手のかかる社長から狂愛されちゃいました

マスコットバード

コミカライズする作品を投稿しているノベルスターのクリエイターさんが、アスカコーポレーションのオフィスにやってきた。
ノベルスターの恋愛WEB小説とコミックバードの社長との顔出し対談記事をコラムにしようと企画し、顔出し取材に応じて下さったのが書籍化とコミカライズを多数している人気クリエイターさん。

「……大人の色香が凄い」

見事な砂時計型の女性らしい体のライン。
色白で大きな瞳、ふっくらとした小さな唇。
中学生の男の子がいるとは思えない30代後半の美魔女が現れた。

エリートな男性から溺愛されて結婚するストーリーを執筆されているクリエイターさんで、恋愛テクニックもされどル○ンの峰不○子ちゃんみたいな見た目に男性達は惚れ込み溺愛しそう。

「取材を引き受けて下さりありがとうございます。アスカコーポレーション代表取締役社長の相馬涼羽です」

相馬社長がコミックバードのマスコットバードにするらしい鳥が入ったキャリーを持ってオフィスフロアに入ってきた。
そして、私にキャリーを渡してから商談室に入室し、美魔女と挨拶を交わす。

「……社長、マジでマスコットバード連れてきたよ」

SoftBan⚫︎の紀州犬のお父さんやアフラッ⚫︎の白いアヒルみたいなコミックバードのマスコットキャラを作りたいと言っていた相馬社長。

「オハヨウ、オハヨウ！！」

マスコットキャラにソロモンオウムのヨムくんを連れてきた。

人馴れしていて愛嬌を奮ってくるヨムくんが狭いキャリーに入れられてるのが気に食わず雄叫びをあげ始めたから仕方なく出し、肩に乗せて仕事をする。

「七瀬ちとせ先生、今日はありがとうございました。すみません、コミックバードのマスコットバードと記念写真を1枚、撮らせて頂いて宜しいですか？」

「は、……はい！！」

美魔女と白いオウム。
映える写真が撮れた。

相馬社長に青いチョッキを着させられ伊達眼鏡かけさせられたヨムくん。

美魔女な恋愛小説家と見た目だけハンサムなコミックバードの社長との対談コラムで初お披露目し、その後539cmに539g（誤差有）のコミックバードとしてCMに登場し、人気女性漫画の宣伝をした。

ヨムくんはタレントバードではない。
鳥専門店で愛嬌振ってきたヨムくんを『オマエに決めた！！』と相馬社長が衝動買いし、躾けた。

ヨムくんの可愛さに魅了されたのか、コミックバードの会員数が増えた。

電子コミックサービスサイトはコミックバード以外にもある。

「コミックサイトはどこもオリジナルマンガで勝負かけてきてるな」

ライバルのレンタコミックもオリジナルマンガの連載を配信を始めた。
有料会員に利用し続けて貰うためにはサービス向上とパフォーマンスで人目を引きつけないといけない。

調子にのった相馬社長はヨムくんマスコットぬいぐるみと文房具を作り、キャンペーンプレゼントにして有料漫画の販売促進を企てる。

ヨムくんグッズ欲しさに有料会員さんが課金してマンガを読み漁ってくれたおかげで売上が爆上がりし、3月末の決算、目標の純利益100億円を達成する事ができた。