大事なことなので、もう一度言います。メインヒロインはあちらにいるのでこっちに来ないでください!!

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昼休みになり、マティアスと図書室へ向かった。

大丈夫。図書室までの地図も持ったし、迷うはずない。

「おい、行くぞ」

「は、はい!今行きます!」

昼休みだというのに、図書室へ続く廊下は妙に静かだった。
私とマティアスの足音だけが、やけに大きく響く。

……気まずい。

何か話した方がいい?でも何を?天気?いや廊下だし。

「おい」

「は、はい!」

「そっちじゃない」

「あれ?す、すみません!」

考えごとをしているうちに、曲がる場所を通り過ぎていたらしい。
前を歩くマティアスの背中が、わずかに止まる。

「地図、持っているんじゃなかったのか」

「も、持ってます!」

「なら、見る余裕くらいはあるだろ」

うっ……正論。

結局、私は彼の後ろを大人しくついていくことになった。
体感ではとても長い道のりだったけれど、実際はすぐに図書室へ着いた。

重厚な扉を開けると、静かな空気と紙の匂いが広がる。

「1年Aのセラフィムスさんと、マティアス様ですね?」

「はい!」

図書委員の先輩らしい人が、にこやかに説明を始めた。

本の整理、破損の確認、貸し出しカウンター。
そして――

「できるだけ二人一組で行動してください。盗難防止のためです」

二人一組。

思わず横を見る。

……いない。

「あれ?マティアス様は?」

「あちらですよ」

視線の先には、窓際の椅子に腰かけ、すでに本を開いている姿があった。
背筋を伸ばし、まるでここが自分の場所であるかのように落ち着いている。

……説明、聞いてた?

一通り話が終わり、私は彼のもとへ歩み寄った。

「あ、あの……説明、聞いてました?」

「あぁ」

視線は本から外れない。

「じゃあ、なぜ二人一組で活動するんでしょうか?」

ぴくり、とページをめくる指が止まる。

「盗難防止だ」

即答。

「せ、正解です……本当に聞いてたんですね」

「聞いていないと思ったのか?」

ようやく視線が上がる。
静かな瞳に見下ろされ、思わず背筋が伸びた。

「別に、ぼーっとしているわけじゃない」

本を閉じ、静かに立ち上がる。

「これで今日は終わりなんだろ。俺は残る。お前は好きにしろ」

「わかりました。私も図書室に残ります。本を読みたいので」

そう言い残してマティアスの席を離れた。

日当たりのいい席に座り、棚一面に並ぶ背表紙を眺める。
思わず息が漏れた。

……天国。

気になる本を見つけ、そっと手に取る。
ページをめくるたび、静かな時間が流れていく。

さっきまでの気まずさが嘘みたいだ。

どれくらい時間が経っただろう。

「帰るぞ」

低い声に、はっと顔を上げる。

いつの間にかマティアスが、こちらを来ていた。

「え、もうそんな時間?」

「お前は本に集中しすぎだ」

呆れたように言いながらも、扉の前で足を止めている。

……先に帰らないんだ。

なんだかんだで、待っていてくれたのかな。

そう思った瞬間、自然と口元が緩んだ








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