執着彼氏と別れるのはいつ?

鳴宮鶉子

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すれ違い生活は避けられない 1

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平日は夜中の3時に帰ってくる結翔くん。
そして、シャワーを浴びてから寝室に入ってきて、私を抱きしめて秒で寝息を立てる。

修士課程の2年目の時よりも大変そう。
深夜に帰ってくるのは同じだけど、疲れ度合いが酷い。

「萌花、おはよう。充電させて」

私の頭のてっぺんに鼻を押しつけ、クンクンと匂いを嗅いでくる。

「いいにおいがする」

毎日のルーティーンになってる。
疲れから目が覚めても中々動き出せない結翔くん。
毎朝ぎりぎりに起きでしばらく動けないでいるから、8時半に部屋をでるから朝ご飯を食べる時間はない。

「はい。おにぎらずと水筒!!」

だから、毎日、朝ご飯と間食用に3合の炊き立てご飯で具がたっぷり入ったおにぎらずを5個作って結翔くんに渡す。

結翔くんは近くの月極駐車場を借りて毎日車通勤している
車の運転が心配でならない。

在宅勤務日を作ろうとはしていても、幹部役員だと難しいみたいで、平日は毎日出勤してた。
休日は出勤せず、電話対応と急ぎの仕事だけやってた。

「結翔くん、寝てなよ」

「萌花が起きるなら俺も起きる」

「平日、あまり寝れてないから寝てた方がいいよ」

「萌花も一緒に寝るなら寝る」

週末は昼過ぎまで寝て、起きてから遅いランチを食べに行き、夜はウチご飯を作って食べる。

結翔くんと同棲を始めて1ヶ月半が経った。
毎年年末年始休暇は京都の実家に帰省していたけど、今年はコロンウイルスが再流行してるから取り辞めた。
結翔くんも元日の昼間だけ実家に挨拶に帰っただけで、後は私のマンションで過ごした。

「萌花、どこか行く?」

「不要不出な外出は控えた方がいいよ」

「スーパーに買い出しに行こうか?」

「コロンウイルスが怖いからネットスーパー利用する。楽々市場で色々取り寄せたし、冷蔵庫も冷凍庫もパンパンだよ」

特にやる事がない年末年始。

「萌花、初詣で行こうか」

「人が多そうだから行かない」

引きこもり生活をしていたけど、結翔くんが側にいてくれたから楽しかった。

結翔くんは私との約束を守り、抱きしめたり頭を撫でたりはしてきたけど、それ以外の事はしてこなかった。

危なくなったらトイレに立ち、しばらくこもり、スッキリした顔で戻ってくる。
結翔くんと一緒に暮らしはしても、身体を許す事には抵抗があった。


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