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第一章
第十五話 楽しい晩餐会
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ちょうど夕食時に着いたこともあり、私達はすぐにお祖父様やお祖母様と一緒に食事をすることとなった。
「うふふ、今日は、久々に腕をふるったわ。お口に合えば良いのだけど」
そうして出された料理は、お母様が作る家庭料理とは違い、随分と豪華なものだった。
「……えび……」
「すごい、ですね」
大きな海老が皿の上に開かれた状態で刺し身になって載っている様子は圧巻だったし、野菜やお肉をクレープのような生地で包んであるものもとても綺麗だ。
お母様と一緒に、思わずそれらを凝視していると、お祖母様はニコリと微笑んでくれる。
「見た目だけじゃなくて、味も良いと思うのよ。だから、ぜひ、感想を聞かせてね?」
「マノンの料理は絶品だからなっ! どんどん食ってくれ!」
そうして始まった晩餐会。色々な料理に目移りしながら、少しずつ食べ進めていけば、お母様の慣れ親しんだ味とはまた違う美味しさに感動する。
そういえば、前世で外食なんて、したことなかった……。
家があって、そこでだけ食事をしていて。それでもとても寂しくて、段々と味も分からなくなっていた過去。
お祖父様とお祖母様の家で食事……。
過去にはあり得なかった幸せは、今の私では上手く受け止められている気がしない。
冷え切っていた心は、ゆっくり、ゆっくり温かさを取り戻しているような気はするけれど、この幸せの味は熱すぎて、とても怖い。
「リコちゃんのお口には合わなかったかしら……?」
と、そんな時、お祖母様の少し悲しそうな声が聞こえる。
顔を上げてみれば、お祖母様は少しだけ、困ったような表情を浮かべていて、私は慌てて首を横に振る。
「ちがい、ます……。ただ、めずらしく、て、びっくりで……おいしー、です」
実際その料理は美味しかった。見た目の鮮やかさも料理には大切なのだと、理解したつもりでも、これを見ればまだまだ理解できていなかったのだと気づく。
「マノン様、リコは、獣人にしては少食な方で、食べる速度もゆっくりなんです」
「あら、そうなの? それは、何かの病気とかではなく?」
「もちろん、診察もしていただきましたが、特に病などはなく、ただ、リコ自身の気質なのだろうと」
「っ、こんなに小さいのに、食べる量も少ないだと? ならば、ワシはいつ、リコに触れられるようになるんだぁっ!」
「ダン、うるさくってよ?」
お母様のフォローに、私は首をかしげながら、それでも美味しくて一生懸命食べる。
これ、なんだろう? スプーンで食べるの?
お祖母様が、『それはシーフードドリアよ』と教えてくれるが、『ドリア』そのものが何か分からない。
お母様に少しだけ取り分けてもらって食べてみると、上はシチューみたいで、底に美味しいご飯があって、思わず尻尾が揺れる。
「うふふ、良く分かったわ。リコちゃん、それが好きなら、また作ってあげますね」
「っ、は、い」
何を見て、この『シーフードドリア』が好きだと思われたのかは分からないが、好きな味なのは確かで、またこれが食べられるのだと思えば嬉しかった。
少しずつ、色々なものを食べて、もうそろそろお腹いっぱい、という頃になって、お祖母様はにこやかに提案した。
「リコちゃんは、そろそろデザートにしましょうか」
デザート、というのは、過去の私には馴染みのないもので、今の私はお母様が作ってくれる美味しいものという認識だ。
甘くて、美味しいデザート。お母様の言葉もあって、私はお腹に手を当てて、『もうちょっとなら入るよね?』と自分で自分に確認を取った。
「うふふ、今日は、久々に腕をふるったわ。お口に合えば良いのだけど」
そうして出された料理は、お母様が作る家庭料理とは違い、随分と豪華なものだった。
「……えび……」
「すごい、ですね」
大きな海老が皿の上に開かれた状態で刺し身になって載っている様子は圧巻だったし、野菜やお肉をクレープのような生地で包んであるものもとても綺麗だ。
お母様と一緒に、思わずそれらを凝視していると、お祖母様はニコリと微笑んでくれる。
「見た目だけじゃなくて、味も良いと思うのよ。だから、ぜひ、感想を聞かせてね?」
「マノンの料理は絶品だからなっ! どんどん食ってくれ!」
そうして始まった晩餐会。色々な料理に目移りしながら、少しずつ食べ進めていけば、お母様の慣れ親しんだ味とはまた違う美味しさに感動する。
そういえば、前世で外食なんて、したことなかった……。
家があって、そこでだけ食事をしていて。それでもとても寂しくて、段々と味も分からなくなっていた過去。
お祖父様とお祖母様の家で食事……。
過去にはあり得なかった幸せは、今の私では上手く受け止められている気がしない。
冷え切っていた心は、ゆっくり、ゆっくり温かさを取り戻しているような気はするけれど、この幸せの味は熱すぎて、とても怖い。
「リコちゃんのお口には合わなかったかしら……?」
と、そんな時、お祖母様の少し悲しそうな声が聞こえる。
顔を上げてみれば、お祖母様は少しだけ、困ったような表情を浮かべていて、私は慌てて首を横に振る。
「ちがい、ます……。ただ、めずらしく、て、びっくりで……おいしー、です」
実際その料理は美味しかった。見た目の鮮やかさも料理には大切なのだと、理解したつもりでも、これを見ればまだまだ理解できていなかったのだと気づく。
「マノン様、リコは、獣人にしては少食な方で、食べる速度もゆっくりなんです」
「あら、そうなの? それは、何かの病気とかではなく?」
「もちろん、診察もしていただきましたが、特に病などはなく、ただ、リコ自身の気質なのだろうと」
「っ、こんなに小さいのに、食べる量も少ないだと? ならば、ワシはいつ、リコに触れられるようになるんだぁっ!」
「ダン、うるさくってよ?」
お母様のフォローに、私は首をかしげながら、それでも美味しくて一生懸命食べる。
これ、なんだろう? スプーンで食べるの?
お祖母様が、『それはシーフードドリアよ』と教えてくれるが、『ドリア』そのものが何か分からない。
お母様に少しだけ取り分けてもらって食べてみると、上はシチューみたいで、底に美味しいご飯があって、思わず尻尾が揺れる。
「うふふ、良く分かったわ。リコちゃん、それが好きなら、また作ってあげますね」
「っ、は、い」
何を見て、この『シーフードドリア』が好きだと思われたのかは分からないが、好きな味なのは確かで、またこれが食べられるのだと思えば嬉しかった。
少しずつ、色々なものを食べて、もうそろそろお腹いっぱい、という頃になって、お祖母様はにこやかに提案した。
「リコちゃんは、そろそろデザートにしましょうか」
デザート、というのは、過去の私には馴染みのないもので、今の私はお母様が作ってくれる美味しいものという認識だ。
甘くて、美味しいデザート。お母様の言葉もあって、私はお腹に手を当てて、『もうちょっとなら入るよね?』と自分で自分に確認を取った。
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