大事なことなので、もう一度言います。メインヒロインはあちらにいるのでこっちに来ないでください!!

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「失礼しまーす。誰かいますか?あのー」

スピカ先生に言われて保健室に来たけど、誰かいるかな?

「はいはーい、ごめんね~ちょっと待ってて~」
「はーい!」

ふわふわした、どこか気の抜ける女性の声が返ってきた。

「ごめんね~薬の調合してて手が離せなかったの、ってあら、どうしたの?そんなに濡れて」

「えっと、色々あって噴水に落ちました。」
「あら~とりあえず洋服を全て脱いでね。着替えがないから布団かぶってて~」
「布団どこにあります?」
「そこのベッドのやつとっていいよ~」
「はーい」

ベッドの布団を頭から被った。
あったかいな~このまま寝てしまいたい。

「名前聞き忘れちゃった。クラスとお名前教えて?」
「1年Aクラスのニコ・セラフィムスです。」
「あ~魔力が高い平民の子か~」

ん?また平民の子って言われた。
ちゃんと名前あるのに。

「ごめんね、そんなにムスッとしないで、あのね、実は私も平民でこの学校に入学したから気になってたの」
「ヘぇ~私たち以外にも平民の人いたんだな」

「もちろん!あっ、自己紹介遅れたね。
保健医のローズ・ヴァルムハントだよ、よろしくね~」

「平民で、この学校に入ったって……」
少し迷ってから、私は聞いた。
「その時って、貴族からいじめられてたりしました?」

「あっ、もしかしてそれで制服濡れてたの?」
「まぁ、そんなところですね。」

「そういうのは気にしなくてもいいんだよ。
魔力が高い方が、結局強いんだから。
私、やられた分は魔力実習の時に倍にして返してた人だからさ~」
「確かに、その手があった」
「そうそう、魔力実習なら何をしてもいいからね~」

なるほど……魔力実習、覚えておこう。
「ありがとうございます、ローズ先生」



「そういえば制服ってどうやって乾かすんですか?」
「私の魔力を使うんだ~。私、火と風の魔力を使えるんだけどこれを上手く調整してあったかい風を起こして乾かすんだよ~」

「私にもできそうかも!」
「向上心があるのは素晴らしいことだけど、これ結構難しくて下手したら制服燃やすから自分でしたらダメだよ?」
「え~~」

「制服が燃えたりしたら自腹でまた買わなきゃいけなくなるよ~いいのかな~?」
「やめときます。」

この学園、貴族様ばかりだから物価が高いんだよな

「はい、乾いたよ~、そうそうこのもう一つの制服は誰の?一緒に乾かしたけど」
「あっ!借りたままだった!濡れてたので貸してくれたんです。やばい早く返しに行かないと」
「あら、そうなの?じゃあ早く着替えて行ってきな~」
「はい!ローズ先生ありがとうございます!またきますね!」
「いつでもおいで~」


やばいやばい忘れてた借りてから時間経ったけどまだ学校にいるかな?時間的にもう帰ってるくらいだけど!

確か幼馴染たちと帰ってるはずだけど……どこ?

校門近くでやっと探していた人たちを見つけた。

「いた、レイヴィン様!」

まだ距離があるのか気づいてもらえなかった

「あの!レイヴィン様!!」
「ん?あぁえっと確か、、」
「ニコです!ニコ・セラフィムスです!あの、先程は制服を貸していただきありがとうございました。これ、乾燥させた制服です!」

「わざわざありがとうございます !体調は大丈夫ですか?」
「大丈夫です!もうピンピンしてます!」
「そうですか、それはよかった。」
「はい!では、失礼します!」

このあとスピカ先生のところにも行かないといけないし……
あっ、ちょっと待って、エリクいたよね?

「エリク、様また明日ね!」

軽く手を振ると手を振りかえしてくれた。
危なかった、呼び捨てにするところだった。
また、リリィに怒られちゃう
あれ?リリィのところにも行かないと…
心配してたし怒られちゃう?
あ~急がないと~!!



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


走り去る背中を見ながら先程返された制服を見る。微かに暖かくいい匂いがした。
きっと早く届けないと行けないと思って急いでたのだろう。

なぜだかそれがすごく嬉しかった。噴水に落ちた彼女を見た瞬間、気づけば体が動いていた。
なぜだろう?
今は別に気にすることではないだろう

「あっ、そういえばエリー」
「どうしたの、レイ?」
「セラフィムスさんがエリクに手を振ってたけど何かあったの?」

「……特に何もないよ。僕の、友達」
「……え?友達??」
「うん。」

エリクは極度の人見知りだ。だから、あまり気を使わないように私たちとほぼ一緒にいたはずだが

いつのまに、ニコ・セラフィムスと仲良くなっていたのか

その場にいた全員が、思わず互いの顔を見合わせた。


彼女が返してくれた制服の温もりは、すでに消えているはずだった。

それでも、手のひらに残った感覚が離れなかった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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