天才小児外科医から溺愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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21週の胎児だと生きて出てくる事があり、臍帯を縛り命の綱を断たないといけない。

辛くてならない。

初期研修ではその現場に立ち合う事はなかったけれど産婦人科専門医取得するためには手を下さないといけなくて、地獄のような研修期間を経験しないといけなくなった。

子宮筋腫などの婦人科疾患の症例があまり経験できないことを理由に、2年目からは安達病院と京都府立病院の産婦人科に研修に出る事ができ、ほっとする。

先天性疾患を持って産まれてきた子供の生きにくさはわかる。
だけど、いつも笑顔で一生懸命に生きていたから、その命を産まれる前に殺す夫婦に苛立ちを感じた。

「先天性疾患あると堕胎しなくても死産する確率は高い。子殺しって思う気持ちわかるけど、仕方がないって受け入れるしかないよ」

安達病院に半年間研修でお世話になる事になり、涼真先生に愚痴る。

「高齢出産で卵子と精子の質が下がるから頻度は上がるし、授かりにくいだけでなく染色体異常で死産が中絶、仕方がない」

安達病院でもお産を扱っている。
ただNICUがないから妊娠11週でダウン症の兆候が見られたらすぐに総合病院に紹介状書いて転院させてる。

京都府立病院でのバイトは小児救命救急だけでなく、産婦人科の夜間当直をし、元気な赤ちゃんの誕生に立ち合い、感動する。

大阪母子医療センターだと1000g満たない超未熟児が多いから、3000g以上ある赤ちゃんが普通分娩で産まれてくると、戸惑ってしまう。


「胃と食道が繋がってないです。おしりの穴もありません!!」

京都府立病院の産婦人科もリスクある患者さんの受け入れをしている。
18トリソミーの疑いがある子を妊娠しているお母さんが35週と3日目に胎動がないと夜間時間に病院に駆け込んできた。
心拍が落ちていて新生児科と小児外科医の先生立ち合いの元、緊急帝王切開をし赤ちゃんを取り上げ、小さい耳に曲がった手を見て慌てふためく。
体重は2140gと未熟児ではあるけど小さすぎるわけではない。

エコー検査で見てわかる障害があり羊水検査を薦めるも、検査が高額で払っても生きて育つ確証がないからとご主人が反対して受けなかった。

「すぐ手術します!!」

小児外科医の笹木先生は新生児の緊急手術にかなり緊張してる。
京都府立病院は母子医療センターほど件数はないから執刀経験はないと思われる。

「縫合と後産の処理、お願いしてもいいですか?食道閉鎖症と鎖肛、心臓手術、笹木先生1人では執刀は難しいと思うので私が助手に入ります」

産婦人科の当直医はお産の時間が重なってもいいよう3人いる。
後を任せてハイブリッド手術室へ行き、赤ちゃんの手術をする。

カテーテルで心室中隔欠損を塞ぎ、体にメスを入れ、消化器の修復をする。
母親のカルテを見ると羊水過多があることや胎児の胃が見えないことなどが記されていた。




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