6 / 6
あげまん女、嫁になる
しおりを挟む
「相馬さん、行動が早いですね」
「まどかに俺を諦めさせるためにも早い方がいいんだろ?」
日曜日の夜、馬場さんと遠坂さんを誘って4人で高級焼肉の名店に入った。
昼過ぎに起きて、また2時間ほど身体を貪られ、わたしとここで住みたいと言い出した相馬さんに、わたしの家にある衣類や靴、化粧品などを箱に詰めて持ち運ばれた。
冷蔵庫の中身も空にし、家具や家電、食器類は全て処分で強制的に引っ越しさせられた。
ついでに籍を入れようとして、証人欄に名前を書いて貰うために馬場さんと遠坂さんを呼び出した。
月島にあるわたしの実家に結婚の承諾を取りに行き、サイバーラボの社長との結婚だから熨斗をつけてくれてやる的な感じで両親が小躍り踊って結婚に承諾したから、わたしは明日、相馬希美になる事になった。
*****
「相馬さんの両親には挨拶に伺わないでよいのですか!」
相馬さんのご両親に結婚の許可を得てない事を思い出し、不安になる。
まどかの従兄弟なら相馬さんの実家の家柄もいいはず。
わたしは相応しくなくて、結婚を反対されるのではと頭によぎった。
そんなわたしの頭にぽんと手を置き、相馬さんはわたしに笑いかけた。
「まどか以外なら誰でもいいって言われてるし、問題ない。
しばらくの間は俺と希美ちゃんが結婚した事はまどかにはふせとこうと思って。
子供ができてから報告したら、あいつも諦めて、やけ起こして馬場と結婚するだろう!!
あっ、夫婦になるんだから、今からは総司って呼んで」
焼肉を食べて帰ってから一緒にお風呂に入り、お風呂で1階とベッドで2回、繋がってわたしの恥部内に精を放出して満足そうな総司さんが、今日は日付が変わる前に寝るらしく、ベッドの中でわたしを抱きしめて目を閉じた。
子作りは承諾してない。
ただ、サイバーラボも広告代理店のような仕事を請け負ってるのもあり、電通信を退職して総司さんの仕事を手伝う事にした。
子育てをしながらできる仕事をする。
夫婦としても仕事のパートナーとしても総司さんとわたしの相性はとても良いと感じた。
身体の相性がいいと他の相性もいいのかもしれない。
一緒にいて楽で楽しいから、性格の相性もとてもいい。
「まどかとはあれから会ってないの!?」
「……さすがにわたしのあげまん体質を他人に話してバカにされてたのを知るとLINEメッセージ来てもスタンプでゴメンでスルーしてる」
3ヶ月に1度ぐらいしか会わない麻子と籍をいれた次の週の土曜日にランチした。
総司さんはサイバーラボの社長なだけあり多忙で、でもノートパソコンとiPadがあればどこでも仕事ができる人。
基本的に食事とエッチなことをしてる時以外はずっと仕事をしてる。
今週末は溜まった仕事を片付けないといけないようで麻子とのランチに行かせてくれた。
「LINEブロックすればいいのに……」
「総司さんとまどかは従兄弟だからそれはできないんだよね……」
年始の挨拶で母方の実家が集まる場でわたしを嫁だと紹介する計画を立ててる総司さん。
3ヶ月後までにわたしを妊娠させる予定らしい……。
10年近く、仕事が多忙で女性を抱いてなかった反動か、発情期の野生動物並に盛ってる。
その対象がわたしだけだから、わたしの体力がついていけなかったりする。
「……サイバーラボ、新しいサイトを立ち上げたりと希美のあげまん効果でますます会社が大きくなってるね。
Yahaa!追い越す勢い!?そろそろ球団の買収に名乗り出る?」
「……総司さんの仕事に関してはわたしは何も知らない」
麻子はYahaaのトピ記事を書くのが仕事で、特ダネを掴むためか聞かれたくない事も踏み入って聞いてくる。
総司さんが球団を買収しようとしてるのは確かで、でもまだそれは願望だけで何も行動に移してない。
球団を買収してるIT企業は多いから話のネタで言っただけと思い、ウェートレスさんが運んでくれた好物の蟹のトマトクリームパスタを食べようとし、もわっとした匂いにいきなり気持ち悪くなってトイレに駆け込んだ。
麻子がわたしについてきてくれて吐くわたしの背中をさすってくれた。
「悪阻だね……。イタリアンのきつい匂いと脂っこい食事は無理だよね。近くのうどん屋さんに行こうか!!」
トイレから出て、わたしを匂いがきつい店内から出し、麻子が荷物を取ってきてくれて支払いをしてくれて、近くのうどん屋さんに手を引いて連れて行ってくれた。
手付かずで支払いをして出たからお店に悪い事をしたなと思いつつ、大好きなイタリアンが受け付けらなくなる悪阻にげんなりする。
「……2ヶ月ぐらいで治るみたいだし、悪阻の時は無理して食べなくても大丈夫みたいだから、ベッドに横になってゆっくり休み!!」
Yahaa!検索で検索して麻子が色々教えてくれる。
とろろうどんを注文し、なんとか完食したわたし。
体調が急に悪くなったわたしを気遣いタクシーでマンションに送ってくれて、降りる時に途中に薬局でわたしのために買ってきてくれた妊娠検査薬とイオン飲料とフルーツゼリーを渡してくれた事がとても嬉しかった。
麻子ちゃんは姉御肌で面倒見がいい。
まどかの女王様気質とは違う事に気付いた。
家に帰り、すぐに妊娠検査薬で検査したらバッチリ優性が出て、妊娠してた。
悪阻はすぐには始まらないから、総司さんとのやらかしたワンナイトラブで妊娠したと悟った。
ゴム1ダースを使ったけど、総司さんは出る直前につけてたから避妊にはなってなかった。
仕事部屋のパソコンで仕事をしてる総司さんに妊娠検査薬を見せた。
仕事を中断して喜んでくれた。
年始の挨拶で久しぶりに会ったまどかはわたしが総司さんと結婚してしかも妊娠してる事を知り顔が引きつってた。
まどかも半ば強制的に馬場さんと婚約させられ同棲を始め、総司さんが馬場さんに『男なら力尽くで堕とせ』とアドバイスした事で、妊娠させられ早々に籍を入れさせられた。
まどかが可哀想な気はしたけれど、馬場さんは誠実な人で絶対にまどかを幸せにしてくれるはず……。
6月の終わりに長男の誠司《せいじ》が誕生した。
総司さんの立ち上げた会社の業績はうなぎ登りで、水面下でセ・リーグの球団の買収をし、本拠地は徳島にし、球団名をサイバーバードにし、新球場を建てたりした。
「希美が側にいたらどんな仕事でも上手くいく気がする」
総司さんは言う。
わたしと別れたら災いが起きるという話をまどかから聞いただけで、わたしがあげまん女という事は知らないらしい。
総司さんと歩む人生は夢のような出来事ばかりが起きた。
『あげまんの御加護だ!!』
麻子ちゃんは言う。
Yahaa!を退職し麻子がサイバーラボに転職してくれた。
わたしとペアでサイトのトピ記事の編集とweb広告の最高責任者として働いてくれてる。
2歳差で2人目ができて、わたしは、全く役に立ってない。
麻子がサポートしてくれてるから助かってる。
総司さんと結婚して、親友に助けられ、わたしは夢のような生活を送ってます。
「まどかに俺を諦めさせるためにも早い方がいいんだろ?」
日曜日の夜、馬場さんと遠坂さんを誘って4人で高級焼肉の名店に入った。
昼過ぎに起きて、また2時間ほど身体を貪られ、わたしとここで住みたいと言い出した相馬さんに、わたしの家にある衣類や靴、化粧品などを箱に詰めて持ち運ばれた。
冷蔵庫の中身も空にし、家具や家電、食器類は全て処分で強制的に引っ越しさせられた。
ついでに籍を入れようとして、証人欄に名前を書いて貰うために馬場さんと遠坂さんを呼び出した。
月島にあるわたしの実家に結婚の承諾を取りに行き、サイバーラボの社長との結婚だから熨斗をつけてくれてやる的な感じで両親が小躍り踊って結婚に承諾したから、わたしは明日、相馬希美になる事になった。
*****
「相馬さんの両親には挨拶に伺わないでよいのですか!」
相馬さんのご両親に結婚の許可を得てない事を思い出し、不安になる。
まどかの従兄弟なら相馬さんの実家の家柄もいいはず。
わたしは相応しくなくて、結婚を反対されるのではと頭によぎった。
そんなわたしの頭にぽんと手を置き、相馬さんはわたしに笑いかけた。
「まどか以外なら誰でもいいって言われてるし、問題ない。
しばらくの間は俺と希美ちゃんが結婚した事はまどかにはふせとこうと思って。
子供ができてから報告したら、あいつも諦めて、やけ起こして馬場と結婚するだろう!!
あっ、夫婦になるんだから、今からは総司って呼んで」
焼肉を食べて帰ってから一緒にお風呂に入り、お風呂で1階とベッドで2回、繋がってわたしの恥部内に精を放出して満足そうな総司さんが、今日は日付が変わる前に寝るらしく、ベッドの中でわたしを抱きしめて目を閉じた。
子作りは承諾してない。
ただ、サイバーラボも広告代理店のような仕事を請け負ってるのもあり、電通信を退職して総司さんの仕事を手伝う事にした。
子育てをしながらできる仕事をする。
夫婦としても仕事のパートナーとしても総司さんとわたしの相性はとても良いと感じた。
身体の相性がいいと他の相性もいいのかもしれない。
一緒にいて楽で楽しいから、性格の相性もとてもいい。
「まどかとはあれから会ってないの!?」
「……さすがにわたしのあげまん体質を他人に話してバカにされてたのを知るとLINEメッセージ来てもスタンプでゴメンでスルーしてる」
3ヶ月に1度ぐらいしか会わない麻子と籍をいれた次の週の土曜日にランチした。
総司さんはサイバーラボの社長なだけあり多忙で、でもノートパソコンとiPadがあればどこでも仕事ができる人。
基本的に食事とエッチなことをしてる時以外はずっと仕事をしてる。
今週末は溜まった仕事を片付けないといけないようで麻子とのランチに行かせてくれた。
「LINEブロックすればいいのに……」
「総司さんとまどかは従兄弟だからそれはできないんだよね……」
年始の挨拶で母方の実家が集まる場でわたしを嫁だと紹介する計画を立ててる総司さん。
3ヶ月後までにわたしを妊娠させる予定らしい……。
10年近く、仕事が多忙で女性を抱いてなかった反動か、発情期の野生動物並に盛ってる。
その対象がわたしだけだから、わたしの体力がついていけなかったりする。
「……サイバーラボ、新しいサイトを立ち上げたりと希美のあげまん効果でますます会社が大きくなってるね。
Yahaa!追い越す勢い!?そろそろ球団の買収に名乗り出る?」
「……総司さんの仕事に関してはわたしは何も知らない」
麻子はYahaaのトピ記事を書くのが仕事で、特ダネを掴むためか聞かれたくない事も踏み入って聞いてくる。
総司さんが球団を買収しようとしてるのは確かで、でもまだそれは願望だけで何も行動に移してない。
球団を買収してるIT企業は多いから話のネタで言っただけと思い、ウェートレスさんが運んでくれた好物の蟹のトマトクリームパスタを食べようとし、もわっとした匂いにいきなり気持ち悪くなってトイレに駆け込んだ。
麻子がわたしについてきてくれて吐くわたしの背中をさすってくれた。
「悪阻だね……。イタリアンのきつい匂いと脂っこい食事は無理だよね。近くのうどん屋さんに行こうか!!」
トイレから出て、わたしを匂いがきつい店内から出し、麻子が荷物を取ってきてくれて支払いをしてくれて、近くのうどん屋さんに手を引いて連れて行ってくれた。
手付かずで支払いをして出たからお店に悪い事をしたなと思いつつ、大好きなイタリアンが受け付けらなくなる悪阻にげんなりする。
「……2ヶ月ぐらいで治るみたいだし、悪阻の時は無理して食べなくても大丈夫みたいだから、ベッドに横になってゆっくり休み!!」
Yahaa!検索で検索して麻子が色々教えてくれる。
とろろうどんを注文し、なんとか完食したわたし。
体調が急に悪くなったわたしを気遣いタクシーでマンションに送ってくれて、降りる時に途中に薬局でわたしのために買ってきてくれた妊娠検査薬とイオン飲料とフルーツゼリーを渡してくれた事がとても嬉しかった。
麻子ちゃんは姉御肌で面倒見がいい。
まどかの女王様気質とは違う事に気付いた。
家に帰り、すぐに妊娠検査薬で検査したらバッチリ優性が出て、妊娠してた。
悪阻はすぐには始まらないから、総司さんとのやらかしたワンナイトラブで妊娠したと悟った。
ゴム1ダースを使ったけど、総司さんは出る直前につけてたから避妊にはなってなかった。
仕事部屋のパソコンで仕事をしてる総司さんに妊娠検査薬を見せた。
仕事を中断して喜んでくれた。
年始の挨拶で久しぶりに会ったまどかはわたしが総司さんと結婚してしかも妊娠してる事を知り顔が引きつってた。
まどかも半ば強制的に馬場さんと婚約させられ同棲を始め、総司さんが馬場さんに『男なら力尽くで堕とせ』とアドバイスした事で、妊娠させられ早々に籍を入れさせられた。
まどかが可哀想な気はしたけれど、馬場さんは誠実な人で絶対にまどかを幸せにしてくれるはず……。
6月の終わりに長男の誠司《せいじ》が誕生した。
総司さんの立ち上げた会社の業績はうなぎ登りで、水面下でセ・リーグの球団の買収をし、本拠地は徳島にし、球団名をサイバーバードにし、新球場を建てたりした。
「希美が側にいたらどんな仕事でも上手くいく気がする」
総司さんは言う。
わたしと別れたら災いが起きるという話をまどかから聞いただけで、わたしがあげまん女という事は知らないらしい。
総司さんと歩む人生は夢のような出来事ばかりが起きた。
『あげまんの御加護だ!!』
麻子ちゃんは言う。
Yahaa!を退職し麻子がサイバーラボに転職してくれた。
わたしとペアでサイトのトピ記事の編集とweb広告の最高責任者として働いてくれてる。
2歳差で2人目ができて、わたしは、全く役に立ってない。
麻子がサポートしてくれてるから助かってる。
総司さんと結婚して、親友に助けられ、わたしは夢のような生活を送ってます。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
年下幼馴染皇太子が溺愛してくる
由香
恋愛
平民薬師アリアと幼馴染の少年・レオン。
再会した彼は、幼い頃の泣き虫ではなく、世界で最も強く、甘く独占欲に満ちた皇太子になっていた。
「アリア、もう離さない」――身分差を超えた初恋が、宮廷で激しく、甘く、そして切なく燃え上がる。
逃げても逃げられない、溺愛ラブストーリー。
氷の上司に、好きがバレたら終わりや
naomikoryo
恋愛
──地方から本社に異動してきた29歳独身OL・舞子。
お調子者で明るく、ちょっとおせっかいな彼女の前に現れたのは、
“氷のように冷たい”と社内で噂される40歳のイケメン上司・本庄誠。
最初は「怖い」としか思えなかったはずのその人が、
実は誰よりもまっすぐで、優しくて、不器用な人だと知ったとき――
舞子の中で、恋が芽生えはじめる。
でも、彼には誰も知らない過去があった。
そして舞子は、自分の恋心を隠しながら、ゆっくりとその心の氷を溶かしていく。
◆恋って、“バレたら終わり”なんやろか?
◆それとも、“言わな、始まらへん”んやろか?
そんな揺れる想いを抱えながら、仕事も恋も全力投球。
笑って、泣いて、つまずいて――それでも、前を向く彼女の姿に、きっとあなたも自分を重ねたくなる。
関西出身のヒロイン×無口な年上上司の、20話で完結するライト文芸ラブストーリー。
仕事に恋に揺れるすべてのOLさんたちへ。
「この恋、うちのことかも」と思わず呟きたくなる、等身大の恋を、ぜひ読んでみてください。
傷痕~想い出に変わるまで~
櫻井音衣
恋愛
あの人との未来を手放したのはもうずっと前。
私たちは確かに愛し合っていたはずなのに
いつの頃からか
視線の先にあるものが違い始めた。
だからさよなら。
私の愛した人。
今もまだ私は
あなたと過ごした幸せだった日々と
あなたを傷付け裏切られた日の
悲しみの狭間でさまよっている。
篠宮 瑞希は32歳バツイチ独身。
勝山 光との
5年間の結婚生活に終止符を打って5年。
同じくバツイチ独身の同期
門倉 凌平 32歳。
3年間の結婚生活に終止符を打って3年。
なぜ離婚したのか。
あの時どうすれば離婚を回避できたのか。
『禊』と称して
後悔と反省を繰り返す二人に
本当の幸せは訪れるのか?
~その傷痕が癒える頃には
すべてが想い出に変わっているだろう~
ヤクザの若頭は、年の離れた婚約者が可愛くて仕方がない
絹乃
恋愛
ヤクザの若頭の花隈(はなくま)には、婚約者がいる。十七歳下の少女で組長の一人娘である月葉(つきは)だ。保護者代わりの花隈は月葉のことをとても可愛がっているが、もちろん恋ではない。強面ヤクザと年の離れたお嬢さまの、恋に発展する前の、もどかしくドキドキするお話。
甘い束縛
はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。
※小説家なろうサイト様にも載せています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる