絶体絶命!!天敵天才外科医と一夜限りの過ち犯したら猛烈求愛されちゃいました

鳴宮鶉子

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天才外科医と婚約した覚えはありません

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「相沢ちゃん、2日後の濱崎雅弥くんの経皮的心房中隔欠損閉鎖術ね、有馬先生がやってくれるって」

「ハッ!!」

有馬頼翔先生のせいで教授を待たせてしまった。
カテーテルによる心臓手術の可能性について研究をしている私。
教授と一緒に執刀するつもりだったのに有馬頼翔先生がすると聞き、思わず、国立大学病院の権威ある循環器内科医専門の教授に対し、失礼な態度をとってしまった。

カテーテル手術は循環器内科医が行う内科的手術。

「経皮的心房中隔欠損閉鎖術は外科医に任せた方がいいと思うんだよね。あの人、メスで人をじゃんじゃん切ってるイメージあるけど、アメリカではカテーテル手術で済む手術はカテーテルでしてたみたいよ」

藤嶋教授が5年前に出版された世界五大医学雑誌の1つ“ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン”を見せてきた。
“ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン”はマサチューセッツ内科外科学会が発行してる。

「有馬先生、経皮的心房中隔欠損閉鎖術だけでなく、経皮的動脈管閉鎖術、大動脈縮窄に対する経皮的ステント留置術、なさった御経験がおありなのですね」

天才外科医ではなく変態外科医としかもはや思えない有馬頼翔先生。
ショーツがベタつくから、おりものシートで不快を除去するも早く家に帰ってシャワーを浴びて、念入りに秘部を洗いたくて堪らない。

論文に書かれている事は素晴らしいが、今の私には何も入ってこない。

「なんかね、カテーテル手術ですむ手術をわざわざダヴィンチでロボット手術するのがアホらしくなったみたい。確かにロボット手術よりカテーテル手術の方が費用的にも体の負担も患者に優しい」

有馬頼翔先生は私が患者の治療方針で外科的手術でなくカテーテルによる内科的手術を提案するも、論破し外科的手術に持っていった。
メスで人の体を切り刻みたい狂気な外科医と思っていた。

「相沢ちゃん、有馬先生としょっちゅう手術方針で喧嘩してたけど、有馬先生に内科的手術の可能性を解らせ、結婚の約束までさせるなんて、凄いな!!」

「エッ、私、有馬先生と結婚する約束してませんけど……」

「今朝、有馬先生からメール来てたよ。3月の終わりに結婚式しますって」

有馬頼翔先生が藤嶋教授に送ったメールを無理言って見せて貰った。

「私、後期研修終わった後、出産で育児休暇とるつもりありません!!何、考えるんですか、あの変態外科医。人の人生、勝手にシミュレーションするな!!」

実家が病院経営をしていないから、このまま今いる国立大学附属病院に勤めるつもりではいる。

有馬頼翔先生は若造りだけど32歳。
私は29歳。
子供を産むタイミングは今だとは思う。

「有馬先生と夫婦になるなんて、無理です」

「性格に難ありだがパートナーには最高だと思うぞ!!」

「絶対に嫌です!!」

「カテーテル手術は外科医と内科医の共同作業。良いパートナーになると思うけどな」

藤嶋教授は私の反応を面白がっていた。


濱崎雅弥くんの経皮的心房中隔欠損閉鎖術によるカテーテル手術は、開始10分で終わった。

足の付け根にある静脈からカテーテルを挿入し、カテーテルを経由して右房から左房に挿入する。
先に左房側に穴を閉じるディスクを貼り付け、続いて、右房側にディスクを貼り付け、心房中隔を挟み込る。
最後にカテーテルから切り離し留置して終了。

手術に立ち合った経験は数えるぐらいしかない。
いきなり機械回しをするように言われ焦る。
手術の方法が頭に入っているから、指示される前に渡す事ができ、オペ看泣かせの有馬頼翔先生に睨まれる事もなく罵声も浴びせられる事もなく、平和に終わった。

「藤嶋教授、相沢のカテーテル手術の指導を私にさせて頂けませんか?」

オペを終えた有馬頼翔先生が、藤嶋教授にとんでもないお願いをした。

「有馬先生、やってくれるの?助かるよ。カテーテル手術でいけるケースといけないケース、教えてやってくれ!!」

藤嶋教授が許可したがために、有馬頼翔先生が私の指導医になってしまった。


医学部の大学院は2年の修士課程はなく、4年の博士課程のみ。

卒業した大学の附属病院に研修医で入れた私は初期研修2年目から大学院に通う事ができ、後期研修最後の3年目の今年、大学院も卒業となる。

最初の2年間に講義8単位、演習6単位、実験実習16単位を履修し、3年目に研究発表を行った。
そして最後の年に論文作成を行う。

医学博士になるためには、大学に籍を置きながら医学について研究し、学会発表を重ね、論文にまとめないといけない。
その後、複数の教授の面接を受け、合格したら、さらに英語とドイツ語の外国語試験をパスしないといけない。
外国語試験をパスし、担当の教授から認められたら大学から医学博士の資格が授与される。

「藤嶋教授が結衣に期待してるって言ってたよ」

先天性心疾患のカテーテル治療の可能性についてを研究をしている。
心房中隔欠損症や動脈管開存症のカテーテル手術で修復が可能。
外科的手術ではなくカテーテル手術で他の先天性心疾患も心臓修復ができないか可能性を探してる。

「藤嶋教授に頼まれたかも知れませんが、時間を割いて下さらなくても結構ですよ」

「嫌、俺いないと論文仕上がらないでしょ?カテーテル手術が可能な症例と不可能な症例。結衣はわかってないなら」

研究段階だった去年。
有馬頼翔先生と患者さんの治療方針で何度も言い争いになった。

外科的手術をしないといけないのか。
カテーテル手術で治療できないかと。

「俺の奥さんになる結衣には立派な循環器内科医になって欲しいから、手取り足取り教えてやるよ」

妖しい雲行きになる。
論文作成のための時間、大学院の研究室で有馬頼翔先生と2人きり。

有馬頼翔先生が淫獣な狼にならないはずはなかった。

「……結衣、ここ、弱いよな」

性感帯の首筋や胸の頂、恥芽を攻められ、押し倒されたソファーの上でよがってしまう。
蜜壷に指を差し入れられ、感じるとこを押され、潮まで吹かされる。

「……感度がいいよな」

何度も私をイかせ、有馬頼翔先生は欲望でそそり立つ屹立を取り出し、一気に蜜口に宛てがってきた。

「……入れただけでイッてる。可愛い」

脚がぴーんと伸び震え、背中が反った私を見て、有馬頼翔先生は満足そうに腰を打ちつけてくる。

そして、最奥にあたるよう私の両脚を持ち上げ子宮口に向かって吐精する。

「中に出すの辞めて下さいって言いましたよね!!」

「妊娠して産まれるまでには10ヶ月かかる。研修明けるタイミングに産まれた方がいいだろう?」

「有馬先生と結婚するつもりはありません。だから、子供は産まないので中に出さないで下さい!!」

ショーツが汚れるのが嫌だから、生理用ナプキンを当てて履き、スクラブを着る。

中鍵を閉めているから誰も入って来れないけど、有馬頼翔先生に何度も抱かれたらたまったもんじゃないから、終わったらすぐに服を着る。

「教授達、結衣が医学博士になって後期研修明けたら、俺たちが結婚すると思ってるよ」

大学病院の権力者に祝福されてる。
外壁を埋められ、有馬頼翔先生と結婚する流れに持っていかれていた。


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