LOVE marriage

鳴宮鶉子

文字の大きさ
7 / 11

部下が愛しくて堪らない side 拓馬

しおりを挟む
俺が指示した激務で、香坂をガリガリに鶏ガラのような身体にし、過労死寸前にさせてしまった俺。
彼女を太らせようと、昼にハイカロリーな店に連れて行った。
そして、残業も23時までにして退社させた。

寝不足と栄養が改善したからか、少しずつマショマロのような柔らかさが戻ってきた気がする。

香坂と一緒にいると癒される。

俺の話を目を見開いて楽しそうに聞く香坂。
昼メシ時になんの話をしようかと太らせる目的だったのが、いつのまにか一緒に昼メシを食うのが楽しみになっていた。

堀田が福岡に転勤になる前に、中高一貫校時代の友人達と、駅前の居酒屋で待ち合わせをして飲んだ。

ビールをしこたま飲まされた堀田が俺のところに寄ってきた。

「拓馬、お前のとこの清純派の部下、あの子、大島建設の御曹司と大学入学してから最近まで10年間も付き合ってたの知ってた?
真美が御曹司を寝取って別れたらしいけど」

「はっ…、それ、ホンマか」

堀田から衝撃的な話を聞いた。
すると、大島建設に就職した佐伯が、話の中に入ってきた。

「真美のやつ、出産した子の血液型が真美とも御曹司とも違って、血液型検査をしたらやっぱり違って、速攻で離婚されたよ。
でも、御曹司は元カノと寄りを戻したいと思ってるらしいよ。
社内の噂で聞いた」

真美のやらかす事だから、たぶん、そういうオチだろうと予想はしていた。

香坂が、大宮建設の御曹司と大学時代から10年間も付き合っていたと聞き、耳を疑う。
俺が、大宮建設の御曹司の立場なら、絶対に真美みたいな女の策略で関係なんて持たないし、仕事が多忙で会えないとしても浮気なんてしない。
親父に掛け合い、裏工作して大島建設に就職させてずっと側に置く。


堀田の結婚披露宴で、大宮建設の御曹司が俺を睨みつけてきたのは、目の前で愛する女を、俺がお姫様抱っこして出て行ったからか……。

香坂の事を部下として、愛おしいと思った。

それが、大島建設の御曹司の大切な元カノで、大島建設の御曹司が真美と離婚したと知った今で、香坂を奪われないか焦る俺がいた。

香坂が、天才的な設計士だからではなく、この気持ちは、

……俺、香坂の事が好きだ。

大宮建設の御曹司が動き出す前に、香坂を口説き落としてものにする。

ビールを飲みながら、俺は思った。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

上司に恋していいですか?

茜色
恋愛
恋愛に臆病な28歳のOL椎名澪(しいな みお)は、かつて自分をフッた男性が別の女性と結婚するという噂を聞く。ますます自信を失い落ち込んだ日々を送っていた澪は、仕事で大きなミスを犯してしまう。ことの重大さに動揺する澪の窮地を救ってくれたのは、以前から密かに憧れていた課長の成瀬昇吾(なるせ しょうご)だった。 澪より7歳年上の成瀬は、仕事もできてモテるのに何故か未だに独身で謎の多い人物。澪は自分など相手にされないと遠慮しつつ、仕事を通して一緒に過ごすうちに、成瀬に惹かれる想いを抑えられなくなっていく。けれども社内には、成瀬に関する気になる噂があって・・・。 ※ R18描写は後半まで出てきません。「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。

続・上司に恋していいですか?

茜色
恋愛
営業課長、成瀬省吾(なるせ しょうご)が部下の椎名澪(しいな みお)と恋人同士になって早や半年。 会社ではコンビを組んで仕事に励み、休日はふたりきりで甘いひとときを過ごす。そんな充実した日々を送っているのだが、近ごろ澪の様子が少しおかしい。何も話そうとしない恋人の様子が気にかかる省吾だったが、そんな彼にも仕事上で大きな転機が訪れようとしていて・・・。 ☆『上司に恋していいですか?』の続編です。全6話です。前作ラストから半年後を描いた後日談となります。今回は男性側、省吾の視点となっています。 「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しています。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

初体験の話

東雲
恋愛
筋金入りの年上好きな私の 誰にも言えない17歳の初体験の話。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

一途な恋

凛子
恋愛
貴方だけ見つめてる……

離婚した妻の旅先

tartan321
恋愛
タイトル通りです。

アダルト漫画家とランジェリー娘

茜色
恋愛
21歳の音原珠里(おとはら・じゅり)は14歳年上のいとこでアダルト漫画家の音原誠也(おとはら・せいや)と二人暮らし。誠也は10年以上前、まだ子供だった珠里を引き取り養い続けてくれた「保護者」だ。 今や社会人となった珠里は、誠也への秘めた想いを胸に、いつまでこの平和な暮らしが許されるのか少し心配な日々を送っていて……。 ☆全22話です。職業等の設定・描写は非常に大雑把で緩いです。ご了承くださいませ。 ☆エピソードによって、ヒロイン視点とヒーロー視点が不定期に入れ替わります。 ☆「ムーンライトノベルズ」様にも投稿しております。

処理中です...