大事なことなので、もう一度言います。メインヒロインはあちらにいるのでこっちに来ないでください!!

もち

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その後、資料室や体育館、飼育小屋などを
回り、噴水のある庭園に来た。

「ここで一回休憩を取ります。終わり次第教室に戻り、今日は解散となります。」

「ねぇニコ~あそこのベンチ座らない?」
「いいよ~」


「よいしょ、いろんなところ回ったねー」
「図書室行きたい!」
「もうニコ、そればっかり」
「だって行きたいもん!」


「あっそうそう見てみて!」
「なにそれ~、落書き??」
「違うよ!図書室の地図だよ!図書室にいる時にササっと書いたんだよね~」
「ねぇニコ、この地図わかるの?」
「もちろん!もうばっちり……わかるよ。」
「…ニコ」
「だ、だいじょうぶ!どうにかなるから!!あっ!!」

どこからか風が吹いてきて地図が噴水の方に飛んでいってしまった。

「あー!私の地図待って~!」
「ちょっ!ニコ!まって!」

「うーんここら辺に落ちたと思ったんだけどな」
「ニコないよー」
「完璧な図書室の地図が…」
「大丈夫だよ、ニコが作った地図よりいい地図作ろう?」
「うん、、私の地図も良かったけどね」

「あら、そこの平民のお二人さん。なにしてらっしゃるの?」

うわ、さっき私たちの悪口を言ってた令嬢だ。
しかも——ロザリアが後ろにいる。

……いや、普通逆でしょ。

「さっき風で図書室の地図が飛ばされたみたいで探してたんだ!ね!ニコ?」
「う、うん、そうだね」

そんなに正直に言わなくていいよリリィ!!
どうせ探すの、手伝ってくれないんだから!

「あら?それでしたらそこに落ちてるじゃないですか?」
「えっ!ほんと?どこどこ」
「ほら、噴水の近くに——」

一歩、前に出た瞬間。
――背中に、強い力を感じた。

「え——?」

「ニコ!!!」

私は令嬢に押されて噴水に落ちてしまった。
すると、その令嬢がサッとロザリアの後ろに移動し、信じられないことを言った。

「さすがロザリア様!平民を噴水に落とすなんてやることが違いますわ!」

「え…?いや、わ、私は何もしてない…」
「もう!いいのですよ?そんな演技しなくても」

「は?」
こいつは何を言ってるだ?落としたのはお前だろ?しかも、明らかに戸惑ってるじゃんロザリア

「こんな平民と同じクラスだなんて、居心地が悪いですわ」

「……本当。少し魔力があるからって、勘違いなさっているのよ」

「ここは貴族のための学舎ですわ。平民が来る場所ではありません」

周囲から、ひそひそと同意する声が重なる。

こいつら、好き勝手言いやがって!
指先に、無意識に魔力が集まりかけていた。

「何をしているのです?」

その声にさっきまでの令嬢たちの口調が変わった。

「あら、レイヴィン様よ、今日も素敵ね」
「えぇ本当に美しいわ」

レイヴィン含めた攻略対象たちが来たからだ。
レイヴィンはその令嬢たちに見向きもせず真っ直ぐ私のところに来て、手を差し伸べてきた。

「大丈夫ですか?風邪をひきますよ?」

「えっ?あっ、すみません、ありがとうございます。」

とりあえず噴水から出してもらった。

「何があったんですか?」

「あの令嬢様に落とされました。」
正直に答えた

「本当なんですか?」
「いえ!そんなことはしておりませんわ。」

白々しい!なんてやつだ。悪役令嬢より悪役だ!!こっちには目撃者がいるんだぞ!

「スカーレットさん。」
「はい、なんですか?」

「何があったんですか?」
「そちらのご令嬢様に嘘をつかれ、挙げ句の果てにはニコを押し噴水に落としました。」

「だと、言っていますが?」

レイヴィンは令嬢たちを一瞥しただけで、
その場の空気が冷えた。

「だ、だって、ロザリア様が、落とせと、、命令してきて、、私は、強制的に従わされただけです!」

意味がわからず、思考が一瞬止まった。

「そうなんですか、ロザリアさん?」
「……私は、命令なんてしていません」

ロザリアは震えながらも、はっきりと言った。

「嘘をつかないで!!」
「嘘なんかついていません!」


「ひ、ひどいですわ……みんな揃って、私が悪いなんて」
周囲から、小さな同意の声が上がる。


「わ、私は命令なんて、してない、、」
「白々しいわよ!ロザリア様、私にばかり罪をなすりつけて!!」


胸の奥で、何かがぷつんと切れた。
「ふざけんなよ!ロザリア何も悪くないじゃん!白々しいのはどっちだよ!!!この性格ブス!!」


あっ、 やべ
ちょっと言いすぎたかもしれない。
「くっ、ふふふ」
おい誰だよ笑ったやつ今の空気で笑ったらダメだろ!


「な、な、なんですって!!平民の分際で!」

怒った令嬢は手に魔力を貯め始めた。
撃たれるかもと思った時だった

「やめなさい。」

スピカ先生の声が響いた。
静かで、けれど逆らえない重さを持った声だった。

「ここは歴史ある学舎です。そのようなことはやめてください。」
「でも、先生!この、平民が私を馬鹿にするような言葉を!!」
「あなたは、自分のしたことを全てカルミアさんに押し付けようとしていましたよね?身分を考えるのはあなたなのではないですか?」
「……」

なにも言い返せないんだ!ざまぁみろ
「ふぇっ、ふぇっくしゅ」

制服濡れてるの忘れてた。さむ!

「これを」
そういうと、レイヴィンが上着をかけてきた

「いえ!大丈夫です!レイヴィン様の上着が濡れてしまいますので!」
「君が風邪をひいてしまうだろう。」

「私は丈夫なので大丈、ぶわっくしょん」
「…やはり、君に貸すよ」
「いや!でも…!」


「セラフィムスさん」
「は、はい!なんでしょうか?」
「保健室に行き、制服を乾かしてから私のところに来るように」

まさか……目をつけられた?
いや、被害者だよね?私。たぶん。

「返事は?」
「はい!!」

ひぇ~…お説教かな?


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