私、異世界で獣人になりました!

星宮歌

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第二章

第四十一話 息ぴったり

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「「あのっ」」


 口を開いた直後、声が重なった。


「あっ、リコさんからどうぞ」

「い、いえ……セインさん、から……」


 覚悟を決めたところでこんな偶然。これまでずっと何も話していなかったはずなのに、タイミングが良いのか悪いのか、どうにも話し出しにくくなってしまった。


「……では、俺の方から。……リコさん、名誉挽回の機会をくださいっ!」

「……え?」


 セインさんの言葉の内容が、いまいち理解できない。


「今日は、お詫びのつもりで誘ったにもかかわらず、リコさんに嫌な思いをさせたり、体調に気づかずに倒れさせてしまったりと、不甲斐ないばかりで……ですから、ぜひとも次の機会をいただきたいのですっ」

「……っ……!?」


 ゆっくりと、セインさんの言葉に対する理解が追いつく。


 つまり、もう一度、セインさんに会える……?


 そう理解してしまえば、返事は一つしかない。


「よ、ろしく、お願い、します」


 嬉しい、嬉しい、嬉しい、と、心が歓喜を叫ぶ。
 また会える。次の約束をしてもらえた。その事実が、たまらなく嬉しかった。


「良かった。これで断られたら、どうやってお詫びをしたものかと頭を悩ませるところでした」


 もちろん、『お詫び』なのだということは理解している。それでも、セインさんに会えるということの方が大切だ。


 次回は、私も、色々調べるべき……?


 セインさんが楽しめるようなものをリサーチして、セインさんと一緒に回るのは楽しそうだ。そう考えたところで、セインさんは、私に話を振ってくる。


「そうだ。俺が話を遮ってしまいましたね。リコさんは、何を話そうとしていたのですか?」


 その問いに、私は一瞬、何のことか分からずに固まって……すぐに、しっかり悩んで結論を出していたことだと思い出す。


「…………」


 言うべきか、言わざるべきか。それを少しだけ悩んだ後、私はゆっくりと口を開く。


「……セインさんの、都合が良ければ、私、迷惑をかけた、お詫びを、と思って……」


 それは、私なりの精一杯の誘い文句。こう言えば、私がそれなりの罪悪感を抱いていると思って、セインさんも誘いに乗ってくれるのではないだろうか、という考えだった。


「なるほど、俺達は、お互い、同じことを考えていたんですね」


 そう言って微笑んだセインさんを見て、先程から私達、息ぴったりだなぁと思う。


「俺達、息ぴったりですね」


 ふいに、今考えているのと同じことを言われて、ドキリとする。


「ですが……そうですね。せっかくなら、二日に分けましょう。俺が目一杯お詫びをする日と、リコさんにお詫びをしてもらう日。俺も、あまりモビア王国の観光をすることはありませんでしたし、リコさんにお詫びをしてもらう日は、色々と観光に行きましょう」


 そして、セインさんからの思わぬ提案に、私は全力でうなずいた。
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