Reverse love 〜絶対に貴方を堕としてみせる〜

鳴宮鶉子

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幼馴染から……

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大翔に車で家まで送って貰ったわたし。

大翔は、午後から注文住宅の施主様のお宅にヒアリングに行かないといけないとかで、わたしを降ろしたらそのまま車を発進させた。

家に入ると、母さんが玄関まで出てきて、

「だらしない、飲み過ぎて吐くってあんたって子は!!」

とわたしを叱りつけた……。
2日酔いの頭に、母の怒鳴り声は響く。

頭痛と吐き気で身体が怠く、母さんからお灸を据えられた後、わたしは自分の部屋のベッドに寝そべり物思いに浸った。

大翔のお嫁さんになりたいと思ってたけど、わたし、絶対にもう叶わない……。

飲み過ぎて吐いた女なんて、恋愛対象外だ。

声を殺し、わたしは、ひたすら泣き続けた。

土曜日は家に戻ってからずっと、ベッドに横になり、わたしはそのまま、また眠ってた。

「咲良、起きろ」

耳元で大翔の声が聞こえて、一瞬で目が覚めて上半身を起こす。

「咲良、湘南に行こう。前に約束しただろ、また連れていくって。女は色々準備があると思うから30分後に迎えにくる」

大翔はそういうとわたしの部屋を出て行った。

昨日、大翔に迷惑をかけたのにそれなのに大翔はわたしを気にかけてくれる……。

ベッドから起きて、シャワーを浴びて、1番お気に入りのレッセパッセで購入した淡いピンク色のワンピースを着て、丁寧にメイクをした。

そして、迎えにきた大翔と一緒に、湘南に向かった。


湘南について、新江の島水族館へ1番に向かい、前回見る事ができなかったショープログラムをじっくり楽しんだ。
そして13時過ぎに水族館を後にし、大翔が有名らしい海鮮丼の名店に連れて行ってくれた。

15分ぐらい並んだけど新鮮な海鮮がたっぷり乗った海鮮丼はとっても美味しかった。

その後、江の島岩屋、江島神社と観光し、夕陽でオレンジの世界になる夕方に、大翔はわたしを恋人の丘 龍恋の鐘に連れてきた。

江ノ島の恋人の聖地
【恋人の丘 龍恋の鐘】

2人の名前を書いた南京錠を金網につけると「永遠の愛が叶う」とか言われてる。
永遠の愛が訪れるとされる「誓いの鍵」伝説の発祥地。

大翔は南京錠に自分の名前を書き、わたしに黒いマジックを渡してきた。
だから、名前を書いた。
それを、金網にかけた。

そして、大翔に手を引かれ、一緒に龍恋の鐘を鳴らした。鐘を二人で鳴らすと別れないと言われてる……。

そして、陽が沈むのを見ながら、

「咲良、俺と結婚してくれ」

大翔から、幼馴染から恋人を通り越し、結婚を申し込まれた。

「俺、中学生の時からよく女から告白されて付き合ってたけど、どの女とも2週間持たなかった。
だから、咲良の事が好きだったけど、付き合ってそれで別れて幼馴染の関係も失うかもしれないと思ったら、手を出せなかった。
咲良が俺の事が好きなのは中学の時から気づいてた」

大翔の甘い言葉にわたしの胸は高まる。
男女関係は複雑で、上手くいってる時は良いけど、別れた時に、今まで築いていた関係が壊れてしまう事がある。

だから、大翔は敢えて、わたしと付き合わなかった。

でも、わたしと同じで、大翔もわたしの事を好きだと思ってくれてた事が、嬉しかった。

「龍恋の鐘を2人で鳴らせば別れない。近くにある金網に2人の名前を書いた南京錠をかければ、永遠の愛が叶う。
咲良、俺の奥さんになって、俺と人生を歩んで下さい」

大翔がポケットから指輪ケースを取り出して、中からダイヤのついた指輪をら取り出し、わたしの左手の薬指にはめた。

「大翔、大好き。わたしを奥さんに選んでくれてありがとう」

江の島の恋人の丘の龍恋の鐘の横で、人目をはばからず、わたしは大翔に抱きついた。
大翔のわたしへのプロポーズを、多くの人が見ていて、多くのカップルが拍手をしてくれて祝福してくれた。
恥ずかしかったけれど、嬉かった。


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