身代わりにしてゴメンね

鳴宮鶉子

文字の大きさ
7 / 10

妊娠している最愛の妻 side 創真

しおりを挟む
咲愛は親同士が決めた許婚だから俺と結婚した。
だから、咲愛は俺に対して好きとか愛してるという感情はない。

仕方がなく結婚をした。

*****
15年前。

ホテル ナカクラを継ぐ事に決まった優志が、ホテルを新規に建設するための土地を確保する目的で元皇族の御令嬢 黒川麗華さんと婚約をした。

それで、麗華さんと咲愛が同じ女子校に通ってるのもあり、優志が咲愛との仲を誤解されないよう咲愛を避けるようになり、優志の事が好きだった咲愛は失恋によりショックで成績がガタ落ちした。

週3で通ってた塾の週テストの結果がかなり悪く、週末のホームパーティでおばさんからきつい態度をとられてた咲愛。

いつも慰め役をしていた優志は、麗華さんをエスコートしていて咲愛に気をかけれない。

俺と比べられて、咲愛ができない事に対して酷く叱られてるのもあり、どう慰めの言葉をかけたらいいかわからなかった俺。

咲愛は初瀬工コーポレーションを継ぐために英才教育を受けさせられていて、努力しているのに成績が上がらず、おじさんとおばさんからいつも叱られ、哀しんでた。

そんな咲愛が不憫に思い、俺が咲愛の婚約者になり初瀬工コーポレーションを継げば、咲愛は英才教育を受けなくてもよくなると思った。

父より先におじさんに相談をした。

後継者として俺が欲しいおじさんは、俺が初瀬工コーポレーションを継ぐ見返りに、ナカクラのホテル建設費の技術料を1割安くすると父に交渉し、俺は咲愛を許婚にする事ができた。

俺が咲愛の許婚に決まってから、俺は咲愛に無理をさせたくなかったから、

「俺が咲愛の代わりに初瀬工コーポレーションを継ぐから、咲愛の成績が悪かったり、テストの点が悪かったりしても叱らないでやって欲しい」

とおじさんとおばさんにお願いをした。

もう、成績で怒られる事はないのに、咲愛は勉強をやり続けた。
できないなりにいつも努力していた。

そんな咲愛だから、俺は恋心を抱いた。

咲愛は両親から俺と比べられ卑下されていたのが、俺と婚約してからは成績について何も言われなくなり、見捨てられたと思ったようだった。

だからか、両親から褒めて貰いたいのか勉強ばかりしてた。

俺と比べたら悪いが、同学年の中では全国20番以内に入っていて、作文や詩のコンクールで金賞をとってた。

それに関し、咲愛の両親は喜ぶ事もなく、当たり前といった空気を醸し出し、咲愛を傷つけていった。

両親から認められたいという思いから、そこまでしないでいいのにと思うぐらい努力する咲愛に、俺は常に側に寄り添ってた。

咲愛と俺が許婚になってから15年。
咲愛は結婚を拒み、子供を持つ事を完全に拒絶した。

それは仕方がない事だと思った。

両親から認められたいと思って奮闘してそれなりに成果を出しても、咲愛の両親は無関心になり、咲愛を認めない。
だから、咲愛に、そんな自分が母親になって大丈夫なのかという迷いができてしまったんだと思う。

避妊に関しては気をつけていた。

だが、健気な咲愛が愛おしすぎて、側にいると本能的に襲っていて、妊娠させてしまった。

咲愛は俺の事をいつも両親から比べられ卑下されてたのもあり毛嫌いしてた。
でも、許婚だから仕方がないと、俺を受け入れた。

気持ちはないとはわかっていても、身体は本能的に感じ、俺を求める。

だから、俺は咲愛を抱く事で、咲愛を感じ、愛されてると錯覚したかった。

それが、妊娠させてしまい、客間に立て篭もり、仕事も休んでいる咲愛。

完全に拒絶されてしまった……。

咲愛のお腹の中の子が今何ヶ月で予定日がいつかわからなくて、優志に奥さんに探りを入れて情報を仕入れてる俺。

3月20日前後に子供が産まれるのに、咲愛とすれ違ったままで、途方に暮れてしまった。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

ハイスペックでヤバい同期

衣更月
恋愛
イケメン御曹司が子会社に入社してきた。

優しい紳士はもう牙を隠さない

なかな悠桃
恋愛
密かに想いを寄せていた同僚の先輩にある出来事がきっかけで襲われてしまうヒロインの話です。

腹黒外科医に唆された件~恋人(仮)のはずが迫られています~

有木珠乃
恋愛
両親を亡くし、二人だけの姉妹になった一ノ瀬栞と琴美。 ある日、栞は轢き逃げ事故に遭い、姉の琴美が務める病院に入院することになる。 そこで初めて知る、琴美の婚約者の存在。 彼らの逢引きを確保するために利用される栞と外科医の岡。 「二人で自由にならないか?」を囁かれて……。

狼隊長さんは、私のやわはだのトリコになりました。

汐瀬うに
恋愛
目が覚めたら、そこは獣人たちの国だった。 元看護師の百合は、この世界では珍しい“ヒト”として、狐の婆さんが仕切る風呂屋で働くことになる。 与えられた仕事は、獣人のお客を湯に通し、その体を洗ってもてなすこと。 本来ならこの先にあるはずの行為まで求められてもおかしくないのに、百合の素肌で背中を撫でられた獣人たちは、皆ふわふわの毛皮を揺らして眠りに落ちてしまうのだった。 人間の肌は、獣人にとって子犬の毛並みのようなもの――そう気づいた時には、百合は「眠りを売る“やわはだ嬢”」として静かな人気者になっていた。 そんな百合の元へある日、一つの依頼が舞い込む。 「眠れない狼隊長を、あんたの手で眠らせてやってほしい」 戦場の静けさに怯え、目を閉じれば仲間の最期がよみがえる狼隊長ライガ。 誰よりも強くあろうとする男の震えに触れた百合は、自分もまた失った人を忘れられずにいることを思い出す。 やわらかな人肌と、眠れない心。 静けさを怖がるふたりが、湯気の向こうで少しずつ寄り添っていく、獣人×ヒトの異世界恋愛譚。 [こちらは以前あげていた「やわはだの、お風呂やさん」の改稿ver.になります]

甘い束縛

はるきりょう
恋愛
今日こそは言う。そう心に決め、伊達優菜は拳を握りしめた。私には時間がないのだと。もう、気づけば、歳は27を数えるほどになっていた。人並みに結婚し、子どもを産みたい。それを思えば、「若い」なんて言葉はもうすぐ使えなくなる。このあたりが潮時だった。 ※小説家なろうサイト様にも載せています。

密室に二人閉じ込められたら?

水瀬かずか
恋愛
気がつけば会社の倉庫に閉じ込められていました。明日会社に人 が来るまで凍える倉庫で一晩過ごすしかない。一緒にいるのは営業 のエースといわれている強面の先輩。怯える私に「こっちへ来い」 と先輩が声をかけてきて……?

あなたがいなくなった後 〜シングルマザーになった途端、義弟から愛され始めました〜

瀬崎由美
恋愛
石橋優香は夫大輝との子供を出産したばかりの二十七歳の専業主婦。三歳歳上の大輝とは大学時代のサークルの先輩後輩で、卒業後に再会したのがキッカケで付き合い始めて結婚した。 まだ生後一か月の息子を手探りで育てて、寝不足の日々。朝、いつもと同じように仕事へと送り出した夫は職場での事故で帰らぬ人となる。乳児を抱えシングルマザーとなってしまった優香のことを支えてくれたのは、夫の弟である宏樹だった。二歳年上で公認会計士である宏樹は優香に変わって葬儀やその他を取り仕切ってくれ、事あるごとに家の様子を見にきて、二人のことを気に掛けてくれていた。 息子の為にと自立を考えた優香は、働きに出ることを考える。それを知った宏樹は自分の経営する会計事務所に勤めることを勧めてくれる。陽太が保育園に入れることができる月齢になって義弟のオフィスで働き始めてしばらく、宏樹の不在時に彼の元カノだと名乗る女性が訪れて来、宏樹へと復縁を迫ってくる。宏樹から断られて逆切れした元カノによって、彼が優香のことをずっと想い続けていたことを暴露されてしまう。 あっさりと認めた宏樹は、「今は兄貴の代役でもいい」そういって、優香の傍にいたいと願った。 夫とは真逆のタイプの宏樹だったが、優しく支えてくれるところは同じで…… 夫のことを想い続けるも、義弟のことも完全には拒絶することができない優香。

処理中です...