もし、書状を見せる事態が発生し、それが本来の行程で向かった際に問題なく到着しているであろう瞬間であれば、後に、私の姿をした千偽隊の一人が入国することで、その偽装は真価を発揮する。要するに、打てる手は全て打っておこうということだ。
「聖女であり、トラップマスター……。でも、まさか、自分でこの罠を使うことになるとは思わなかったです……」
小さな半透明の人型である千偽隊に持ってこさせたのは、直径5センチほどのバネ。少し太めの特殊な金属で作ったそのバネは、それを踏みつけた人物が、もっとも行きたくないと思う場所へ跳ばすなんていうトラップだ。それは、私がミーシャではなく、マリフィーであった頃に、ユレイラお姉様に作ってもらったもので、マリフィーの姉である二人の神がとっておいてくれたそれを、今、ため息混じりに見ることとなっている。
「……一番行きたくないのは、絶対に何かあるであろうティアルーン国。それは間違いないから、きっと、跳ばす場所もそこのはず」
これから、私は、この罠を故意に発動させ、ティアルーン国へと向かうつもりだった。もちろん、罠そのものは、残った千偽隊に回収させる予定である。
「行きたくないけど、行かなきゃいけない……あぁ、出国手続きも、千偽隊にやっておいてもらわなきゃですね」
一通りの指示を出して、迅速に行動しながらも、やはり、行きたくないという気持ちは変えられない。そして……全ての指示を数秒で行き渡らせた私は、人間に姿を認識されないように神力を自らへ纏わせ、バネを踏んで……次の瞬間には、ティアルーン国の首都、バルクシリアの一角に居た。
それとともに、目の前で崩れ落ちる、ティアルーン国最古の時計台が爆破される瞬間の目撃者にもなってしまう。
「……だから、来たくなかったんです」
時計台の爆破の瞬間、そこから感じ取れたのは、セイの魔力。何かあったに違いないのだが、あの、常識神なセイがどうにも荒れ狂っているとしか思えない魔力の暴走を起こしていると気づいて、遠い目をする。しかし、私はこの場に来てしまった。見て見ぬフリはできない。
キリキリと痛み出すお腹を押さえながら、ひとまず、冷静そうな鋼かアメリア辺りに会いに行こうと、一歩、足を踏み出した。
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