悪役令嬢の神様ライフ

星宮歌

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第二章 異質な神界

第八十話 上位の神

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「……これ、ですね。『神なる花嫁は溺愛される』」

「こんなことがなければ、面白そうって言えたのに、残念ねぇ」

「ですが、確かにここにはフィオナちゃんが登場していますね」


 そう、それは、ゲーム機にカセットをセットすることでプレイできるタイプの乙女ゲームであり、今、この場に居るフィオナそっくりの存在が描かれているゲームでした。


「悪役令嬢、フィオナ、ねぇ?」


 エイリーンさんは、ゲームを手に取って眺めながら、眉間にシワを寄せます。


「全然、違う存在だよ。こんなの、フィーじゃない」


 そう言うのは、愛しいラルフ。私のことを分かってくれているそのセリフに、ついつい、頬を赤くしてしまいます。


「そもそも、これを作った世界が、この神界とは違う異世界の神界が管理する世界、というのも問題ですよね」


 ロードさんの言葉に、私は正気に戻ってうなずきます。


「はい、そちらの神界は、こちらの神界とは違い、神々の力が弱い場所だったはずです。異世界の神界に影響を及ぼすようなものを生み出す力なんてありません」


 神界のうちのいくつかは、実際に別の神界へ影響を及ぼすほどの力を有していたりします。ロードさん達の故郷とも言えるあの世界の神界もその一つです。ただ、そんな神界は稀です。全ての神界を知るわけではありませんが、神として、ある程度の神界の知識を得ている私やラルフであれば、その神界の力くらいは覚えています。


「そうなると……アレ、ね」

「……やはり、避けては通れませんか……」


 エイリーンさんもロードさんも、そして、私やラルフももちろん、その可能性が濃厚であると認識していました。


「上位世界なんて、関わりたくないのですけど、ね……」


 様々な神界に創世神を送り込み、管理する上位世界の神々。彼らにとって、これらの神界がどういう位置づけにあるのかは不明であり、一般の神々は、そもそも創世神より上の神が存在すると思ってもいません。存在することだけは確かで、それ以外は、ほとんど謎のベールに包まれた神。私達としても、そんな危険な可能性の高い神と対面するような事態は避けたいのですが、この神界の滅びの原因がそこにあるかもしれないと考えれば、悠長にしている暇はありません。


「まずは、ピンク頭を拷問して、情報を吐かせるのが一番ですね」

「協力する」

「え゛っ? いや、あの、フィオナちゃん?」

「拷問は……さすがに不味いのでは……?」


 エイリーンさんとロードさんは拷問に関して思うことがあるようですが、問題ありません。


「大丈夫ですよ? ただ、罪悪感が増えすぎて、自殺しかねないところに追いやってから、正直に話してもらえるように誘導するだけですから」

「僕は、ただ相手を素直にしてあげるだけだしね」


 お母様のように、様々な道具を生み出せるならば別ですが、私達にそんなものはありません。ですから、自らの力を最大限に発揮して、情報を聞き出すのみです。
 その後、私達は乙女ゲームの内容をそれぞれ確認してから解散しました。
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