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トラウマで受け入れ不可能
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「……うわぁ、桐嶋くん、そういう人だったんだ。遠距離で別れたメンバーの愚痴をしょっちゅう聞いてるけど、別れた後に執着されて陥れられて結婚させられるって、こわっ!!」
水曜日の夜、莉乃ちゃんを誘って新宿にあるおしゃれなイタリアンのお店にきた。
そして、ワインを飲みながら、蓮の卑劣な行為について全てを莉乃ちゃんにぶちまけた。
「桐嶋くん、ハンサムで仕事もできる最高レベルの男だけど、異常愛の持ち主で怖いね。
今思うと、大学時代、結衣にかなり惚れ込んでてべったりだったもんね」
付き合い始めたのは大学1年の夏休み。
バイト先が同じ設計事務所で、1人暮らしをしてる蓮にご飯を作ってあげたのがきっかけだった。
母が料理好きだから小さい頃から一緒に作ってて、実家暮らしだと家ではお手伝いぐらいしかできないから、蓮の家で好きに作らせて貰ってた。
国立大の最高峰の工学部を首席で合格した賢すぎる蓮。
細マッチョで背も高く、爽やか系の美しい顔立ちをしていて、かなりモテてた。
付き合ったのはバイトを始めて2週間後のお盆休み前。
1日置きにご飯を作りにお邪魔していて、お盆休みに帰省するから冷蔵庫の中の野菜とかをうちに持って帰ろうと寄った時に告白されて、お盆休みの3日間、離して貰えなかった。
蓮は見かけは草食系の王子様だけど、実際は性欲がかなり強い肉食系。
だから遠距離恋愛になって、遊びで女の子を連れ込んで発散したんだと思う。
完全にトラウマになって、最近、あの映像がよく頭の中に流れる。
しかも、その映像がズームでヤッてるところが拡大されて流れるから、かなり気持ちが悪い。
蓮が女の子に背後から勃起したアレを挿して腰を振ってる姿は野獣にしか思えず、男のアレが悍ましくて気持ち悪くてならない。
『蓮くんが昨日、福岡出張のお土産を届けてくれた。母さんにたかはし化粧品の美容液、わしに森伊蔵を2本、後、辛子明太子も届けてくれてな、お礼をしたいから、日曜日の夜に連れてきなさい』
父からの電話。出た事を後悔する。
蓮は私の両親に貢ぎ物をよく持っていく。
そのたびに週末に実家に呼び出され、蓮と行かないといけないから、せっかくの休みが台無しになる。
高層ビルの建築では業界No.1の瀬戸工コーポレーション。
その本社の意匠設計部の課長職になると、関東だけでなく全国、時に海外まで出張し、建築する建物のデザインと大まかな設計図を短時間で描いて担当の支部の設計士に仕事を引き継がないといけないらしい。
かなり仕事は多忙を極めてるのに、蓮は私の両親に呼び出されたら仕事の都合をつけてくる。
仕事を理由に断って欲しいのに、私と一緒にいて触れ合える至福のひとときとなんとしてもくる。
*****
「蓮くん、ポルスターの設計を選任になったから大変だな。九州だけでなく、全てを任されたんだっけ?新婚なのに家にあまり帰れないのは辛いな」
蓮がマンションブランドの専属意匠設計士に選ばれたのは知ってた。
野崎不動産のプランドと、マルモのポルスター。
どちらも物件数が多く、蓮が私情を挟み、私にシステムキッチンを受注するから、TATAの売り上げが伸びてる。
「結衣が僕の奥さんでいてくれるだけで満足してます」
私の横にくっつくように座り、時々頭を撫でたり太腿を触ってきたりする。
手を払いたいけど、私と蓮が仲良さそうにしてる姿を見て父が嬉しそうな表情を浮かべるから耐えた。
「……明日の仕事に響くから、そろそろ帰ろう!!」
いつも8時半にタクシーを呼び、実家を後にする。
父はもっと蓮と話したいみたいだけど、長くは引き止めたりはしない。
『2人の時間を奪ったらいけないな。結衣も来年30になるんだから、早く子供を作って産みなさい!!』
孫を催促されても無理。母も『早く結衣の赤ちゃんを抱きたいわ』と子宝の御守りを私に渡してくる。
「お義父さんとお義母さん、俺達の子供を熱望してるから、作らないか!?」
タクシーに乗り込み、タクシーが走り出すと蓮が私の耳元で囁く。
「……無理。蓮の子を産みたくない」
冷たく遇らうと蓮が悲しそうな顔をするから絆されそうになる。
実家でのお呼ばれや、大学の友人達もしくは会社関係の飲みの場で、蓮の横に座って一緒にいるうちに、少しずつだけど蓮を受け入れられるようになってきた。
でも、酒に酔って完全に意識を無くさないと、私は蓮とエッチできないと思う。
水曜日の夜、莉乃ちゃんを誘って新宿にあるおしゃれなイタリアンのお店にきた。
そして、ワインを飲みながら、蓮の卑劣な行為について全てを莉乃ちゃんにぶちまけた。
「桐嶋くん、ハンサムで仕事もできる最高レベルの男だけど、異常愛の持ち主で怖いね。
今思うと、大学時代、結衣にかなり惚れ込んでてべったりだったもんね」
付き合い始めたのは大学1年の夏休み。
バイト先が同じ設計事務所で、1人暮らしをしてる蓮にご飯を作ってあげたのがきっかけだった。
母が料理好きだから小さい頃から一緒に作ってて、実家暮らしだと家ではお手伝いぐらいしかできないから、蓮の家で好きに作らせて貰ってた。
国立大の最高峰の工学部を首席で合格した賢すぎる蓮。
細マッチョで背も高く、爽やか系の美しい顔立ちをしていて、かなりモテてた。
付き合ったのはバイトを始めて2週間後のお盆休み前。
1日置きにご飯を作りにお邪魔していて、お盆休みに帰省するから冷蔵庫の中の野菜とかをうちに持って帰ろうと寄った時に告白されて、お盆休みの3日間、離して貰えなかった。
蓮は見かけは草食系の王子様だけど、実際は性欲がかなり強い肉食系。
だから遠距離恋愛になって、遊びで女の子を連れ込んで発散したんだと思う。
完全にトラウマになって、最近、あの映像がよく頭の中に流れる。
しかも、その映像がズームでヤッてるところが拡大されて流れるから、かなり気持ちが悪い。
蓮が女の子に背後から勃起したアレを挿して腰を振ってる姿は野獣にしか思えず、男のアレが悍ましくて気持ち悪くてならない。
『蓮くんが昨日、福岡出張のお土産を届けてくれた。母さんにたかはし化粧品の美容液、わしに森伊蔵を2本、後、辛子明太子も届けてくれてな、お礼をしたいから、日曜日の夜に連れてきなさい』
父からの電話。出た事を後悔する。
蓮は私の両親に貢ぎ物をよく持っていく。
そのたびに週末に実家に呼び出され、蓮と行かないといけないから、せっかくの休みが台無しになる。
高層ビルの建築では業界No.1の瀬戸工コーポレーション。
その本社の意匠設計部の課長職になると、関東だけでなく全国、時に海外まで出張し、建築する建物のデザインと大まかな設計図を短時間で描いて担当の支部の設計士に仕事を引き継がないといけないらしい。
かなり仕事は多忙を極めてるのに、蓮は私の両親に呼び出されたら仕事の都合をつけてくる。
仕事を理由に断って欲しいのに、私と一緒にいて触れ合える至福のひとときとなんとしてもくる。
*****
「蓮くん、ポルスターの設計を選任になったから大変だな。九州だけでなく、全てを任されたんだっけ?新婚なのに家にあまり帰れないのは辛いな」
蓮がマンションブランドの専属意匠設計士に選ばれたのは知ってた。
野崎不動産のプランドと、マルモのポルスター。
どちらも物件数が多く、蓮が私情を挟み、私にシステムキッチンを受注するから、TATAの売り上げが伸びてる。
「結衣が僕の奥さんでいてくれるだけで満足してます」
私の横にくっつくように座り、時々頭を撫でたり太腿を触ってきたりする。
手を払いたいけど、私と蓮が仲良さそうにしてる姿を見て父が嬉しそうな表情を浮かべるから耐えた。
「……明日の仕事に響くから、そろそろ帰ろう!!」
いつも8時半にタクシーを呼び、実家を後にする。
父はもっと蓮と話したいみたいだけど、長くは引き止めたりはしない。
『2人の時間を奪ったらいけないな。結衣も来年30になるんだから、早く子供を作って産みなさい!!』
孫を催促されても無理。母も『早く結衣の赤ちゃんを抱きたいわ』と子宝の御守りを私に渡してくる。
「お義父さんとお義母さん、俺達の子供を熱望してるから、作らないか!?」
タクシーに乗り込み、タクシーが走り出すと蓮が私の耳元で囁く。
「……無理。蓮の子を産みたくない」
冷たく遇らうと蓮が悲しそうな顔をするから絆されそうになる。
実家でのお呼ばれや、大学の友人達もしくは会社関係の飲みの場で、蓮の横に座って一緒にいるうちに、少しずつだけど蓮を受け入れられるようになってきた。
でも、酒に酔って完全に意識を無くさないと、私は蓮とエッチできないと思う。
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