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しおりを挟む「ねぇロザリア!このパンすごく美味しいよ!」
「本当?でもこのサラダも美味しいよ!」
「私もう一回行ってこようかな!」
「待って、リリィちゃん!私も行く!」
あー、行っちゃった。
……どれだけ食べる気なんだろう。
朝からあの量は無理でしょ。
私なんて、果物もう食べ終わったのに。
ゲームでは絶対に仲良くならなかった2人が仲良くなるのは嬉しいけどさ!
「「ただいまー」」
「おかえり、そんなに食べて太っても知らないよ!」
「大丈夫だよ!その分、身体を動かすからさー」
「朝からしっかり食べることは大事だよ!ニコちゃん」
「まったくもう!」
これで最後だよね?本当によく食べるな。
「私も果物取ってくるね、、なんか、お腹空いてきたし」
「しっかり食べないからだよニコ!」
「食べ過ぎも良くないよリリィ!」
もう、リリィは!それについていけるロザリアにも驚くけど。
「あっ、オレンジある、いちごもある」
美味しそう、食べよ
果物に夢中になっていると食堂の入り口のところに令嬢たちが集まっていた。
何やってんだろ?こっからじゃ見えないな
まぁいいや、興味ないし
「もうすぐ、来られるみたいよ」
その一言で、空気が変わった。
ざわめきが、期待を帯びる。
視線が、一斉に入り口へ向く。
「えぇ!楽しみね」
「朝からも、きっとお綺麗よ、レイヴィン様たちは」
え、レイヴィンたち?なんでここに……
確か、レイヴィンたちは寮には入ってないはずじゃ!
まぁ、私たちの方には来ないでしょ、食堂イベントなかったからね
「ただいまー」
「おかえりー」
「おかえりなさい」
「いっぱい果物あったから取ってきちゃった」
「いいな~ニコ一個ちょうだい!」
「えー、しょうがないな~ほら、いちごあげる」
「やったーニコありがとう!」
「ほら、これロザリアにもあげる」
「えっいいの?ありがとう!」
「美味しい~果物取ってこようかな?」
「太るよ?リリィ」
「やめて、ガチトーンで言わないでよ、ニコ!」
「ふふっ、、あれ?なんか入り口の方騒がしいような」
「あー、なんかレイヴィン様たちが来るらしいよ」
「そうなんだ、さすがの人気だね」
「確かに」
もうきたのかな?と、できる限り体を伸ばして入り口の方を見る。
そこには令嬢に囲まれているレイヴィンたちがいた。
さすが王子!!
あれ?今一瞬、目があったかな?場所が結構離れてるし、気のせいか、まぁ見ても私じゃなくてリリィだから関係ないね
でも待ってこういう時って大体の乙女ゲームではこっちに来るよね、いや、まさかね
もしかしたら、があるから早く食べてもらおう
「ほら、リリィもロザリアも早く食べて」
するとさっきまで聞こえていた令嬢たちの声がどんどん大きく近くに聞こえてくる。
「ま、まさか、、」
嘘だと思い通路側を見てみるとレイヴィンたちが料理の乗ったお盆を持って私たちの席の前にいた。
「おはようございます、ロザリア嬢、リリィさん、ニコ」
……ニコ?
今、呼び捨てだったよね?
いやいやいや。
私だけ距離おかしくない?
結構初めましてだよ!
噴水に落ちた時助けてもらったし制服貸してもらったけど!
「リリィさん、ここの席埋まってないなら一緒にご飯を食べてもいいかな?」
「え?別に構いませんが」
「それでは、お言葉に甘えて」
いやいや!ダメでしょ!レイヴィンはそれで良くてもヴァンとかテオドールはそれでいいの!
目でどうか別のところに行ってくれと、ヴァンに合図したつもりだったが
「別にいいんじゃない?俺もリリィと話してみたいからねー!」
くそ!ヴァンに助けを求めたのが間違いだった!
しかも、ヴァンルートはまだでしょ!早いよ!
頼む!テオドール!嫌だと言って!
「?別にいいんじゃないか?」
願いは届かなかった。
まぁレイヴィンはリリィたちの方に座るだろうからいいかな?
そう思った次の瞬間、レイヴィンは当然のように私の隣の席を引いた。
いや、なんでレイヴィン、私の隣なんだよ!
普通リリィたちの方でしょ!
「リリィさん、朝からたくさん食べますね?」
「え?そうですか?」
「えぇ」
「朝からたくさん食べないと元気が出ないんですよ~」
「そういうことですか、確かにここの、ご飯は美味しいですからね」
「はい!」
なんだ、リリィと話したかっただけか。隣にいたら話しながら食べられないもんね。
リリィたちまだ、食べ終わらないのかな?
令嬢様たちの視線がずっとチクチクと刺さっている。
透明な氷を背中に押し当てられたみたいな冷たさ。
果物と一緒に持ってきてたジュースをちびちび飲みながら、ロザリアとリリィが食べ終わるのを待つ
すると、リリィと話していたレイヴィンがこっちを見てきた
「ねぇニコ」
「なんですか?」
「ニコはそれだけでご飯足りるの?」
「はい、そんなに朝から食べられないんですよ」
「見た目によらないね」
「……どういう意味ですか?」
「いや、もっと食べるタイプかと思ってた」
「太ってると言いたいんですかね?」
「いや、そういうわけじゃなくて、、」
「じゃあなんですか?」
「いつも元気だからたくさんご飯食べてるのかなって思っただけだよ」
「そんなわけないじゃないですか」
「そういえば、レイヴィン様たちはお家から通わないんですか?」
「うん、学園に入る前は家から通うと思ってたんだけど、自立するためにも寮生活がいいかなって思ったんだ」
なるほど、確かに全部を人にしてもらうのは良くないだろう
「あともう一つ、寮生活の方が都合がいいこともあったからね」
「都合のいいことって?」
背の高いレイヴィンを見上げ、何気なく視線を合わせた。
すると彼は、少しだけ目を細めて、やわらかく微笑んだ。
「う~んそうだな、気になってる人に会える、とかかな?」
……え?
それって、もしかして――リリィ!!
なるほど、もうこの辺りから気になってたんだ。
リリィの可愛さ恐ろしや!
「きっと大丈夫ですよ!レイヴィン様なら絶対うまくいきます!」
「……え?」
一瞬、レイヴィンの表情が固まった気がした。
えへへ~
リリィがレイヴィンと一緒になるのか~
ちゃんと影でこっそり見ておかないと!
いやでもリリィが別の人がいいっていうなら止めないよ!!
この時。
レイヴィンが、わずかに苦笑していたことにも、
小さくため息をついたことにも――
私は、まったく気づいていなかった。
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