手のかかる社長から狂愛されちゃいました

犯人は職場にいる

「……うちのマンションって新築分譲中に相馬社長がコロン対策に社宅として一括購入したんだよね？」

見知らぬストーカーにいつのまにかに合鍵を作られ、不法侵入されてる事を運営メンバー女子メンバーに報告した。

「うちのマンションのカードキー、セキュリティの関係で特殊使用だから、コンジョルジュか管理会社に発注かけないと合鍵作れないはずだし、……犯人、うちの男性社員じゃない？会社に合鍵保管してあるし！！」

犯人は誰だと犯人を特定する推理が始まる。

総務担当の新田さんに借入マンションのカードキーが入った金庫を開けて貰い、スペアのカードキーの確認をする。

「305のスペアカードキーが1枚足りない！！やっぱり、うちの男性社員の誰かが犯人だっ！！」

警察に被害届を出そうと思っていたけれど、社内の男性が犯人の可能性が高く、大ごとにしたくないから辞めた。

「……職場がばれてるから婚活相手に忍び込まれてカードキー盗まれたんじゃないか。管理会社にカードキー新しくするよう伝えた。マンション内にハウスクリーニング入れて隅々まで掃除して貰う」


六本木付近のレオパレスは1DKで月28万円する。
だから、住み続けるのは無理だ。

気持ちが悪いし怖いけど、マンションに戻り、運営メンバーの女性陣に通勤と買い出しに付き添って貰い、生活を送る。


部屋内に置いていた衣服や食器類、クッションや布団、ゴミ箱は全て処分して貰った。
自慰行為に使われてるかもしれないから気持ち悪くて触れない。
家電やソファーなども買い替えたけど、さすがにそこまでお金をかけられないから、ハウスクリーニングで念入りに消毒して貰った。

「カードキー新しくしてからは不法侵入されてない？」

「……今のところはされてないと思う」

出勤前に冷蔵庫内の作り置きおかずの写真をスマホで取り、帰ってから減っていないか確認する。

下着も無くなってないか、ベランダだけでなくクローゼット内のタンスの中も確認する。

「……うちの男性社員、アルマーニのトレーナーを着るような人いないよね？」

コミック配信サービス業に勤める男性社員はシステムエンジニアも営業もおしゃれに無頓着なゲーマーな男ばかり。

ハイブランドの服なんて誰も着ていない。

運営メンバー男性陣は6人で、そのうち3人は妻子持ち。
後の3人も彼女がいる。

運営メンバー男性陣をストーカーとして疑うのは辞めた。

カードキーを作り直してから3ヶ月が経った。
不法侵入の被害もなく、平和な日常を送り、ストーカー被害から解放され、犯人探しをするのを辞めた。