手のかかる社長から狂愛されちゃいました

オリジナルコミック制作会議

「安蜜林檎先生と栗栖秋穂先生、白鳥鳴海先生、辻井友紀先生にオリジナルコミックの新連載をお願いしますね」

コミックバードのユーザーは20代後半から50代前半の女性が多い。
現代恋愛ジャンルの女性漫画を目的に多くの方がユーザー登録している。

コミックバードの専属漫画家の先生方が執筆したシナリオとネームから新連載する作品を選ぶ。

面白い作品があれば、全て採用する。
だけど、画力は高くてもシナリオがしっくりこない物が多い。

「ノベルスターの恋愛ジャンルの作品コミックバードのユーザーが求めている大人描写のある現代舞台の作品が多い。ヒットしそうな作品をリストアップしてコミカライズの打診しようと思うんですけど、どうですか？」

オリジナルマンガの電子書籍制作責任者の伊東香奈美さんが提案してきた。

4月から連載開始したノベルスターのコミカライズ作品5作は、大ヒットした。

クリエイターのファンの方がコミックバードに読みに駆けつけたからだと思われる。

会員登録をして下さり、アスカコーポレーションの収益アップに繋がった。

「……恋愛作品を55作コミカライズですか？」

オリジナルマンガのコミカライズをノベルスターの運営スタッフに営業かけたら、とんでもない企画の依頼舞い込んだ。

コンテストで原作を募集するだけでなく、過去作と連載中の作品からヒットしそうな作品を選び、クリエイターさんにコミカライズを打診するというシークレットな企画で、大人の現代恋愛のシナリオが欲しいアスカコーポレーション側としてはありがたい申し出だった。

「……サイトが重た過ぎて、全く読めん」

だけど、エラー500の多発で恋愛ジャンルの作品が読めない。
小説漫画投稿サイトとして機能していない。

「これだと書き手も読み手もイライラして去っていくわ」

大人の現代恋愛ジャンルの読み手はノベルスターが1番多い。
だからどんなにサイトが重くてエラー500を出しても、恋愛ジャンルのクリエイターはノベルスターを見捨てないと思っている。
恋愛作品がコミックバードでオリジナルマンガとして55作連載されるという告知もあり、他のサイトからも恋愛ジャンルのクリエイターがやってきて、渾身の作品を投稿していく。

恋愛ジャンルの作品を現在連載されてるものから過去作まで、女性の運営スタッフと読み進める。

マンガにして面白そうな作品を毎月5～6作品リストアップし、オリジナルマンガ制作会議でコミカライズするかを話し合う。
専属漫画家さんが提出したシナリオとネームもオリジナルマンガの候補で、月8～10作品の作品を新連載する。

「ノベルスター、子会社化させたいな」

相馬社長はノベルスターを子会社化する事を目論み始めた。