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衝撃的な事実
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披露宴での演出がひと通り終わり、招待客が花嫁さんと花婿さんと記念写真を撮ったり、席を離れて話を始め、ざわざわし始めた。
わたしは席に着いたまま、結城課長達とたわいない話を楽しんでいた。
「拓馬さんも出席されてたのですね!!」
結城課長に、背後から可愛らしい声をした女性が話しかけた。
振り向くと、そこに結翔の奥さんがいた。
「なんで、お前がいる」
「夫がお嫁さんの大学時代のゼミ仲間なんですよ。
それで、夫婦で出席しました」
きゃぴってる結翔が苦手なタイプの奥さんに、わたしは驚いた。
見た目も……、可愛い感じはするけれど、ずば抜けてはいない。
「旦那の所へ戻れ、こっちくんな。おまえ、大宮建設の御曹司をはめて結婚したんだろ。旦那、可哀想にな」
「えへっ、でもわたしは拓馬さんのお嫁さんになりたかったな」
「俺は、おまえなんか死んでも相手にしない。あっちへ行け、シッシッ」
結城課長が結翔の奥さんに対して、かなり嫌そうな表情を浮かべ、虫ケラのように扱う。
結翔が……大宮建設の御曹司???
10年間付き合っていたのにわたしは知らなかった。
そして、この小悪魔というより魔女みたいな女性に、結翔がはめられて結婚したという事実を知り、衝撃を受けた。
結翔が大学時代の友人達と席を外してたのだろう……。
結翔がこちらに近づいてこようとして、結翔の奥さんは慌てて結翔の元へ駆けて行き席に戻っていった。
「あいかわずだね、真美ちゃん。
中高一貫校時代も大企業の賢い御曹司の追っかけばかりしてたもんな」
結城課長の友人の営業の中澤さんが呆れたように呟いた。
「本当に迷惑。まっ、下心ありありのあいつと本気で付き合うやつなんていなかったけどな。遊びでもあいつとは無いわ、俺。大宮建設、代が変わったら潰れそうだわ」
結城課長が毒を吐く。
結城課長も魔女の真美ちゃんに狙われたという事は、どこかの大企業の御曹司なのかもしれない。
たぶん、建築業界だと思われる。
大宮建設を敵視してるという事は、もしかしたら大島建設の御曹司なのではと頭によぎった。
結城課長が大島建設の御曹司だとしても、わたしは部下なだけでこんな鬼畜と結婚とかあり得ないから関係ない。
普段飲まないロゼワインを口にする。
明日、仕事だからアルコールは飲む気は無かったけれど、ついつい手を出してしまった。
激務のせいで疲労が溜まってるのと、最近、まともに食事をとってなかったからか、ロゼワインと白ワインと梅酒を1杯ずつしか飲んでないのに、気を失ってしまった。
昨晩も夜中の2時まで仕事をしていて、今朝は美容院でメイクの髪のアップを予約していたから8時に起きた。
積み重なる疲労と寝不足は、微量のアルコールの摂取でも、酔わせてしまう……。
意識を飛ばす前に、結城課長が、肩を思いっきり揺すり、『香坂、こんな所で寝るな!!』と言ってたのは、覚えてる。
でも、わたしは、眠気に負けて、眠ってしまった。
わたしは席に着いたまま、結城課長達とたわいない話を楽しんでいた。
「拓馬さんも出席されてたのですね!!」
結城課長に、背後から可愛らしい声をした女性が話しかけた。
振り向くと、そこに結翔の奥さんがいた。
「なんで、お前がいる」
「夫がお嫁さんの大学時代のゼミ仲間なんですよ。
それで、夫婦で出席しました」
きゃぴってる結翔が苦手なタイプの奥さんに、わたしは驚いた。
見た目も……、可愛い感じはするけれど、ずば抜けてはいない。
「旦那の所へ戻れ、こっちくんな。おまえ、大宮建設の御曹司をはめて結婚したんだろ。旦那、可哀想にな」
「えへっ、でもわたしは拓馬さんのお嫁さんになりたかったな」
「俺は、おまえなんか死んでも相手にしない。あっちへ行け、シッシッ」
結城課長が結翔の奥さんに対して、かなり嫌そうな表情を浮かべ、虫ケラのように扱う。
結翔が……大宮建設の御曹司???
10年間付き合っていたのにわたしは知らなかった。
そして、この小悪魔というより魔女みたいな女性に、結翔がはめられて結婚したという事実を知り、衝撃を受けた。
結翔が大学時代の友人達と席を外してたのだろう……。
結翔がこちらに近づいてこようとして、結翔の奥さんは慌てて結翔の元へ駆けて行き席に戻っていった。
「あいかわずだね、真美ちゃん。
中高一貫校時代も大企業の賢い御曹司の追っかけばかりしてたもんな」
結城課長の友人の営業の中澤さんが呆れたように呟いた。
「本当に迷惑。まっ、下心ありありのあいつと本気で付き合うやつなんていなかったけどな。遊びでもあいつとは無いわ、俺。大宮建設、代が変わったら潰れそうだわ」
結城課長が毒を吐く。
結城課長も魔女の真美ちゃんに狙われたという事は、どこかの大企業の御曹司なのかもしれない。
たぶん、建築業界だと思われる。
大宮建設を敵視してるという事は、もしかしたら大島建設の御曹司なのではと頭によぎった。
結城課長が大島建設の御曹司だとしても、わたしは部下なだけでこんな鬼畜と結婚とかあり得ないから関係ない。
普段飲まないロゼワインを口にする。
明日、仕事だからアルコールは飲む気は無かったけれど、ついつい手を出してしまった。
激務のせいで疲労が溜まってるのと、最近、まともに食事をとってなかったからか、ロゼワインと白ワインと梅酒を1杯ずつしか飲んでないのに、気を失ってしまった。
昨晩も夜中の2時まで仕事をしていて、今朝は美容院でメイクの髪のアップを予約していたから8時に起きた。
積み重なる疲労と寝不足は、微量のアルコールの摂取でも、酔わせてしまう……。
意識を飛ばす前に、結城課長が、肩を思いっきり揺すり、『香坂、こんな所で寝るな!!』と言ってたのは、覚えてる。
でも、わたしは、眠気に負けて、眠ってしまった。
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