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満月の日の深夜を明け、朝の6時半にオフィスビルを出ると、いつもの場所で泣き男 香月弁護士はいて涙を流してた。
「香月さん、こんな時間まで泣いてたんですか?」
2日間眠ってないから身体はふらふら、そんな中、彼に近づく。
いつもは生きる屍のような目をしている泣き男なのに、いきなり私を強く抱きしめてきた。
「……君がもう俺の相手をしてくれないと思うと寂しくて涙が溢れてくる。
いつもは満月の夜に柄の悪い男達に犯され川に身を投げ亡くなった彼女を思い泣いてた」
1年ほど前に、ここで花見で呑んだくれた柄の悪い男3人が若い女性をレイプし女性が川に身投げするという事件が起きた。
その女性の恋人が香月さんと知り、言葉を失う。
「……亡くなった彼女にそっくりな君が現れて、俺をラブホに連れて行き犯すのを見て、満月の夜の妖と思ってた」
抱きしめた腕を緩め、私の両肩に手を置き、香月さんが私の顔をじっと見つめてくる。
「……私が香月さんにしでかした行為は罪になる事例ですよ。彼女さんが命を絶たれたキッカケと同じ事を私は貴方にした」
「……違う。君は俺を慰めようとしてくれた。でも、君は罪深い。
俺の心を奪っておいて、仕事で絡みができると関係を切ろうとする。
君が俺と結婚してくれないなら、猥褻罪で訴えようか」
私の頭を撫でながら香月さんが言う。
付き合うを通り越して結婚というワードが出てきて焦る。
「……ひとまず、ムーンライトホテルへ行こう。君と遊びたい」
香月さんがわたしの手を引き、早朝のラブホ ムーンライトに入っていく。
「……私、二徹で睡眠不足なんで今日は無理です」
「目の下のクマとおとついと同じ服を着てるからわかる。
君を抱きしめて一緒に眠りたい」
ラブホ ムーンライトの客室に入り、スーツを着たまま、キングサイズのベッドで香月さんに抱きしめられて眠りについた。
二徹の次の日は流石にブラック企業も従業員が倒れたらいけないから休みをくれる。
気づいたら昼前まで香月さんに抱きしめられて眠っていた。
「起きた?………芽衣子、服を買いに行くか?」
おとついから同じ服を着ているから流石に気持ち悪い。
「アパートがすぐ側にあるから帰ります。なので着替えは必要ないです」
「俺が君を離したくないの。家まで着いて行く。君がシャワー浴びて着替えるのを待ってから昼ご飯を食べに行こう」
12時までにチェックアウトをしないといけなくて、慌ててラブホから出てた。
そして、私の住んでいるアパートへ向かった。
「……女の子の1人暮らしなんだから安全面を考えて住まないと」
オートロックなんてないおんぼろアパートの2階に住んでる私。
安月給だから会社付近でアパートを探すと家賃8万円台はここしかなかった。
「……深夜2時に帰宅に二徹勤務とか、相楽システム開発はブラック過ぎるな」
「システム開発の会社はどこも同じですよ……」
シャワーを浴びて、セシルマクビーの可愛いワンピースを着てメイクをする。
アンタイトルとコムサイズムのスーツを仕事着で着ていて、可愛い系の私服姿を香月さんに見せた事がなく、少し恥ずかしい。
「……スーツ姿はセクシーだけど、こういう可愛い格好もとても似合ってる。襲っていい?」
「……2日半、まともなご飯食べてないからご飯を食べに行きたい」
「そうだな……食べに行こうか」
一瞬残念そうな表情を浮かべたけど、香月さんはわたしの手を引いてアパートから出て、歩いて川沿いにあるカフェへ行き、オムライスランチをした。
「芽衣子……ここで一緒に暮らさないか」
ランチの後、香月さんと手を繋いで歩いていたら半年前に建った目黒駅側のタワーマンションの前に連れて行かれた。
そして、カードキーで中に入り、香月さんの部屋に入る。
「職場まで住んでいるアパートとさほど変わらない。通勤時は車で送り迎えする。心配なんだ」
恋人が柄の悪い男達に犯されて自殺をしたから、私が同じような目に遭わないか心配なんだと思う。
「………君の部屋の衣類等をここに持ってこよう。今日からここが君の家だ」
承諾をしてないのに、香月さんは私の部屋へ戻り、衣類と化粧品などをスーツケースと段ボール2つに入れさせ、私を強制的に引っ越しさせた。
付き合うとも一緒に住むとも言ってない。
なのに、私は流されるように香月さんの恋人になり同棲を始める事になった。
「香月さん、こんな時間まで泣いてたんですか?」
2日間眠ってないから身体はふらふら、そんな中、彼に近づく。
いつもは生きる屍のような目をしている泣き男なのに、いきなり私を強く抱きしめてきた。
「……君がもう俺の相手をしてくれないと思うと寂しくて涙が溢れてくる。
いつもは満月の夜に柄の悪い男達に犯され川に身を投げ亡くなった彼女を思い泣いてた」
1年ほど前に、ここで花見で呑んだくれた柄の悪い男3人が若い女性をレイプし女性が川に身投げするという事件が起きた。
その女性の恋人が香月さんと知り、言葉を失う。
「……亡くなった彼女にそっくりな君が現れて、俺をラブホに連れて行き犯すのを見て、満月の夜の妖と思ってた」
抱きしめた腕を緩め、私の両肩に手を置き、香月さんが私の顔をじっと見つめてくる。
「……私が香月さんにしでかした行為は罪になる事例ですよ。彼女さんが命を絶たれたキッカケと同じ事を私は貴方にした」
「……違う。君は俺を慰めようとしてくれた。でも、君は罪深い。
俺の心を奪っておいて、仕事で絡みができると関係を切ろうとする。
君が俺と結婚してくれないなら、猥褻罪で訴えようか」
私の頭を撫でながら香月さんが言う。
付き合うを通り越して結婚というワードが出てきて焦る。
「……ひとまず、ムーンライトホテルへ行こう。君と遊びたい」
香月さんがわたしの手を引き、早朝のラブホ ムーンライトに入っていく。
「……私、二徹で睡眠不足なんで今日は無理です」
「目の下のクマとおとついと同じ服を着てるからわかる。
君を抱きしめて一緒に眠りたい」
ラブホ ムーンライトの客室に入り、スーツを着たまま、キングサイズのベッドで香月さんに抱きしめられて眠りについた。
二徹の次の日は流石にブラック企業も従業員が倒れたらいけないから休みをくれる。
気づいたら昼前まで香月さんに抱きしめられて眠っていた。
「起きた?………芽衣子、服を買いに行くか?」
おとついから同じ服を着ているから流石に気持ち悪い。
「アパートがすぐ側にあるから帰ります。なので着替えは必要ないです」
「俺が君を離したくないの。家まで着いて行く。君がシャワー浴びて着替えるのを待ってから昼ご飯を食べに行こう」
12時までにチェックアウトをしないといけなくて、慌ててラブホから出てた。
そして、私の住んでいるアパートへ向かった。
「……女の子の1人暮らしなんだから安全面を考えて住まないと」
オートロックなんてないおんぼろアパートの2階に住んでる私。
安月給だから会社付近でアパートを探すと家賃8万円台はここしかなかった。
「……深夜2時に帰宅に二徹勤務とか、相楽システム開発はブラック過ぎるな」
「システム開発の会社はどこも同じですよ……」
シャワーを浴びて、セシルマクビーの可愛いワンピースを着てメイクをする。
アンタイトルとコムサイズムのスーツを仕事着で着ていて、可愛い系の私服姿を香月さんに見せた事がなく、少し恥ずかしい。
「……スーツ姿はセクシーだけど、こういう可愛い格好もとても似合ってる。襲っていい?」
「……2日半、まともなご飯食べてないからご飯を食べに行きたい」
「そうだな……食べに行こうか」
一瞬残念そうな表情を浮かべたけど、香月さんはわたしの手を引いてアパートから出て、歩いて川沿いにあるカフェへ行き、オムライスランチをした。
「芽衣子……ここで一緒に暮らさないか」
ランチの後、香月さんと手を繋いで歩いていたら半年前に建った目黒駅側のタワーマンションの前に連れて行かれた。
そして、カードキーで中に入り、香月さんの部屋に入る。
「職場まで住んでいるアパートとさほど変わらない。通勤時は車で送り迎えする。心配なんだ」
恋人が柄の悪い男達に犯されて自殺をしたから、私が同じような目に遭わないか心配なんだと思う。
「………君の部屋の衣類等をここに持ってこよう。今日からここが君の家だ」
承諾をしてないのに、香月さんは私の部屋へ戻り、衣類と化粧品などをスーツケースと段ボール2つに入れさせ、私を強制的に引っ越しさせた。
付き合うとも一緒に住むとも言ってない。
なのに、私は流されるように香月さんの恋人になり同棲を始める事になった。
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