縁談相手の元カレとリターンLOVE❤︎

鳴宮鶉子

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仕事もプライベートも共に

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ルーツインホテルズの内装リフォームのプロジェクトがスタートした。

全国各地の老朽化したホテルを経営企画部施設課の課長の律樹と視察し、リフォームについて検討し必要ならリフォームする箇所とそのリフォームにかかる費用を計算し、計画書を作成してルーツインホテルズからリフォーム依頼が来たら設計図書を作成する。

月始めの火曜日に泊まりがけでルーツインホテルズのリフォームの現場視察に出向き、1ヶ月かけてリフォームの設計図書を作成してるわたし。

遠方のホテルに視察に行くため泊りがけで、毎回律樹が夜這いにくるから困ってる……。

「……律樹、お願いだから中に出さないで」

「じゃ、結婚してくれる?子供はすぐにでも欲しいけど……」

排卵日を狙って泊りがけの視察を入れてる気がしてならない。

半年後に結婚式を挙げて夫婦になると言われ、わたしの実家に律樹と律樹のご両親が挨拶に行ってたりと動いてて、わたしの両親も乗り気でわたしを蚊帳の外で結婚式の段取りが進んでる。

結婚式まで後4ヶ月を切っていて、でもわたしからは律樹に「好き」とか「愛してる」という言葉をかけてない。


律樹の事が嫌いなわけじゃない。

だから、律樹から貰った指輪を今だに身につけてる。

ただ、律樹といる時だけ外してお財布の中に入れてた。

別れてから今まで、律樹の事を毎日なにかと思い出してた。

「伽音、11月22日に結婚して夫婦になるんだからな」

わたしとの結婚を強行した律樹だけど、わたしが愛情表現を態度や言葉で示さないからか結婚式が近づくにつれて不安を感じてるようだった。

律樹と再会してから律樹は日曜日の10時に当たり前のようにやってくる。
そしてルーツインホテル銀座のウェディングプランナーさんとの結婚式の打ち合わせや打ち合わせがない日は近場に観光へ行ったり映画を観に行ったりした。

恋人のような付き合いをしてた。

1度身分差で諦めた恋?
再会をして律樹から愛され結婚を強行された。
そして流され結婚して夫婦になろうとしてる。


「グランドルーツインホテル軽井沢のリフォームの施工管理者から電話です」

実際にリフォームに入って直さないといけない箇所が他に見えてきたりする。
大浴場の水道管が錆びついて取り替えが必要なぐらい劣化していたようで、勝手に交換するわけにはいかないから律樹に連絡を入れた。

グランドルーツインホテル軽井沢は築45年とかなり古い。

15年毎にリフォームを入れていたけれど大規模修繕は行われてなかったようだった。

「グランドルーツインホテル軽井沢のリフォームの件ですが、大浴場のリフォームに取り掛かったところ水道管が錆びて取り替えが必要と施工管理者から連絡がありました。取り替えを致しますと大浴場のみで100万円、全てだと1280万円ぐらいかかります」

『……ファックス見たけど、これは交換必要だな。俺の独断では決められないから夕方までに連絡する』

大浴場の錆で朽ちてる水道管の写真を電話をかける前にファックスで送っておいた。

いつ破裂してもおかしくないぐらい朽ちてる水道管。

遠方のため工事管理に行く事ができず、施工管理の現場監督に一任しているけれど、取り壊しをしてからわかる箇所に関して自分の目で確認したいと思った。
現場監督から取り壊した後の状態の写真が夕方にファックスが送られてくる。
それを見落とさないようにその写真に目をやった。


「律樹、あのね、グランドルーツインホテル軽井沢の件なんだけど今までに大型修繕入ってないから他に設備的に取り替えが必要な箇所が出てくると思う」

日曜日。式まで3ヶ月を切り、グランドルーツインホテル銀座に衣装合わせにきた。

律樹が結婚式を挙げるからとウェディング部門に特別予算を出し、わたしに似合いそうな海外の有名なデザイナーのドレスを取り寄せた。
着るドレスに関して決まっていてサイズ補正で試着する。
試着なのにブライダルメイクを施して貰い、フォト婚のためのスタジオで写真を撮る。
律樹もiPhoneでわたしの写真を撮ってた。

「伽音、仕事の話は後で聞くからそんな難しい顔をせず笑ってくれないかな?」

プリンセスラインの豪華なウェディングドレスとベルラインのピンク系ドレス、マーメイドラインのレッド系ドレス。
午後1時から3時までの2時間、衣装合わせに時間を費やす。

「グランドルーツインホテル軽井沢の件だけど伽音が必要と判断したらそれに従う。金額が金額だから社内会議は開かないといけないけど」

衣装合わせの後、最上階のカフェでフレッシュジュースを飲みながら律樹と話す。

「総司から伽音が大学時代にホテル建築に関してを専門に勉強してたのを聞いた。それで大島建設でホテル建築の仕事に携わりたいと言ってたのも。
伽音、ルーツインホテルの建築の仕事につくために俺と別れてから努力してきたんだろ。
俺が海外にもホテルを建てたいと言ってたから、語学の勉強もして、6ヵ国がネイティブ並みに話せるようになった。
だから俺はルーツインホテルの建築に関して伽音に一任する」

律樹はブランデーの水割りを飲みながらわたしを見つめ、そう言った。
大学のゼミの先輩で大島建設の専務が律樹の従兄弟だから、わたしの大学時代と社内でのわたしの情報が律樹にバラされてしまう。


「伽音、大学時代から今までモテてて口説いてくる奴多かったらしいけど伽音は誰とも付き合ってなかった。
そして俺がいる時は外してるけど、右手にプラチナのペアリングを付けてるって。
伽音も今も俺が高1の時にバイトをして買ったペアリングを身につけてくれてるのを聞いて嬉しかった。
今も持ってるんだろ?見せて」

律樹が服の中からリングネックレスに下げたペアリングを出して見せてきた。
わたしもお財布の中に入れてたペアリングを出して、手のひらにのせて律樹に見せた。

律樹がわたしの手のひらに乗せたペアリングを手に取り、わたしの左手薬指にはめた。

そして、つけてたリングネックレスを外し、ペアリングをわたしに渡し、左手を差し出した。

渡されたペアリングを律樹の左手薬指につけた。

「伽音、俺たちの想いはずっと繋がってた。10年半離れといた間もずっと。
俺、伽音しか愛せる女性がいなくて、伽音の事ばかり考えてて、だから、再会した時に強引に伽音を俺のものにしようとした。
伽音も俺と同じで俺の事を思ってくれてたのに、手荒な事や伽音の気持ちを無視して悪かった。
これからは伽音の気持ちを尊重して、話し合って夫婦としてやっていきたい。
伽音、一緒に幸せになろう」

「律樹、大好き。ずっと律樹の事だけを愛してた。律樹の隣にいたい。律樹、わたしを結婚相手に選んでくれてありがとう」

わたしはやっと、律樹に素直な気持ちを伝える事ができた。

「……伽音、伽音に触れたい。今日、このまま、ここの部屋をとって、泊まらないか」

「うん」

律樹がボーイに声をかけて、スイートルームの鍵をフロントに取りに行かせた。

再会した日は酔い潰れてお姫様抱っこをされて入った部屋に、自分の足で歩いて入る。

スイートルームに入って、短い口づけを何度も繰り返した後、口内に舌を挿れ貪り合うように絡め合わせる。
そして唇を合わせたまま手を伸ばし合い、きつく抱き合っていた。
キスをされながら着ていたワンピースのファスナーを降ろされ、ワンピースがストンと落ち、露わになった肌に彼が柔らかい唇を当て、熱い舌で撫でてきた。

「ちょっと余裕がない」

律樹がわたしをお姫様抱っこし、キングサイズのベッドに運ぶと、ポール・スミスのジャケットとシャツとズボンを脱ぎ捨て、わたしに覆い被さる。

濃厚な口づけをしながら、律樹は右手でブラジャーのホックを外し、わたしの左の胸に手を伸ばし膨らみの感触を楽しむ。

律樹に胸の頂を口で刺激されながら昔の事を思い出す。

律樹はわたしが子供の身体から大人の身体に成長する段階を見て触れてきた。
中学1年生の時の夏に、お互いのファーストキスを捨て軽く啄むキスから舌を絡め合わせる濃厚なキスをした。

中学2年生の春に、膨らみはじめたわたしの胸を律樹が嬉しそうに触ってくるようになった。
そして、セーラー服をたくし上げ、色気のないスポーツブラジャーから微かに膨らんでる頂を口に含み刺激した。
わたしも律樹の勇しく勃った逸物を手にしキスししゃぶりつき彼が放出する苦い遺伝子のエッセンスを飲み干してた。

妊娠したら怖いから子供がやってはいけない繋がる行為は高3の夏休みまでしなかった。
9月にアメリカに発つ律樹に夏休みの間毎日、律樹の部屋で勉強を見て貰ってた。
その時に初めて繋がった。
律樹が薬局で大学生のふりをしてゴムを買ってきて1箱だけと思って行為をしたのに、離れ離れになる不安からお互いを忘れないようにマーキングするように気づいたら勉強よりも身体を合わせゴムの空箱1ダースを超えてしまった。
初体験で痛かったのに律樹と繋がっていたかった。


「……伽音」

中高一貫校に通っていた時みたいに律樹のわたしに反応して勃ちあがった逸物を手に取り、口の中に挿れるわたしを見て律樹が固まった。

律樹と再会してから、わたしはマグロのようにただ律樹に抱かれていただけで自分から動く事はなかった。

「伽音、気持ちいいけど、伽音と繋がるなら下がいい」

カチカチにわたしの口の中に遺伝子のエッセンスを放出しそうなぐらいに反応してる律樹の逸物を口から外し、律樹の上に馬乗りになり、彼の逸物をわたしの中に埋めた。

律樹に愛されるわたしでなく、わたしも律樹を愛したい。

高級ホテルのスイートルームにゴムなんて置いてなく、何もつけずにわたしの中に挿れたから、わたしの中に遺伝子のエッセンスは注がれた。

「……ずっとわざと中出ししてた俺が言うのもあれだけど、伽音、子供できても大丈夫?仕事とかまだやりたい事とかあるだろ?」

「……律樹は赤ちゃん、欲しいんでしょ。わたしも律樹との赤ちゃん欲しい。仕事はこれからは律樹のサポートについてできる範囲でする。律樹の隣にいて律樹と幸せな家庭を築きたい」

オフィスビルの内装デザインの仕事を終え、ルーツインホテルズのリフォームと新規建築予定のホテルの内装デザインの専属になってたわたし。

迷惑をかけるとしたら律樹にで、律樹に素直な気持ちを出してしまった今、律樹と繋がり本能的に愛し合いたかった。

「総司に伽音をルーツインホテルズの専属にして貰ったし、大島建設には損害は与えない。子供を作ろうか」

1度わたしの中で達したのに、わたしを下に敷き覆い被さり、わたしの中に短時間で回復し勃った逸物を挿れ奥深くを突いてくる。

「伽音、愛してる。これからはずっと一緒にいよう」

中高一貫校時代、ほぼ毎日一緒にいた。
同じ塾に通い、週末も一緒にいた。

この日から、わたしは律樹の住む品川にあるタワーマンションで暮らすようになった。

そして、11月に結婚とともに大島建設を退職し、ルーツインホテルズの経営企画部でホテルの新規建築とリフォームの責任者になった。


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